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なぜ新型コロナウイルスは日本より欧米で猛威を振るうのか。

昨今、新型コロナウイルスの影響により衛生面の意識が見直されている。

外出時はマスクを着けて、ソーシャルディスタンスを保つ。スーパーの入り口に置いてあるアルコール消毒スプレーで手を消毒し、井戸端会議は避ける。

帰宅すると除菌スプレーで体全体を除菌し、入念に手を洗い、うがいをする。服を洗濯して風呂に入るのが理想的だ。

日本の人口密度は高く、観光客も多い。しかし欧米諸国に比べ感染者数は少ない。

なぜ新型コロナウイルスは日本より欧米で猛威を振るうのか。

古来より日本には「ケガレ」と言う概念がある。

「ケガレ」は死にまつわる見えない脅威であり、人の交わりによって蔓延する。

「ケガレ」を恐れた日本人の習慣は独特の文化を生んだ。

大声で喋らず、笑う時さえ口を袖で覆う。すれ違う際は一礼できるほど距離を置き、握手やハグ、チークキス等の人が接触する挨拶は少ない。

古事記では、イザナギが妻イザナミの死に触れて「ケガレ」て、「ミソギ」によって清められる。

神社には手水舎があり、手や口を清める。

しばしば玄関先に塩を盛り、力士は土俵を塩で清める。

家に帰るや否や風呂に入り、寝巻きに着替え、酒で身を清める。

これ等は正に流行り病対策そのものではないだろうか。

見えない脅威に幾度と無く立ち向かった先人たちの智恵は、世界的には神経症と疑われる程の日本人の潔癖なまでの性質として今日も受け継がれているのかもしれない。


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