エルンスト・ユンガー『内的体験としての戦闘』序文試し読み
時折、新たなる星辰が精神の地平上で光を放ち、気骨ある全ての者の目を射る。それはかつて東方の王たちに告げられたのと同じ預言であり▼[1]、世界を変貌させる嵐の前触れである。そして周囲の星々は灼熱の炎で燃え尽き、偶像は土塊となって崩れ落ち、鋳造された形姿はなべて幾千の溶鉱炉で鎔かし直され、新たな価値が注ぎ込まれる。
こうした時代のうねりが、四方から我々を囲繞する。脳、社会、国家、神、藝術、エロス、道徳。これらは崩壊し、顫動した末に、再誕するのだろうか。光景はいまだ目まぐるし