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テレビ屋気取り #39 子どもたちのテレビはどこへ行ったのか?


今週分のテレビ屋気取りは何について書こうか考えていたら、窓の外から近所の子どもたちの声が聞こえてきました。

「自分が同じ歳くらいの時は、あんなに外で遊んでなかったな〜
 完全にインドアな子どもだったな〜
 ていうか、今時の子も外で遊ぶんだな〜」
なんて考えていたら、「テレビ×子ども」という構図について考えてみようと思い立ちました。


「キングオブコントの会」を観ました。
コントって頭を使って観る面白さと、何も考えずに観る面白さの両方があって、小さい頃は後者の楽しみ方しかできていなかったけど、年齢とともに知識とか経験が増えて、前者の楽しみ方ができるようになったんだなと感慨深くなりました。前者の必要性と正しさみたいなのは疑問に感じますが…


”頭を使って感じるおもしろさ”は必要なのか


自分でもよく意味がわからない見出しをつけてしまいました。

子どもの頃は「これはなんでおもしろいのか」なんて理論的に考えることはありませんでした。
観ていておもしろいと思ったら笑う。
次の日に学校でそれを話して、共感してくれる友達がいたら一緒に盛り上がる。すごく単純でした。

そんな番組が少なくなってきたなーと感じる今日この頃です。
それは自分があの頃から成長して、物事を理論的に捉えるようになったり、頭を使ってあれこれ考えてしまうようになったからだというのは自覚していますが、それにしても自分の幼少期よりは頭を使ってみないといけないコンテンツが増えたと感じます。

単純な音ネタとか一発ギャグで芸人が有名になっていた時代がどこかへいってしまったように感じるのもそのせいかもしれません。

個人的な主観ではありますが、こんな時代になってしまった今、近所で楽しそうにはしゃいでいる子どもたちは、テレビでどんな番組を見て笑うのか、そもそもテレビなんか見ないでYouTubeでそれぞれが面白いと思うコンテンツに触れて楽しんでいるのか、すごく気になります。

「あの番組(動画)、あそこの構成がよかったよね〜」なんて、いくらなんでも子どもたちは言わないと思うし、
「YouTubeとの住み分けをもっとはっきりとさせないといけないんだよな〜」なんて難しいことは考えていないと思います。

単純にYouTubeというフィールドが一般化されてテレビよりも身近になり、そのYouTubeというフィールドは24時間365日という限られた放送時間に縛られることなくコンテンツが溢れているだけ。
私自身、最近そのことをようやく理解できるようになりました。



情報バラエティの必要性


少し話題は変わります。

テレビにしかできないことはなんだろうと考えた時、それは連続ドラマだったり報道番組だったり、いろいろと挙げられるのは間違いありませんが、バラエティを見て育ってきた自分がプレイヤーとして作りたいとは思いません。

そういう思いがここ数ヶ月ずっと自分の中にあって、だから「テレビでバラエティを作る意味ってなんなんだろう」という思いから、自分が作り手になることをやめようかと悩んでいる時期がありました。

そんな時にハマったのが、「ラヴィット!」という情報バラエティ番組でした。

他局が軒並みニュースを扱う中、一切堅いことはせずに笑いに全振りしたバラエティ番組というのが新鮮で、しかもどの曜日のレギュラーやゲストも面白くて、毎日この番組のために早起きしようと頑張っています。

コカドさんのこのネーミング自体が最高すぎます。

今1番業界内で話題の番組ではないかと勝手に感じています。

うまく言語化できませんが、この番組にはテレビにしかできない要素がたくさん詰まっているような気がします。

個人的に、情報バラエティを作ってみたい、この番組に携わりたいという思いが強くなっています。


放送時間的に「ラヴィット!」が子どもたちに届くことは難しいですが、こういう番組が若い世代にハマって、広がっていくといいなと思います。
もうすぐ始まる夏休み、ラジオ体操を終えて家に帰り、「勉強やりたくないなー」と思いながら何気なくつけたテレビで「ラヴィット」がやっている、
「この番組おもしれーな」と思う子どもたちが増えることを願うばかりです。

(大喜利チックな流れが少し”頭を使って感じるおもしろさ”なのかもしれませんが…)



永遠のテーマ


今回取り上げたのは今に始まった問題ではなく、「テレビ離れ」が懸念されるはるか前からずっと、考えられ続けたことなのかもしれません。

その時々で考え抜かれて世の中に送り出されたコンテンツがブームを引き起こしてきたのだろうと思います。

今ゴールデンで放送されているバラエティで、最も子どもたちの中に溶け込めているのは「有吉の壁」ではないかと(勝手に)感じています。
地上波に限らずYouTubeチャンネルでの展開などにも力を入れているのも伝わってきます。
ただ、YouTubeチャンネルに関しては、もう少し内容や編集の仕方などをユーチューバーに(あえて)寄せていかないと、子どもたちは見ないのかもしれません。

完璧にバシッとハマるコンテンツなんていうのは永遠に作れないのかもしれないですけど…


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2021.06.13 作成

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