成りたい自分いない❓
毎月、一人10万円のベイシックインカムが支給されたら、私たちの暮らしって、どうなるでしょう。✴こちら無料サンプルです✴
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間もなくズームセッションが始まる。楽しみだ。どんな対話になるのか。ワクワクする。高揚感は、久しぶりのことだった。
一方で、不安もよぎる。
もし、あの感覚が消えなかったら・・
『こんにちは。フジミドリです』
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噂通りのアイコンだ。ヘルメットにアイシールド。宇宙人の坊やという設定。マスクの下で頬が緩む。私は敢えて素顔を出していた。
『人生が虚しくなったとか』
「はい。正直、生きるの、ツラいです」
『おやまあ。それは深刻だ』
「成りたい自分だったはずなのですが」
『実は、けっこういらっしゃる』
「え。そうなのですか」
『ベイシックインカムが原因かなと』
「成ってみたら、違うんですよ」
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一家四人。大学受験の息子と中2の娘。可愛い子供たち。妻との仲も良好と言っていい。なのに。こんなはずではなかった。
『まあねぇ、四人家族で毎月40万円。何もしないで振り込まれたら、生活の心配は取り敢えずないからな。本来なら、悠々自適の暮らしとなるはずなのにね』
まず、気持ちがラクになった。ラクになったら、どれほど重荷を背負い込んでいたか気づけた。不思議なことに重かった腰が軽い。
夜は眠れ、目覚め壮快、何を食べても美味しかった。将来への不安が消え、過去を悔いる時は減り、仕事にも集中できた。良い気分。
『元気ハツラツ。やりたいことがやれる』
「そうなのですよ。若返りましたかね」
『憧れのセミリタイア。充実の人生』
「お金の心配、ないのですから」
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ウイルス騒動から、テレワーク中心。通勤が激減。ムダな会議や疲れる飲み会、腹の探り合いもない。上から監視されなくて済む。
『存在価値が、見出せないってクライアントさん、いらしたな。自分はもう、必要とされてない。家庭でも会社でもどこでも』
刺さる。それだ。つい頷く。息子は進路に迷う。失敗を恐れず、スキなことに挑戦する。父として、アドバイスが浮かばない。決められた枠の中で、生きてきたからだった。
『売り上げ目標は過去の遺物。会社が潰れたって誰も困らない。情報ならネット。相談相手は要らない。取り敢えずチャレンジ』
そう。アラフィフの管理職なんて必要ない。AIが判断すればクリアーなのだ。恨みを買うこともない。オレは何をすればいいのか。
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政府の財源は、税収と信じてきた。赤字国債で補填する逼迫した財政と思い込んでいた。ウソとわかった衝撃は、まだ生々しい。
ふと思う。家族関係も、虚構ではないのか。信じているだけではないのか。妻や娘、息子にとって、自分は必要な存在なのだろうか。疑い始めて、心の軸を失った。
『離婚が増えたみたい』
「ええ。経済的なネック、ないですから」
『ブラック企業なんて死語だもんな』
「淘汰されていくんでしょうね」
『学校教育も、意味ないよねぇ』
「はい。将来の不安、ないんですから」
『趣味に生きられる人はいいけどさ』
「さすがに飽きました」
読書。映画。音楽。スポーツ観戦。ゲーム。ズームでヨガや瞑想も。それなりには、興味深く楽しめたと思う。しかし、何か足りないのだ。そんな時、ある記事を読んだ。
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「ホッとしました。何もしなくていいのか。生きてるだけでいいんだ。空に語り、風に吹かれ、ほぐれました。自然と対話して」
『在り方革命、お役に立てて嬉しいよ』
「心と体を見直せましたね。細胞の一つずつと対話する。でもなんか、あと一つ、ピースが埋まらない感じです。もどかしい」
『死後の世界についてかな』
「うーん。宗教は抵抗があって。スピリチュアルもダメです。心理学とか脳科学はホントかよって疑いがある。ワガママですね」
🌸 🌸 🌸
ズームの画面で、宇宙人の坊やが笑った。高らかで朗らかな笑い声は、ハラの底まで響いてくるようだった。不快さはない。
『いいなぁ。ワガママ』
「あれ。いいんですか」
『もう全っ然むちゃむちゃ超オッケー』
思わず笑ってしまう。すると、また坊やが笑う。その笑い声は、呼び水となってこちらも笑う。なんだろコレ。意味ない笑い。けれども、妙に清々しいのだった。
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『あのね。専門用語や方法論なんてどうでもいいの。大切なのはあなたの感覚。それも、誰かに与えられるとか、引き出してもらうんじゃなくてさ。自分の感覚が正解ね』
「私の感覚・・・」
『脳は記憶装置。心が感情装置。どっちも、理解する機能はないのよ。だから、頭で判断すれば迷う。心に籠れば悩むってわけ』
ん。なんだろう。反発する思いが湧く。おかしなことは言われてない。在り方革命は、頭とも心とも違う、中心を尊重するのだから。
『まぁ、そうは言ってもさ。頭や心で判断してきた時間が長いからね。どうしても抵抗はあるんだよ。でも、頭や心じゃなくて』
「あ。中心、仙骨でしたっけ」
『そう。仙骨を意識すればね。あなたもう、成りたい自分になってるの。何か足りないって感じるのは、中心から外へ出たって警告だな。おい、そろそろ戻ろうぜってね』
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画面を切って、余韻に浸る。
あの感覚が浮かぶ。でも、遠くに感じる。
ガラス一枚隔てた遥か遠くにあった。
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次回3月14日午前10頃🌸
ホワイトデーですね🍫
嬉しいおフォーを頂きまして、ただ今、フジミドリの対談本が、Kindle出版で企画進行中です。詳しくはいずれまた🙌
シンガーソングライターって、憧れたものでした。今やIT使えば、誰でもなれちゃう☆
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ありがとうございます🎊