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風呂場で思考の散歩をする【エッセイ】

シャワーを浴びながら20分程度、あれこれ考えを巡らせる時間を作っています。
時事問題だったり、読んだ本の感想だったり、小説の筋立てを考えたり。

なんだか瞑想みたいです。
でも瞑想というより、「散歩」という表現のほうが近いかもしれないです。
考えながら頭の中をぐるぐると歩いている感じ。

ひとつのトピックについて、
これは〇〇である。
ということは、□□になるのかな。
ということは、△△になりそうだぞ。
ということは、●●と結びついたら面白いな。
じゃあ結局、◆◆ということになりそうだ。
てな感じに延々と考えをっていきます。

これは一人遊びみたいなもので、べつにトピックはなんでも良かったりします。くだらないものでいい。例えば適当に「蛇口」とかでもいい。
取るに足らないもののほうが展開が面白かったりする。

ちょっとやってみます。

蛇口があるためには、水道が必要だよな。
古い水道と言えば古代ローマ。でも蛇口はないだろう。
そもそも金属の加工技術が発展しないと、蛇口はつくれない。
木製の蛇口も作れそうだけど、すぐに腐ってしまいそうだ。
でも鉄と水だって相性悪いよな。錆びてしまう。メッキの技術が必要か。
つまり水を制するには、まず金属を制する必要がある
ん、これって五行図と似ているな……。

なんて具合です。

「水を制するには、まず金属を制する必要がある」という気づきとその言い回しが面白いポイントですね。
この気づきがはたして正しいのどうか、分かりません。
でも正解不正解ではなく、自分が面白がれるポイントが出てくればOKだと思っています。
ここから敷衍ふえんしていけば、また面白い発想が出てくるかもしれないし、小説の登場人物にこのくだりを語らせても印象に残りそうです。
「いいか、古代ローマに水道はあるが蛇口はない。何故だと思う?」てな具合に。
まあ本当に古代ローマに蛇口がないのか、チェックしておいたほうがいいですけど。(*調べたらやっぱりありませんでした。蛇口の発明は19世紀)


蛇口について知りたければ、GoogleなりWikipediaに教えてもらえばいいわけですが、それだとなかなか「水を制するには、まず金属を制する必要があるみたいなクセのあるワードは出てこないですよね。
このゴテゴテした感じがいい。

などと偉そうに一席ぶってしまいましたが、ぼくはこの思考の散歩を、実に数年ぶりに再開したばかりなのです。
長いこと中断していた理由はですね、iPhoneが防水になってしまったからです。最近までシャワーを浴びながら、iPhoneでひたすらYouTubeを見ていました。典型的な、インプットに追われる現代人の行動ですよね。いやお恥ずかしい。

風呂場でYouTubeを見るのも、情報が効率的にインプットできて良かったのですが、noteを毎日更新するようになって、インプットの面白さよりもアウトプットの面白さのほうにギアが切り替わってきたみたいです。

まあこのnoteも同じような思考の散歩みたいなものですが、風呂場での散歩は本当に自分一人の時間なので、より自由で快適です。

もう風呂場にiPhoneは持ち込まないぞ。





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