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7日目、そして私は寝ていた。

季節の変わり目は何かと体調を崩しやすい。

勿論心もそうだ。心と体は二元論的に切り離せるものではない。

私も例に漏れず体調を崩した。大崩壊と言っても過言ではない。

1日目、じわじわ背中が痛み始めた。風が異様に冷たい。

2日目、ギリギリ仕事をやり遂げた。

3日目、殆ど寝たきり。背中を中心に全身が激しく痛み、金縛りのように痺れる。冷汗なのか脂汗なのか判断のつかない汗がとまらない。身体は木星に住んでいるように重たい。家の中を走り回る子供達の声がする。

4日目、遂に偏頭痛の発作が発症し、口にしたもの全ての物を吐いても嘔吐が止まらず、緑色の胆汁まで吐いて脱水症状となり、その時深夜ということも合間って人生2度目の救急搬送。CT等検査をするが、異常なし。

5日目、痛み止めと水分の点滴を終えると、夜明けを待たずにせっせと病院を追い出される。朦朧とする意識の中でタクシーを呼び、殆ど這うようにして帰宅。余計に疲れて更に寝込む。カーテンの隙間から差し込む朝日が皮肉なほどに澄んでいる。

6日目、ちょっと良くなってきたのかと思い、立って歩いてみるものの30分で活動限界がやってくる。ようやく食べ物が喉を通るようになったので食うと寝るを繰り返す。さすがに明日には良くなっているだろう。

7日目、そして私は寝ていた。症状は変わらず残っていた。まさか一週間経っても治らないとは思っていなかった。

今までの最長寝込み期間はせいぜい5日間だった。

ヨガをしたり走ってみたり、色々やっては見るものの、むしろ悪化しているということになる。

嫌が応にも気が滅入る。家族や取引先にも多大な迷惑をかけていることは言うまでもない。生きているのが恥ずかしく、もどかしく、申し訳ない。原因も分からないので将来に至っては不安しかない。

あの発作のなんとも表現し難い、強いて言えば呪いのような苦しみの中いつも思う。

「これを乗り越えて、また健やかな1日を過ごすことができるのだろうか?」と。

正直な話毎回死ぬことが頭をよぎる。勿論よぎるだけだ。

兎にも角にも私は死ぬまで生きねばならない。家族を作るときにそう決めた。

これはある種の呪いだ。音楽という見果てぬ幻に現を抜かす私ごときが子を授かった代償である。

おそらくこの呪いは死ぬまで続く。

しかしこの呪いは祈りでもある。

私は音楽もやめないし、家族とも離れない。

祈ることをやめないし、生きることもやめない。

そういうことだ。

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佐田宗義
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