日本人に もっと毒を
ボディコピー
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汚い、といって電車のつり革に触らない人は、逆に不健康だと思う。
毒気など無縁の顔で理想ばかり語っていた政治家は、あっさりと折れてしまった。
お人好しがどれだけ罪かということを自覚しない国が、外交で失敗ばかりする。
毒とは何かを知らないコドモほど、人に平気で毒をかける。
あるいは自分にさえ毒をかけて、あっさりと死んでしまう。
あるいは「人に嫌われたくないから」という呪縛を自分にかけて、
少しずつ少しずつ、自殺しながら生きている。
いい毒は薬。毒に触れ、毒を知り、ある時はそれを解毒しながら、
ある時はそれを別の毒にぶつけながら、
人は自分の中に、やわらかで逞しい免疫力や想像力を育てていく。
とんでもなく悪いことをする人間は、ほとんどの場合、このふたつが決定的に欠けている。
さてこれからの子どもたちはどういう風に
毒を知り、人間を、世の中を、世界を知っていくのだろうか。
突然ですが。立川談志さんのような人には、ずっと居つづけてほしいと思う。
いい毒は薬。 宝島社の活字
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宝島社のもっと昔のコピーに、「おじいちゃんにも、セックスを。」という有名なのがあります。なかなか挑発的なコピーで今でいう炎上もあったようです。
言ってることはこのコピーと実はほとんど同じで、宝島社の姿勢は、その時から時代をこえて守られているのではないでしょうか。
メディアの与えるものは、ある種の知的な外界刺激であって、
そこに意外性や新奇性がないと何も面白くないのです。
毒だ毒だと言って避けて通るより、異質なものを取り入れて、味わってみる。毒ゼロには決してならないこの世の中で、異質なものとうまく付き合っていく知恵をつける。
宝島の活字は、そんな体験を与えてくれる、と
言いたいのではないかしら。
最後の「立川談志さんのような人ー 」というのはいかにもめちゃくちゃな流れにみえます。ですが、上のようなコピーのイメージを具体的な人として見える形にすることで、コピーに息をふきかけ、生きているように力を与えているようにも思えるんです。