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テレビ屋気取り #17「えんとつ町のプペル」


いつもはテレビについて書いていますが、広くエンタメという視点で捉えて、今回は「えんとつ町のプペル」という映画のこと、というか自分のことを書きたいと思います。


1月6日、ずっと気になっていた映画を観にいきました。

それが「えんとつ町のプペル」です。

みなさんご存知の通り、西野亮廣さんが製作総指揮を務めるアニメーション映画です。


ネタバレになるといけないので…
という決まり文句も虚しいほどに、レビュー記事がたくさんあったり、そもそも原作の絵本が全ページ公開されたりしているので、あえてここでそのストーリーには触れません。

というか、この映画を観て思ったのは、この壮大な物語を自分の言葉で要約できるほど、自分は何かを成し遂げていないと思いました。

だから僕は作品の中身については書きません。

でもこれだけは言えるのが、
今のこの時代に、今の自分がみるべき映画だったということです。


この映画からもらった勇気を持って、まずはルビッチのように自分の夢を語ろうと思います。




笑われていない夢


僕には夢があります。

それは「テレビの世界に身を置くこと」です。

でもこれはもう叶いました。

大学生になってからテレビ局でアルバイトをはじめて、実際のテレビ制作の現場をこの目で見ることができたからです。

そしてありがたいことに、高校生の頃に自分が立てた、尊敬するあるタレントさんと一緒に仕事をするという目標も叶いました。

なんでそんなに人がいるのかわからないテレビ局のスタジオで、見つかるはずもないアルバイトで下っ端の僕を、そのタレントさんは認識してくれました。

さらには、その番組に出演させてもらい、自分が考えていることをその人にぶつけて、めちゃくちゃ笑ってもらいました。


この一連の経験を受けて、新しい目標ができました。

それは「テレビで自分の番組を作る」ことです。

やっぱり現場を見ていると、「総合演出ってかっこいいな〜」と思います。

ディレクターをはじめとした制作スタッフをまとめたり、演者さんと打ち合わせをしてお互いに考えていることをぶつけ合いながら番組づくりをしている姿を見ていると、いつかは自分もあの立場になりたいという思いがこみ上げてきました。

今はテレビの演出家も脚光を浴びる時代です。
どういう人間がこの番組を作っていて何を考えているのか、そこに注目している視聴者もいるし、演出家側からそれを発信していたりもします。

僕も番組作りに関わっていて感じたことなど、発信したいことはたくさんありますが、会社のルールでSNS等で発信することは禁止されています。

もちろん会社のルールなので従いますし、もしかしたら今ここに書いていることすらアウトなのかもしれませんが、中身の本質には触れていないのでセーフということでお許しいただければありがたいです。

こんなことに気を使わなくてもいいように、自分も総合演出になりたいんです。



少し話が変わりますが、

僕は西野さんと同じ田舎生まれです。

この動画を見ていて刺さったのが、西野さんの幼少期のお話です。


僕の地元も山と川しかない田舎なので、身近な娯楽といえばテレビしかありませんでした。

映画館に行くにも車で片道1時間くらいかかるので、気軽に「映画館連れて行ってよ」とは言えませんでした。

このことを思うと、今回自分で車を運転してその映画館に「えんとつ町のプペル」を見に行って、この文章を書いているのは少し感慨深いです。

話を戻します。


西野さんが幼少期に体験された、近所のスーパーに来たプロレス巡業のお話に似た経験を僕も思い出しました。

中学3年生の時、近所の夏まつりにあるモノマネ芸人さんが来ました。
(小学生くらいの記憶でしたが、調べてみたら意外と最近でした。)

そのモノマネ芸人さんのことは、当時「とんねるずのみなさんのおかげでした」という番組内の、「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」や「2億4千万のものまねメドレー選手権」という企画で見ていて、そのコーナーに出ていた芸人さんたちの中では一番好きだったんじゃないかと思います。

そんな大好きな芸人さんが地元のお祭りに来てくれるということで、僕はその日が来るのを楽しみにしていました。

当日はその芸人さんの出番を誰よりも早くからステージ前で待っていて、本番中は友人たちと最前列の中央を陣取って、そこにいたお客さんの誰よりも声を上げて笑っていました。

全国ネットの番組に出ているとはいえ、不定期開催の企画に出ているモノマネ芸人さんの田舎での知名度はそれほどです。

自分と友人たちだけが異常に笑っている、それを客観視した時、僕たち以外のお客さんがこの人のすごさを知らないんじゃないかと、怒りのようなものを覚えました。

でも、テレビの向こうの人がこんな田舎に来てくれているという事実が何よりも嬉しくて、自分の一番身近な娯楽だったテレビ、だけどどこか遠い世界のショーに過ぎなかったテレビという存在が、全然遠いものなんかじゃないということに気づきました。

これがテレビの世界に足を踏み入れたいと思ったきっかけです。

そして、面白いものをみんなに見せたいと思った瞬間でした。


自分の中で漠然とした夢ができたものの、中学生の自分はやはり現実を受け止めていて、その現実味のなさに気づいていました。

というか今思えば、それを非難されることが嫌だったような気がします。

非難されるのが嫌だから、現実味のないこととして自分の思いに蓋をしていたのかもしれません。



西野さんの言葉を借りると、僕は”学校の勉強ができる”人間でした。

勉強ができればいい大学に入れてなんでもできる。

そう思っていました。

これに加えて、もしかしたら「誰にも非難されたくない」という思いが、自分の勉強に対してのモチベーションだったかもしれません。


でもこれは、田舎の世界のお話です。

いざ大学受験をしてみたら、戦う相手は全国に何万人といて、そこでは自分なんか勝負になるような人間ではありませんでした。

夢を叶えようとするたびに現実を突きつけられ、その度に自分の中でたくさんのことに折り合いをつけてきました。

皆、もともと、夢の類を持っていたのだけれど、大人になる過程で、己の能力や環境を鑑みて、折り合いをつけて捨ててしまった。
    ー西野亮廣『ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある』 p.78 ー

西野さんのこの言葉に、過去の自分が環境を言い訳にして忘れていったものはゴミだったことに気づかされました。


大学に入ってしばらく経ってから、いろいろなことに挑戦するようになって、それがどんなに小さいことであっても達成する喜びを感じたりしたことで、もう環境のせいにするのは辞めようと考えるようになりました。

どんなに挫折しても、どんなに自分に折り合いをつけても捨てきれなかったのが、「テレビへの憧れ」です。


そんな中、「皆が折り合いを付けて捨てたモノ(=ゴミ)」をいまだに持ち続け、丁寧に磨き、輝かせようとしている者がいる。
    ー西野亮廣『ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある』 p.78 ー


そして、自分が捨てきれなかったこのゴミは、テレビ制作の現場での経験を受けて、さらに具体的に磨きのかかったモノになってしまいました。




「えんとつ町のプペル」を観て、西野さんの著書(「ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある」)を読んで、それを自分に置き換えて考えた時、気づいたことがあります。

自分の夢は誰にも笑われていない

「えんとつ町のプペル」ができたのも、今の西野さんがあるのも、誰かに夢を笑われたことがあるからだと、僕は解釈しました。

じゃあ自分はどうなのかと考えた時、僕は今の夢を笑われたことがないことに気づきました。

なぜ夢を笑われていないか、それは自分の夢を発信していないからです。

今「テレビで自分の番組を作る」という夢のために就職活動をしていて、一部の友人や知人たちはそのことを知ってくれています。

そしてありがたいことに、誰もそれを笑うことなく応援してくれています。

もしかしたら心の中では笑っているのかもしれませんが。


自分が夢や目標を発信してこなかったのは、やはり心のどこかで笑われることが嫌だという思いがあったからだと思います。

でも、夢を笑われることの大切さに気づきました。

それは、笑われることの悔しさが自分のアクションの原動力となるから、そして自分の至らない部分に気付けるからです。

人間は自信は自分で持てるものの、なかなか欠点に気づきにくい生き物だと思います。

特に自分のような人間はそうだと思います。

夢を叶えるために、誰かに笑ってもらうという他力本願な考え方はよくないかもしれませんが、笑われることで自分が何をすべきなのかがわかるんじゃないか。

西野さんから学んだことを通して自分が出した結論です。(間違っていたらすみません…)


最初は、誰かに腐されるのではないかと思ってはじめた、この「テレビ屋気取り」という毎週の駄文ですが、

今現在放送されているテレビの批判を通して、素人ながら現場を見てきて感じたこと、そして自分が将来作りたいもの、これらをすり合わせるために僕は毎週書いています。

そして、それを通して自分が何をしたいのかが自分の中で明確になっています。

笑われるのを覚悟で毎週発信しているので、読んでくれている人は少ないかもしれませんが、ぜひ誹謗中傷でもなんでもいいので感想が欲しいなと思いました。




エンタメ×西野さん×自分=?


今僕は、西野さんのオンラインサロンに入ろうか迷っています。

入ろうか迷う理由として、
「就活のために全ての仕事を捨てたので収入がないから会費を算出できない」というのがありますが、これは単なる言い訳に過ぎません。

本当に入りたいという思いがあったら、時間でもお金でも作ると思います。

今は精神的にその余裕がないので、とりあえず就活が納得行くまでは…ということで、学生の間には必ず入ります!


私事ですが、その就活への不満をぶつけたいと思います。

西野さんのように、何かを表現したいと思った時、1人で立ち上がり仲間を集める行動力が大事なのはよくわかります。

でも、「テレビで自分の番組を作りたい」という僕の夢を叶えるには、どうしてもテレビ局や制作会社をはじめとした組織に入る必要があります。(特に総合演出になるには)

もしかしたら自分の知識不足で、他に道があるのかもしれませんが、就職活動を経て誰かに選ばれることで組織に属さなければ、何も始まりません。

自分と同じような夢を持った人が世の中には何人もいて、その思いの強さを比べることで自分が選ばれるわけではないし、やっぱりそれだけ人気な業界だというのは、これまでにいくつかの局の選考を受けてきて強く感じました。

だから、今はものすごく「誰かに選ばれる」というのに恐怖があります。

これまでいくつか面接を受けてきて、面接官の反応がよくて手応えはあったのに落とされるという経験をいくつもしてきました。

もう何を信じればいいのかわかりません。


今回「えんとつ町のプペル」から学んだのは、誰かに認めてもらうためにまずは自分を信じるということです。

自分が何をしたいのか、
自分が捨てきれなかったゴミにもっと磨きをかけて、それを誰かに認めてもらいたいと思います。


以前ここにも書きましたが、「テレビでテレビをはじめとしたエンタメを語り合える番組」を作りたいとずっと思っています。

実際そういう番組が存在したり、放送されたりしていて、別にこの企画性にはなんの斬新さもありません。

このことは、「ゴミ人間」の中の最後にある西野さんからのメッセージで強く感じました。

なんでこれをやりたいのか、もっと勉強して自分の中で磨きをかけたいと思います。

ただ、今回「えんとつ町のプペル」を見てからの数日間で、西野さんのYouTube配信をのぞいたり、著書を読んだりした中で、新たな夢ができました。

それは、自分がやりたいこの番組に西野さんに出てもらうことです。

日本のエンターテイメントの中心にいる西野さん(本の帯より)とだからこそ作ってみたい思いました。


実は、僕の中で番組のMCの1人は決まっていました。

それは、最初に”尊敬するタレント”として触れた、オードリーの若林さんです。

昨年12月に「あちこちオードリー」にキングコングさんがゲストで出演された時、同期としてお互いをリスペクトし合うその関係性に感銘を受け、そんな矢先に「えんとつ町のプペル」に出会い、西野さんの考え方に深く興味を持ち、今に至ります。




知らないことの怖さ


西野さんが絵本作家を始めたこと、オンラインサロンを始めたこと、そしてニューヨークで個展を開いたことなどは、ネットニュース等で目にしていたし、それをバカにするようなアンチ的な存在がいることもなんとなく知っていました。

しかし、恥ずかしながら今回映画に出会って、著書に初めて触れて今までの事実の詳細や、その時々に西野さんが感じていたことを知りました。

当時アンチとなって一緒になって批判していたわけではありませんが、もしかしたら傍観しながら西野さんの活動を腐すような思いが自分のどこかにあったかもしれないと思いました。

今までいろいろな著名人の考え方に影響を受けてきて、その中には西野さんの同期の芸人さんもいて、著書やメディアでの発言で「キングコングはすごい」「西野はすごい」というのを何回も見てきました。

それでも、今回ここまで西野さんという存在が深く自分に刺さるまでに、時間がかかりました。

はじめて、知らないことが怖いと思いました。

知らずに非難するのと同じくらいよくないことなんじゃないかとも思いました。


いろいろな情報が入ってきやすい時代になったのにもかかわらず、世の中には知らないことがたくさんあります。

膨大に流れてくるSNSのタイムラインやニュースアプリの画面をただ眺めるだけじゃなくて、少しでも気になったことは自分が納得いくまで調べていこうと思いました。


自分の夢を叶えるために、まずは自分を知ることからはじめようと思います。




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2021.01.10 作成

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