テレビ屋気取り #42「テレビのテレビ」
今回もひとつの番組についてではなく、テーマを設定してあれこれ書いていこうと思います。
テレビのテレビ
「田村淳のコンテンツHolic」(MBS)や「あたらしいテレビ」(NHK)を観るようになって、「テレビコンテンツについてテレビで語る重要性」みたいなものを強く感じるようになりました。
それは自分がテレビが好きだから、制作の裏側が見えてくると興奮してしまうというのが大きいと思います。
ただ、テレビの視聴者全てがそういう人たちというわけではない。だから、そういうマニアックな番組は必要ない。
そういう考え方から、こういう番組はなかなか実現しません。
最後に書かれているように、TVerは「広告主の認知を獲得できていない」というのが課題です。
TVerのユーザーに偏りがあるために、広告主側も思い切ってCMを打てないのが現状なのだと思います。
TVerのメイン層である若者にスポットを当てるべく、ボートレースのCMはよく見ます。
これに関して、ユーザー側にとっても同じ現象ができているのではないでしょうか。
現状、ピンポイントで目的の番組があってTVerを利用する人がほとんどだと思います。
YouTubeみたいに、キーワードで検索をかけて目的の関連動画を探し当てたり、視聴履歴に基づいて表示されるおすすめ動画を見てみることは、TVerではできません。
視聴傾向に基づいて「あなたにおすすめ」という項目は表示されますが、YouTubeほどそこに注目がいかない気がします。
どんな番組(コンテンツ)がTVerに上がっているのか、ユーザーにとってもわかりにくいというのが現状ではないかと思います。
つまり、TVerは「ユーザーの認知を獲得できていない」と言えます。
先ほどの記事に、
地方局の番組はキー局の番組に比べて存在感が薄い
と書かれています。
こればかりは仕方がないと言えばそれまでですが、そのような埋もれている番組にどうにか光を当ててあげようとは思わないのでしょうか。
そこで私が主張したいのは、「テレビのテレビ」の必要性です。
正直このラベリングには自信がありませんが、具体例をあげれば先程少し触れた「あたらしい番組」のようなコンテンツであり、もっと簡単でシンプルなものを挙げると、CS放送が番組の間で流すおすすめ番組紹介であり、地上波でもCMに紛れて流れる「明日のおすすめ番組は!」的なアレです。
一緒にやろうはいつやろう
それでは、その「テレビのテレビ」をどうやって幅広い世代の人々に浸透させていくか。つまり、どこに流すかが問題です。
地上波の放送枠、TVerのトップページやCM枠、YouTube、SNSのプロモーション機能、etc…
どれかに限定しても、全部に垂れ流しても、なかなか幅広い世代の人々に浸透させていくのは難しい気がします。
今は好きなものを選んで見る時代、YouTubeに慣れている世代にとっては、テレビの30分番組すらじっと見続けることが当たり前ではないと思います。
そんな人たちの興味を引くためのコンテンツをどのように展開していくか、非常に難しい課題だと思います。
そこで少し思い出したのが、「一緒にやろう2020」の存在です。
2020年1月24日(金)よる6時40分~7時00分
民放5系列全国ネット計114局 同時生放送
この企画の目的ですが、ホームページにはこう書かれています。
民放共同企画「一緒にやろう」プロジェクトとは?
いつもは良きライバルとして、互いに競い合っている民間放送局5系列が、 “より良い社会を作る“という理念の下に、手に手を取り合って、社会性の高い共同企画を行うプロジェクト。
災害復興、ゴミ問題、健康促進、安心安全な街、スポーツを通じた青少年育成。多様な課題に対して、テレビ局が「一緒に」キッカケ作りをすることを目的としています。
この生放送はリアルタイムで見ていましたが、正直20分の間で何をやっていたかなんて覚えていません。応援ソングを桑田佳祐が担当することが発表され、壮大な豪華なVTRが流れたくらいの記憶しかありません。
ここで大事なのが、別にこの企画を否定したいわけではありません。
せっかく各局が合同で何かをやるといういう例ができたわけだから、「テレビのテレビ」も何か近いことができるのではないかということです。
その具体的な番組の企画については、自分でも考えていきたいところですが、このテレビ全体が危機を迎えている今、オリンピックが終わっても各局が手を取り合って一緒に新しい取り組みをすることを期待しています。
その過程に自分が少しでも携わることができたら、それはまた夢のある話です。
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2021.07.04 作成