PayPayアセットの退場に学ぶ、新NISAユーザーが忘れてはいけないこと
ピコ太郎でも誤ったセキュリティ対策でもない、PPAM問題がいま、静かに株クラ界隈で話題となっています。
PPAMとは、PayPayアセットマネジメント株式会社の略称。そのPPAMが昨週末、突如「事業終了のお知らせ」をリリースしたのです。
なんでも、PPAMは業績低迷により、2025年9月末に事業終了を予定。運用中の12本の投資信託は、それぞれ運用会社の変更もしくは繰上償還が行われるとのこと。
運用会社を変更する商品については、基本問題はありません。問題なのは、発行者都合で運用終了となる、繰上償還予定の商品の方です。
PayPay投信バランスライト
PayPay投信 米国株式インデックス
PayPay投信 NASDAQ100インデックス
PayPay投信 NYダウインデックス
こちらの4本がその対象。これらを新/旧NISAで購入している人は、来年の9月末に2つの厄介事が発生する可能性が高いんですね。
そこで消化した非課税枠分の投資機会が奪われる。
含み損がある場合、NISAなので損益通算ができない。
1. は、旧NISAの場合、まだ期間が残っていても制度が変わったので、即座に強制終了です。新NISAならば枠は復活しますが、それでも翌年まで待たなくてはなりません。
2. については、文字通りそのままの内容。一般口座なら納税時に同一年内で発生した利益と損失を相殺できる機会も、NISAにはそもそもないのです。
なお、繰上償還はいまのところ、あくまで予定。もしかしたら運用を引き継ぐ会社が見つかるかもしれません。それなら事なきを得るのですが……あくまで希望的観測です。
投信選びのセオリーのひとつは、「総資産総額の大きなファンドに投資せよ」。業績低迷で事業終了となる今回の一件は、まさにそれを思い起こさせてくれます。
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