2021年のデータをさだぼー的にまとめて、2022年の競馬を妄想してみよう!【騎手編】
前回の妄想は【種牡馬編】という事で、いかがだったでしょうか?
過去のデータという事実に基づいた私の勝手な妄想ですから、賛否両論あるでしょうが、Twitterのいいね!やnoteのスキとか頂けるとテンションが上がるのでよろしくお願いします。
さて、今回は「人」にスポットを当てて妄想していきたいと思います。まずは【騎手編】から。
【騎手編】
まず、騎手の年収から見てみましょう。騎手の年収となるのはおおまかに3つあります。レースで獲得した賞金の5%、騎乗手当、騎手奨励手当です。その他には、地方や海外競馬での出走、調教手当、所属厩舎からの給料、TVや雑誌などのギャラなどが考えられます。
1,総賞金(本賞+付加賞)の5%
レースで稼いだ賞金の5%が騎手の取り分となります。THE DIGESTに【世界のジョッキー・生涯獲得賞金トップ50】というのがあったので一部を載せておきます。ちなみに2021.03.19時点のランキングです。
1位 武 豊 (日本) 4249勝 7億9610万ドル
2位 横山典弘(日本) 2840勝 5億6063万6800ドル
3位 蛯名正義(日本) 2538勝 4億7942万3200ドル
4位 福永祐一(日本) 2410勝 4億7940万9900ドル
5位 J・ベラスケス(プエルトリコ) 6258勝 4億3064万7646ドル
6位 柴田善臣(日本) 2296勝 4億1698万6350ドル
7位 岡部幸雄(日本) 2943勝 3億5858万5100ドル
8位 J・カステラーノ(ベネズエラ) 5328勝 3億5478万5963ドル
9位 藤田伸二(日本) 1918勝 3億5006万2650ドル
10位 岩田康誠(日本) 1656勝 3億4557万1050ドル
11位 M・スミス(アメリカ) 5607勝 3億3350万3253ドル
12位 田中勝春(日本) 1792勝 3億1984万7900ドル
13位 四位洋文(日本) 1586勝 3億1564万7000ドル
14位 川田将雅(日本) 1553勝 3億33万3000ドル
15位 P・デイ(アメリカ) 8803勝 2億9791万4839ドル
16位 J・ベイリー(アメリカ) 5893勝 2億9611万3529ドル
17位 C・ルメール(フランス) 1347勝 2億8718万4817ドル
18位 K・デザーモ(アメリカ) 6059勝 2億8645万9345ドル
19位 幸 英明(日本) 1474勝 2億8395万250ドル
20位 池添謙一(日本) 1242勝 2億8162万1800ドル
上位はほぼJRA騎手です。JRAでうごめいているジャパンマネーの大きさがどれほどのものかわかりますね。あのゴドルフィンの専属騎手でもあった世界のデットーリでさえ37位ですから。
ちなみに2021年度のJRA騎手賞金ランキングは以下のとおりです。
1、ルメール 199勝 44億2768万円
2、福永祐一 123勝 33億4880万円
3、川田将雅 136勝 29億6050万円
4、横山武史 104勝 27億8991万円
5、松山弘平 130勝 24億 461万円
6、戸崎圭太 88勝 19億961万円
7、吉田隼人 87勝 18億8655万円
8、岩田望来 88勝 17億7198万円
9、幸 英明 81勝 17億2748万円
10、デムーロ 75勝 17億6671万円
11、武 豊 75勝 14億3024万円
2、騎乗手当
騎乗手当はレースのグレードによって以下のように異なります。
【GⅠ】 63,000円
【GⅡ・GⅢ】 43,000円
【その他一般】 26,000円
3、騎手奨励手当
騎乗レース数ごとに、15,500円が支給されます。
騎手の年収の内訳の大まかなものはこの3つとなります。後は調教手当ですが、1騎乗あたり数千円と低額なので、これは馬主や厩舎スタッフに対するアピールかと思われます。
また、上位騎手は所属フリーが多いので厩舎からの給料も考えなくてもいいでしょう。地方や海外遠征、そして取材等のギャラも上位騎手の年収からしてみれば少ないうえに、細かいので無視して年収をランキングしてみましょう。騎乗手当に関しては中央値として4万円として計算しております。
【2021年 騎手年収ランキング】
1位 ルメール 802騎乗 199勝 2億6589万円
2位 福永祐一 687騎乗 123勝 2億 557万円
3位 横山武史 783騎乗 104勝 1億8295万円
4位 川田将雅 478騎乗 136勝 1億7455万円
5位 松山弘平 891騎乗 130勝 1億6968万円
6位 吉田隼人 817騎乗 87勝 1億3966万円
7位 岩田望来 889騎乗 88勝 1億3793万円
8位 幸 英明 884騎乗 81勝 1億3543万円
9位 戸崎圭太 661騎乗 88勝 1億3217万円
10位 和田竜二 823騎乗 48勝 1億1816万円
11位 デムーロ 535騎乗 75勝 1億1803万円
12位 鮫島克駿 827騎乗 69勝 1億1465万円
13位 三浦皇成 753騎乗 64勝 1億 867万円
14位 武 豊 521騎乗 75勝 1億 50万円
15位 菅原明良 860騎乗 75勝 1億 42万円
エフフォーリアで一世を風靡した横山武史は2億越えも見えており、一流の仲間入りをしたと言っても過言ではないだろう。ちなみに2021年度勝利数で10位に付けていた長男の横山和生は9679万円でほぼ1億の収入があった。
デムーロ、武豊といったベテラン騎手は、騎乗数が500前後と比較的少ないが、やはり大きいところを勝っているので年収も太い。それにしても42歳のルメール、46歳の幸英明、44歳和田竜二の騎乗数は若手並みで、それだけ依頼数があるという事は信頼の高さでもあるという事だろう。
松山弘平、吉田隼人、岩田望来、鮫島克駿、三浦皇成、菅原明良など若手はやはり騎乗数は多く、騎乗手当と騎手奨励手当だけで軽く年間4,000万円を超えているようです。
2021年の騎乗数が例年に比べ「478」と少なかった川田将雅だが、それでも136勝を上げ、武豊やルメールの勝率を凌ぐ高さは目を見張るものがあった。2022年も引き続き注目だ。
社台・ノーザンの専属騎手?
現在の競馬会で常に主導権を持つのはノーザン軍団を筆頭とする社台グループである事は間違いない。騎手からしてみれば社台グループのお眼鏡にかない、強い馬に乗せてもらう事が大前提である。
泣く子も黙るノーザンファーム代表吉田勝己の長男が代表を務めるサンデーレーシング、娘夫婦が経営するシルクレーシング、娘が社長を務めるキャロットファーム、それらノーザン系クラブの馬に騎乗出来れば、大きなレースも勝てるし、リーディングも上がり、必然的に収入も多くなるのだ。
昨年2021年、年収がいわゆる億越えした騎手はざっと15名いる。それらの騎手が社台グループの恩恵をどれだけ受けているのかを検証してみる。
ざっと上位の4人を見るかぎり、社台グループ専属騎手といっても過言ではないだろう。という事は、少なくともこの4人は、持ち回りの順番で、社台・ノーザンのいわゆる「大きな意思」で動いているのだ。
昨年を振り返っても、マイルではグランアレグリア、2000mはエフフォーリア、2400mでは社台SS入りが決まったコントレイルなど、なんだか誰かが決めたシナリオに沿って勝ち馬が決まっているような気がしないか?
マイルでインディチャンプが勝ち、2000m以上でアーモンドアイが勝ったりとか、ルメール騎乗のアーモンドアイのゴール前で内がポカっと空いたりとか、人気馬が後方からまくってきて届かずいわゆる「丁度良い」2,3着に置きに着たりとか・・・
下記は過去の記事だが是非一読してみてください。
【まとめ】
近代の日本競馬界は、ビジネスで成功した億万長者が名を連ねる馬主が主導権を握っている。中でもノーザン系のクラブを筆頭に、社台グループには逆らえない。騎手も調教師も、社台グループを敵に回せば、清水成駿氏流に言えば「おまんまのくいっぱぐれ」である。
昔は主導権を持っていた調教師も、営業よろしく社台の牧場回りに余念がないし、国枝調教師が「アーモンドアイの次走は俺に聞くな」と言っていたように、ローテーションや鞍上、外厩での仕上がりにも口を出さなくなっていった。調教後のコメントも判を押したように決まり文句ばかりだ。俗にいう「餌ヤリ」になり果てたのだ。彼らにとって、それだけ社台グループのもたらすマネーは大きいのだ。
コロナウイルスの影響で、海外の有力騎手がなかなか来日できなくなっている状況では、やはり横山兄弟や岩田望来のような若手のニューホープが育つ環境にならざるを得ない。
2022年も「ウマ娘」ブームに乗って、横山武史・和生を筆頭に、若手台頭の年になるだろう。岩田望来、菅原明良、鮫島克駿、団野大成、坂井瑠星、西村淳也、泉谷楓真、秋山捻樹など目白押しだ。