#45「LIGHTHOUSE」
病室 夜が心をそろそろ蝕む
唸る隣の部屋が 開始の合図だ
5歳くらいの時に、何の病気だったかは忘れたが入院したことがあった。
何かのタイミングで病室にひとり取り残された時、急な不安が込み上げてきた。
すぐさまナースコールを押し、しばらくして母が病室に戻ってきた時の安心感をなぜか今でも覚えている。
あれから約20年が経ち、またひとり病室で不安に心を蝕まれそうになっている。
原因不明の体調不良
前回公開したnoteがあまりにも不満だらけで、しかもサラリーマンなのに会社のことを細かく書きすぎたため下書きに戻した。
働き方改革の皺寄せで、やらなければならないことがたくさん溜まっていたり、自分のスキルアップのためにやりたいことはあるのに、強制的に仕事を剥がされてしまう。まだまだ体力的に余裕もあるのに。それが納得がいかない。
というようなことをつらつらと書いていた。
そんな矢先、急な体調不良で数日お休みをいただいた。
安静にしていても下がらない熱。次第に声が出なくなってしまい、急遽入院治療をすることになった。
多少無理をしてでも俺はやれるんだと思いたかったのに、体はちゃんと疲弊していた。
そして、思いの外自分が弱く、消耗しやすいことを再認識させられ落ち込んだ。
地獄でなぜ悪い
冒頭に書いた「地獄でなぜ悪い」という曲の歌詞。
今回の入院中に突然頭の中に流れてきて思わず聞き返した。
聞き返したというか、YouTubeのMVを久しぶりに見た。
もうひとつ星野源さんの曲で好きなのが「化物」という曲。
どちらも病気の療養中に感じたことをもとに作られたという。
源さんを好きになった高校2年生の頃、置かれている状況が地獄でもなかったし、源さんのように生死をさまようような経験をしたわけでもなかったが、この2曲になぜか共感した。
ポップスも、ロックも、生のライブで聴く音楽も、どれも確かに元気はもらえるが、この2曲はどこか異質な気がする。
LIGHTHOUSE
2023年2月11日、
普段は全く利用しないあるターミナル駅に降り立った自分は、この後何が行われるのか全くわからないのに妙にドキドキしていた。
その頃突然、佐久間宣行さんのTwitterで募集された番組観覧に偶然当選し、同じく集められたお客さんの中で、目の前に自分にとっての“2大スター”が現れた瞬間、人生で1番の反応を示していたことは、リプレイ検証しなくとも自分でもよくわかった。
あれから5ヶ月ほどが経ち、Netflixでのトークバラエティ『LIGHTHOUSE』の配信が発表された。
先日の『星野源のオールナイトニッポン』の中でもその時のことが少し触れられていたが、番組観覧当時はこの番組のことは一切世の中に情報が出ていない。
「まだ情報解禁できないから誰にも漏らさないように」という注意事項は、もはや昨今の情報社会でフリに聞こえてしまうことがあるが、これだけは誰にも言わないでおこうと誓った。
MCのおふたりも含めて、そこにいた人たち全員が“その最高の空間”と引き換えに“重い十字架”を背負うことになった。
嬉しさと悔しさと…
今の仕事を始めるにあたって、「星野源×若林正恭」というのは自分にとっての無謀とも言える大きな夢だった。
休職やら何やらあって一度はその夢を諦めかけた矢先、目の前でそれが形になりとても嬉しかったが、収録後の帰り道急に悔しさが込み上げてきた。
キャリアも実力もまだまだなのはわかるが、やはり自分はこれがやりたかったんだ。
それが先に実現してしまったのは悔しい。
でも、それを実現させたのは、やはり1番尊敬する佐久間さんなんだな。
それなら仕方ないのか…
自分でもとてもダサいことを書いているのはわかるが、当時そんなことを感じていたのは事実であり、今後のキャリアの中で忘れず大切にしていきたいと思った。
ほとんど何も覚えていないが…
おふたりの悩みと当時自分が悩んでいたことに重なる部分がたくさんあり、当然住む世界は違えど、おふたりが生み出した解決法や言葉がスッと自分にも入ってきた。
https://twitter.com/chorosuke_0102/status/1624345632864616448?s=61&t=AkhI_T4JzBXhhSOR-UdgMQ
「今日のことを忘れてはいけない…」
帰ってから思い出せるだけの言葉をメモとして書き残そうとしたがあまり出てこず、かろうじて出てきた言葉たちを5ヶ月ほど経った今読み返しても、その言葉の意味が記憶とともにぼやけてしまっている。
ただ、番組として配信されて視聴した時に、番組観覧の際の記憶とともに呼び起こされるのだろう。
その経験はまだ少ないが、この仕事をしていると、自分が関わったもののOAを見るときは毎回不思議な感覚に陥る。
この5ヶ月、職場環境も変わり新たなスタートを切ったりもした。
要所要所でしんどい場面があったが、その度に「LIGHTHOUSE」の存在を思い返して、「きっとまたあんな素晴らしい場面に立ち会えることがあるはず」と思いながら自分を奮い立たせた。
最高のコンテンツの正式発表を、入院中の病室で受け止めることになるとは思わなかったが、エンタメコンテンツで心の栄養を補うだけでなく、どんなに忙しくてもしっかり食事を摂って体調管理をしなければならないと思った。
(何ですか、この締めは…)
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2023.07.12 作成