モーレツからビューティフルへ
富士ゼロックスが1970年からはじめたコピー(CM)だそうです。
こういうシンプルなコピーって、同じ音で韻をふんでる(チアフルからビューティフル、みたいに語尾を揃える)のが多いかと思うのですが
“モーレツ”と“ビューティフル”は似ている音のようで、すこしずらしてますね。
時は高度経済成長期。
会社への忠誠心が非常に高く、自らや家庭などを犠牲にしてまでがむしゃらに働くサラリーマンのことを、“モーレツ社員”と呼んでいました。
実はこのモーレツ社員という言葉もまた、CMから生まれた言葉という情報があったのですが、実際CMを見ると…
「あれ、これただのパンチラ動画では?」と疑問符。
見てるCMが違うのでしょうか。
とにかく、頑張れば頑張っただけ成果が出るような右肩上がりの成長の中で、目標に向かって常に全力でぶちあたってくのがサラリーマンであり、企業戦士と銃後の妻、なんて生まれて性役割の区別もなされた時代です。
このコピーは、今までのモーレツなあり方に対して疑問を呈しているのは間違いありませんが、高度経済成長自体がアメリカ、ヨーロッパを見よう見まねでやってきた結果の産物である以上、ここに「ビューティフル」って英語を入れるのってどうなんでしょうね。
当時の歌やミュージカルのタイトルにもこのビューティフルというのがよく使われていました。モーレツからビューティフルへってなんかかっこよく聞こえたのでしょう。でもそれって結局、アメリカ的な支配から抜けきれてないってことになりませんかね。
富士ゼロックス公式としてもこのコピーの解説がのってて、
「モーレツとは、高度成長時代の進軍ラッパ。ビューティフルとは、豊かさとひきかえに人間性を犠牲にしてはならないという主張。富士ゼロックスの広告キャンペーンとして使われ始めたこの言葉は、当時の世相を反映し、一企業の枠を超えて人々の考え方や生活様式にも影響を及ぼしました。」
ということなのですが、
ようは(アメリカの)時代は変わったので、それに合わせていきましょう。
という欧米的なスタイルの提唱のように聞こえるのは私だけですか。
ビューティフルとかスマートとか
聞こえはいいけど、カタカナ英語で意味がふわっとしたものって、イメージ先行で中身が伴っていないものが多いというか…ほんとに宣伝文句という感じがしてうさんくさいんですよね。
図解でコミュニケーションを変えることをミッションにここ3年くらい活動