五感をはたらかせて問いかける〜『銀河鉄道の父』からうけとったもの。
映画「銀河鉄道の父」を観た。
一度見て、もう一回見始めたら、宮澤賢治の父親の子煩悩っぷりと、その後の展開(逆縁の運命)が浮かんできて、しょっぱなから涙と鼻水でぐずぐずになった。
原作とはやや異なる描き方をしているらしいが、私の中にあった宮澤賢治のイメージが変わった。
興味を持ち、九星気学で彼の星を調べたら、本命・五黄土星、傾斜・三碧木星で、「そりゃあそうなるやろなぁ~」と得心がいった。
(映画では、エキセントリックで純粋、そして言いだしたらきかない頑固なキャラとして描かれていたのが賢治の生まれ星のイメージとピッタリだった)
視聴後知ったのだが、宮澤賢治を演じた菅田将暉が賢治の原稿を模写して、それはもう見事にそっくりに書いたものが劇中で使われていたというのだ。
賢治の筆跡をなぞることで宮沢賢治になろうとした菅田将暉の心意気に感銘を受けた。
今日、「ゲーテ、シュタイナーの植物観察のクラス」があったのだけれど、その中で植物をじっくりと(五感をはたらかせて)観察し、そこで受け取ったものを元に思考し、内側で問いに変えて(どうして、こういう形や振る舞いをしているのか?等)植物自らが存在の秘密をあかしてくれるようにはたらきかける・・・ということを学んだ。
これって、役者が役を演じることと、おんなじプロセスではないか?と思った。
菅田将暉は賢治の原稿の手書き文字を模写しながら、手を動かし、五感を働かせながら、おそらくは賢治の魂に問いかけながら、宮澤賢治の存在の背後にあるもの(真理)を受け取ろうとしたのだと思った。
それだからこそ人の心に生き続ける作品が生まれたのだろうと思う。(何度も繰り返し観ることを「おかわり銀河」と呼んでいるらしい)
植物をじっくり観察することと、植物の存在の背後にあるものに近づいていくことが、わたしの内側に、彼の役者魂の熱によって明るく照らされた感じがする。
★+*━━━━…━……
わたしはU-NEXTで視聴しました。
映画『銀河鉄道の父』公式サイト | 絶賛上映中!直木賞受賞作品「銀河鉄道の父」待望の映画化!主演:役所広司、共演:菅田将暉、森七菜 監督:成島出
https://ginga-movie.com/?fbclid=IwAR2pi5W7iYTANKlJwWuefbfMgpBiZAAAKXptpUtdBZgXgSDNh1GYyUj1rN0