クドンユウカ

主に読んだ本の感想や、見た映画の感想を記録しています。Twitter→ https://twitter.com/yurikawriter

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最近の記事

身近でありうる貧困の話、「夜が明ける」のあらすじ・感想・レビュー

「夜が明ける」の概要 著者:西加奈子 発行年:2021年 あらすじ:思春期から33歳になるまでの、男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。 「夜が明ける」のあらすじ・感想・レビュー ※以降、ネタバレ注意です。 主人公の「俺」は、普通の高校生活を送っていたが、高2の時、父親の死により、多額の借金を抱えてしまうことととなる。 一方、「俺」の高校の同級生であり、後に親友となる「アキ」は、精神的に病を抱える母親から放置されて育ち、時には身体的暴力を受けながら、

    • 豪快な性格が周りを救う!「漁港の肉子ちゃん」のあらすじ・感想・レビュー

      「漁港の肉子ちゃん」の概要著者:西加奈子 発行年:2011年 あらすじ:男にだまされまくってきた母、肉子ちゃんと一緒に流れ着いた田舎の寒い街。漁港にある焼き肉屋で働いている肉子ちゃんは、太っていて不細工で単純で、明るい。キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。 お笑いタレントの明石家さんまが企画・プロデュースを手がけ劇

      • 映画「ハングオーバー」のあらすじ・感想・レビュー

        ハングオーバーの概要公開年:2009年 国:アメリカ キャスト:フィル … ブラッドリー・クーパー (桐本琢也) 、ステゥ … エド・ヘルムズ (永井誠) 、アラン … ザック・ガリフィアナキス (奈良徹) 、ジェイド … ヘザー・グラハム (小林さやか)、 ダグ … ジャスティン・バーサ (川中子雅人) あらすじ:人生最高の夜を楽しんだはずの男たち。 待っていたのは 史上最悪の二日酔い!?                 結婚式を2日後に控えた新郎ダグは、独身最後の夜

        • これぞ本当の恋愛!「白いしるし」のあらすじ・感想・レビュー

          「白いしるし」の概要著者:西加奈子 発行年:2010年 あらすじ:女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった──。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか? ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。(新潮社HPより) 「白いしるし」の感想・レビュー

          軽快なサスペンス短編!「正しいストーカー殺人」のあらすじ・感想・レビュー

          「正しいストーカー殺人」の概要著者:誉田哲也 発行年:2017年 あらすじ: ストロベリーナイトでおなじみの姫川玲子を主人公として、ある殺人事件を解決していく短編小説。マンションの階段の踊り場から男が転落した。その事件の容疑者として、マンションに住む女が逮捕された。被疑者は、被害者にストーカーされており、もみ合いの末転落させたと話している。被疑者の証言は本当なのか!? 「正しいストーカー殺人」の感想・レビュー 1時間もあれば読み終わるほどの短編です。ストロベリーナイトは見た

          軽快なサスペンス短編!「正しいストーカー殺人」のあらすじ・感想・レビュー

          ひたすら癒される!!「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」の感想・レビュー

          「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」の概要著者:阿佐ヶ谷姉妹 発行年:2020年 あらすじ: 阿佐ヶ谷姉妹さんの6畳1間2人暮らしのエッセイ集。 「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」の感想・レビュー この本は、Amazon Kindle Unlimitedで無料で読めたため、読んでみました。ちなみに、幻冬舎文庫の中でベストセラー1位を獲得しており、大変人気のようです。また、この本と同じタイトルで、NHKでドラマが放送されています。 阿佐ヶ谷姉妹のお二人は、テレビでよく

          ひたすら癒される!!「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」の感想・レビュー

          イモトさんの人柄がよすぎる!「棚からつぶ貝」のあらすじ・感想・レビュー

          「棚からつぶ貝」の概要著者:イモトアヤコ 発行年:2020年 あらすじ: 世界を飛び回るイモトアヤコさんのエッセイ集。 「棚からつぶ貝」の感想・レビュー「世界の果てまでイッテQ」でおなじみ、イモトアヤコさんのエッセイ集です。短い文章で綴られたエッセイが30編ほど収録されています。内容は、エッセイでよくあるような生活の一部を切り取った話というより、イモトさんの周りの方々の紹介やその方々との思い出にまつわるエピソードです。 私は、アメトーーク、ロンドンハーツと並んで、イッテQ

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          思春期の悩みを表現!「カラフル」のあらすじ・感想・レビュー

          概要著者:森絵都 発行年:2007 あらすじ: 死んだ魂が再挑戦の機会を与えられ、一定期間ある少年の体に入り込んで生活する物語。 感想・レビューあらすじにも書いたとおり、死んだ魂が抽選に当たり、人間界で再挑戦の機会を与えられるという設定です。ありそうでなさそうな設定に思わず惹かれたのと、一面黄色の表紙にそそられ、購入しました。 キャッチーな設定で、難しい言葉や漢字が少なく、ページ数も多くないため、とても読みやすいです。よく調べてみたら、著者の森絵都さんは、児童文学を得意と

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          軽快なお仕事小説かと思いきや!?「店長がバカすぎて」のあらすじ・感想・レビュー

          概要 書店で働く主人公が日々の仕事やプライベートについてぐちぐち言いながらも、一生懸命働いて、前向きに過ごしていく小説です。 感想・レビューこの本は、本屋さんで一押しの棚に置いてあり、タイトルのインパクトがすごかったので、パケ買いしてみました。本屋大賞2020の候補作だったそうです! この本は、この物語の主人公である書店で働く女性・谷原京子が、店長を主とした周りの人たちに振り回されて、不満を零しながらも、前向きに過ごしていく様子を、きめ細やかに描写した小説です。 コメディ

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          女同士の純粋な恋愛!!「生のみ生のままで」のあらすじ・感想・レビュー

          「生のみ生のままで」の概要 著者:綿矢りさ 発行年:2019年 あらすじ:お互い彼氏がいる中で出会った逢衣(あい)と彩夏(さいか)。彩夏は、逢衣を一目見て恋に落ち、情熱的な気持ちを伝えることで無事結ばれ、幸せで濃密な時間を過ごしていくが・・・ 「生のみ生のままで」の感想・レビュー 生のみ生のままでは、女性同士の恋愛を描いた小説です。恋愛小説が好きなのと、同性同士の恋愛に興味があったため読んでみました。 共に男性の恋人がいる逢衣(あい)と彩夏(さいか)は、お互い当時の彼氏と行

          女同士の純粋な恋愛!!「生のみ生のままで」のあらすじ・感想・レビュー

          サクッと読める軽快な推理小説!!「元彼の遺言状」のあらすじ・感想・レビュー

          「元彼の遺言状」の概要著者:新川帆立 発行年:2021年 あらすじ:亡くなった資産家の息子が残した遺言状を、元カノであり、この作品の主人公となるおせっかいな弁護士が解き明かしていくといったストーリー。遺言の内容は、なんと、犯人に莫大な資産を譲渡するということであり、莫大な遺産の分け前を獲得したい元カノ兼弁護士が、依頼人を犯人に仕立て上げるべく、奔走する。 「元彼の遺言状」の感想・レビュー 主人公がThe・バリキャリという感じで、とにかくさばさばしていて、周りの男たちを手当た

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          生活保護のリアル、そしてどんでん返し!!原作・「護られなかった者たちへ」のあらすじ・感想・レビュー【2021年映画化】

          「護られなかった者たちへ」の概要著者:中山七里 発行年:2018年 あらすじ:餓死させるという残忍な手口の殺人事件が連続で発生。捜査を進める警察と、犯人ではないかと怪しまれている人物、利根勝久。連続餓死事件の被害者は、共通して福祉関係で従事する(もしくはしていた)、行政の人間であった。犯人はだれなのか、動機は何なのか、謎が謎を呼ぶ社会派ミステリー。 「護られなかった者たちへ」の感想・レビュー まず、この物語は、作者・中山七里さんも「事件の犯人はわかっても、物語の犯人は読み終

          生活保護のリアル、そしてどんでん返し!!原作・「護られなかった者たちへ」のあらすじ・感想・レビュー【2021年映画化】

          虐待を受けた人たちの夢物語に近い小説!!「52ヘルツのくじらたち」のあらすじ・感想・レビュー

          概要著者:町田そのこ 発行年:2020年 あらすじ:虐待を受けた経験がある女性と、現在進行形で虐待を受けている少年が紡ぐ奇跡の物語。 「52ヘルツのくじらたち」の感想・レビュー2021年本屋大賞を受賞したため、読んでみました。虐待を受けて育った女性と、現に虐待を受け続けている男の子が出会い、悲哀に満ちた現実に立ち向かい、時には傷つけあいながら、前に進もうとしていく物語です。 私の友人にも虐待をされて育った人がいますが、虐待は身体だけでなく、心を蝕んでいきます。虐待は、自分の

          虐待を受けた人たちの夢物語に近い小説!!「52ヘルツのくじらたち」のあらすじ・感想・レビュー

          ラブラブに保つ秘訣が分かる!?「聖なるズー」のあらすじ・感想・レビュー

          概要著者:濱野ちひろ 発行年:2019年 受賞:2019年第17回開高健ノンフィクション賞 あらすじ:動物を性愛の対象として過ごしている人たちの物語。長年恋人からDVを受けた著者が、「愛とは何か」を探るために、動物を性愛の対象とする人たちへの取材を記録したノンフィクション作品。 「聖なるズー」の感想・レビュー 尊敬する作家・岸田奈美さんがおすすめしていたので、読んでみました。 この本は、長年DVを受けてきた著者が愛とは何であるかを知るため、動物を性愛の対象とし、対等な関係性

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          恐るべし裏社会!「テスカポリトカ」のあらすじ・感想・レビュー

          概要著者:佐藤究 発行年:2021年 あらすじ:メキシコの麻薬密売組織のトップであるバルミロ、そして麻薬密売組織から逃げてきたメキシコ人の母と日本人の父の間に生まれた少年コシモ。この2人をメインとして、心臓外科医・末永や殺人兵器として育てられる人達とともに、心臓売買のビジネスを行っていく物語です。 感想テスカポリトカは、「異質」という一言に尽きます。 あまりこういったクライムノベルを読むことがないからなのでしょうか、臓器売買の計画や宗教の思想について詳細に書かれており、理解

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