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着拾いは、勝つより儲かる。 出走馬がすべて勝ちたいと思っている訳ではない。 当然勝ちたくない馬も存在する。 これがある程度読めれば買い目が減らせるのだ。



先日、このようなツイートをした。反応がなかったが勝手に解説をするw


青葉賞の日の東京8R、条件は4歳以上1勝クラスのダート1600mで1.4倍の圧倒的1番人気に支持されたのは、同条件を(0.3.1.1)と勝ちあぐねているシングシングシング。


この時の私の予想はというと。




馬券はシングシングシングが2着を確保したことで外れはしたが、ここも着拾いの可能性が高いという予想は見事に当たった。

ではなぜ「着拾いの可能性が高かったのか?」

それは「勝つよりも儲かるから」である。




JRAの賞金シミュレータで計算してみよう。

内国産牝馬でこの条件での着順別総賞金はというと、

1着:8,731,000円
2着:3,711,000円
3着:2,511,000円
4着:1,641,000円

8着でも、出走奨励金、特別出走手当を含めると891,000円の賞金が付与される。ザクっと1か月に一回走ればカイバ代くらいはまかなえる計算だ。

シングシングシングは、デビューして勝ち上がるまでに5戦を要している。さらに500万下でクラス慣れするまでに5戦。そして昨年の10月あたりから先行して3,2,2,2着と着拾いに徹底していた。

この4戦の賞金を足すと13,644,000となり、1着賞金をはるかに超える金額となるのだ。


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ここからは想定だが、シングシングシングのライバル達との力関係を一番わかっているのは厩舎陣営だ。今上に上がると骨っぽいのがいる上に掲示板さえも危ういので賞金を稼げない。(ちなみに2勝クラスで掲示板外だと130万以下の賞金額になる)

まだ成長途中なので、もしくはもう成長が止まっているので、わざわざ上に上がらなくてもここで賞金を稼いだ方が効率が良い。と思っているならば、こういった使い方や走らせ方をする方が理にかなっているとは言えないか?


もちろん、陣営が「上でもやれる」という判断を下せば勝ちに来るだろう。


G1や重賞を勝つような特別な馬は別として、圧倒的多数の馬はそうではない。厩舎や馬主の経済を考えると、一番大事なのは賞金を稼げそうな条件で、安定して稼いでくれる「生涯賃金」なのだ。



あくまで、賞金との相談、馬の能力との相談でサラブレッドは走っている。その事を知っていながら、あえてこのことに触れず、単純に馬の能力だとか、時計比較だとかに終始する知ったかぶりの評論に心迷わされるほど愚かなことはない。
「馬は走る。だが走らせているのは人間だ。出馬表を見て、勝ちたい馬と勝ちたくない馬をまず見分ける事が競馬予想の基本である。自分が馬主になったつもりで、次のステップまで考えながらまず予想してみる。馬主経済、厩舎経済を抜きにした競馬なんかどこにも存在するはずはない。」
要するに競馬も、私たちの日常のビジネス社会と同様に、投資したお金の回収額を中心に、様々な人間の利害や人間関係の強弱のバランスの上に成り立っていることを予想の第一命題として考えてみてほしいのである
~清水成駿 財産のためにマジで競馬と戦う本より~

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