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聞こえぬ声を聴く時間
ハリーポッターってありますね。完結の7巻が出版されるの、ミドリはとっても楽しみにしていたんですよ。あれ何年前だろ。
わお。もう15年か。
やれやれだな。
ミドリはとにかく、勘が鋭かったんですね。見えちゃうっていうんでしょうか。
きっとこういう展開よ。断言したんですね。いや驚きます。もうピタリ的中でした。
ああ。そうか。悟っていたかもしれません。自分は読めないんだって──
☆☆☆
こんにちは。フジミドリです。
今回は、前回の種観霊でお約束した、道術の2トラックについて私物語を書きました。
私がご質問にお答えしつつ、思い出も語っている。その様子を隣でご覧になって、という雰囲気でお読み頂ければ──
☆☆☆
それで、ハリーポッターの最終巻は、ミドリを看取った後に出版されたんですけど、翻訳が出るまで1年かかるわけですよ。
じゃあ私は何したかって言うと、原書を買いましてね、遺影の前で朗読したんです。
うーん。
どうしてあんなことしたんだろうと不思議に思いますけど、これが中真感覚です。
☆☆☆
フッと閃いたらスッと動く。迷いません。抗えない。絶対の感覚なんです。
考えは浮かびますよ。どうせ翻訳本を買うんだから原書なんて。値段も高いし。
でも、わかるんです。
というか、書店で目にした途端に、迷う間もなく手が伸びて原書を取っちゃう。
☆☆☆
あはは~いやいや。万引きなんてしません。きちんとレジで精算しました。
頭や心が逆らってもムダ。細胞の判断というのか。決まってる通り進むんです。
当時の私はもう、思考や感情と中真感覚の違いが、ハッキリと判っていました。
☆☆☆
朗読です。翻訳しません。
ミドリは英語できないです。私も大学入試まで教えてますけど、その程度で。ですから、読み聞かせるって感じでした。
ちょっと想像して下さい。
作業台。学習机の倍ぐらいかな。ミドリの写真を飾っています。黒縁はイヤだったので、ライトグリーンの枠に替えました。
ミドリが好きな本とか思い出の品とかありまして、その前に椅子置いて腰掛けて、分厚い原書を手に持って朗読するんです。
☆☆☆
ところが、奇妙なことに、所々で私の表情は変わったり声も出たりしましてね。
ヘンですよ。
物語がどう展開するか、私も初めて読むのでわかりません。読みながら、あれこれ感想が浮かんできたりします。
でも、それとは違うんです。
なんというか──
ミドリが、聞きながらワクワクしてビックリして、クスクス笑って得意気に話す感じ。
それで私は朗読を中断する。頷いたり笑ったりして。ミドリとお喋りするみたいに。
☆☆☆
声は聞こえませんよ。話してる様子が、映像として浮かぶわけでもないのです。
なのに、会話するみたいです。私は、不意に笑ったり、へぇっと感心したり──
おかしいでしょ。
でも、私には自然なんです。
☆☆☆
あはは~ですよね。あの様子を見たら、誰だって、こいつ危ないなって怖がっちゃう。
奇妙な風景というか。
心理学や脳科学はどう説明するんでしょう。錯覚。願望による幻視幻聴。即入院とか。
でもね、私にとって現実でした。
☆☆☆
一線を超えたというか。
霊的世界と繋がったんです。
一旦、この回路が拓けてしまったら、それはもう現実でしかありません。
精神医学的に、あれこれ説明されても、いや違うんだよねと承服できない。思考や感情を超えた、絶対的な感覚なのです。
☆☆☆
あ。引いてません?
ヤダわ。この人怪しい、みたいな。
ヘンな宗教へ引き摺り込んで、壺でも買わせるつもりかしら。それかスピリチュアル!
☆☆☆
たーしかに確かに。
殆どの方がそんな反応かな。
ところで、科学と宗教って対立しますか。私には同じです。どちらも信仰ですから。
科学は全て仮説に過ぎません。今のところ、説明できているというだけの話。
だから、研究者の数だけ、違う解釈があって──このウイルス騒動はいい例ですよ。
☆☆☆
宗教徒は、見えない世界を信じます。ただ、信仰の対象が、自分の外にあるんです。
私はどちらでもない。
自分の中真だけ信じている。仙骨を意識した瞬間に、浮かんでくる感覚だけが頼り。
☆☆☆
世の中、エビデンス流行りですけど、所詮はどこかの誰かが、知らない処で作った実験ですからね。正直なところ私と関係ない。
私は、自分の身に起こった事実しか信頼できないのです。外から入る情報や心を乱す感情ではなく、中真から沸き起こる感覚──
霊魂の囁きです。
ミドリの遺影前でお喋りしたように、耳では聞こえません。目に浮かぶこともない。
☆☆☆
全て決まってる世界なんです。
変えられない!
私は、決まってる世界の、背後に流れる波動を聴き取ります。見える風景に折り重なる、不可視の光を感知するんです。
☆☆☆
いや。私だけじゃない。
何方にもあるんです。
そんな時間が。
ただ、外の雑音は大きいから、聞こえぬ声が聴き取れない。心を乱されてしまう。
ゼロならば、心が澄んで聞こえます。
あはは~瞑想なんかしませんよ。トライしたことあるんですけど、続きませんでした。
☆☆☆
呼吸を整え、気持ちは鎮め、なーんて準備するうち、思考や記憶が働きますからね。
瞑想で悟り得たと喜ぶ人は、もしかしたら、他の何かを掴んでいるのかも。
中真感覚は一瞬の煌めきです。刹那の中に、永遠の生命が輝くというか──
☆☆☆
あ。そうだ。
スピリチュアルの方と交流して解りました。まぁ、予想はしていたんですけど、やっぱりなという感じで。
決まってると、受け入れない方が多い。それで、現実を変えようとなさるんですよ。
スピ系に限りません。
カウンセラーやコンサルタント、心療内科の医師や科学者、そういった方とも交流できましたけど、やはり同じでした。
☆☆☆
人生は決まってる、と受け入れるかどうか。そこが分かれ道になるでしょう。
私は、決まってないと怖いですけどね。だって、何が起こるかわかりませんから。
突然、空から物が落ちてきたり。
西に沈んだ太陽が、引き返して東へ向かう。綺麗な満月に手を伸ばすと触れたり──
決まってない世界で、時間と空間は存在できません。霊界ってそういう次元です。
☆☆☆
決まってる通りに進んでますから、このままでよい。何もかも大丈夫です。
そして──
同時並行で、もう一つ別の次元が、進行しています。こちらを赤トラックと呼びます。
☆☆☆
決まってる青トラックに書き込まれた通り、人生は展開していくのです。
そして折々に、何かしら理解すると、赤トラックに蓄積されていくわけです。
死と同時に、幽なる世界で、次の人生を決める仕組みとなっているのです。
霊魂の私たちと守護の神霊が、あれこれ相談しながら決めていくのです。
こんな感じでしょうか──
☆☆☆
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☆☆☆
如何です。図にしてみると、わかったような気がしますけど、実際はもっとこう──
しかも、螺旋に進みます。
ぐるりと回って元へ戻るのだけれど、実は別の宇宙になって──スビバセン。語れば語るほど、実相から離れていっちゃいます。
あはは~残念ながら、私はこの表現が限界だけど、センスある画力の高い絵師さんなら、きっと華麗に表現なさるでしょう。
☆☆☆
さて、そろそろお開きと致しますか。
私のお喋りにお付き合い下さり、ありがとうございました。お陰さまで、とても気分よく思い出を語れたのです。
これは、私に起こった細やかな物語ですが、あなただってお持ちのはずでしょう。
ひっそり眠る思い出が──
☆☆☆
大丈夫です。
遠慮なさらず、ご覧いただく世界の背後に、もう一つ別の次元を感じれば宜しい。
あなたが映し出す風景は、あなたしかご覧になれない。少しズレたら違う風景です。
誰に認めてもらう必要もありません。ご自分があると思えばある。それでよいのです。
☆☆☆
何方も、ご自分の人生に関して、ただ唯一の専門家です。他の追随を許しません。
自信をお持ち下さい。
私は決めました。選んだのです。自分を本当に理解できるのは自分だけ──
☆☆☆
もちろん、それも決まってます。
自由意志なんてありません。
私たちは、何をするのも、生まれる前に決めたシナリオ通りです。変えられません。
だから、そのままでよい。
意志を持つのは霊魂だけです。
全てお任せ致しましょう。
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次回フジミドリ6月5日午後3時です。
いよいよ残り3回でシーズン1完結!
明日の西遊記に創作談義午後6時更新♡
ではまた💚
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