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いとおかしきにんげん

中学の友人の結婚式だった。

見たこともない凛とした表情だった。
なんとも言えない不思議な感覚になった。
一つ言葉を選ぶなら哀しみだった。
彼の苦悩すべてが精算された
そんな風に見えた。

どこからかやってきて人間を演る
その最高潮だった。
人間としてやるべき責務を果たした
そんな風に見えた。

それは彼だったからこそかもしれない。
僕たちの中で多くを一番最初に経験した。
一番最初に挫折して
一番最初に合格して
一番最初に彼女をつくって
一番最初に就職して
一番最初に結婚した

なによりも普通を求めていた
誰よりもヒトの一生を求めていた
のかもしれない。

彼に対して出てくる言葉は
おめでとうではなかった。
ありがとうだった。