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テレビに原罪はあるのか?

自分の国の事は自分では良く分かって居ないのかも知れない。

誰でも当たり前があって、今迄生きて来た環境や時代の常識って言うのが、自分の当り前になる。

それが悪い訳では無くて、自分が生きて行くには、芯に自分の常識があって、それに新しい情報を更新して、次の自分の常識を作ったるする。

昔、我が母はテレビでろくでもない(これも彼女の常識)番組を見ていると、まともに物を考えれれなくなると言っていた。

私の場合テレビを制限されて居たから、何処までがろくでもない番組で、何処までがまともかなんて解っていない。

それでも、その頃の大人が立派に社会に居るんだから、まともじゃ無いは言い過ぎなのかも知れない。

まあ、今の日本を嘆く方には、その頃の子供が大人に成って、日本を作ってきたから、こんな風になってしまったんだと叱られそうなのだが。

私は楽観主義者なので、こんな日本に誰がした―と言われても、こんな日本に誰がしたと云う人が居る限りは日本は捨てたもんじゃ無いな、なんて考えたりする。

教育に問題があっても、テレビやラジオで間違った情報が入ってきても、人間は何とか中庸に物事を判断するんじゃ無いかな。

雑だけどそう考えたりする。

英国で制作されたドキュメンタリー映画『ザ・コンテスタント』は90年代に人気があったバラエティー番組の「進ぬ!電波少年」の「電波少年的懸賞生活」が題材になっているらしい。

この頃はこの番組が人気だったのは知っていて、そこに出た芸人の2人組が藤井フミヤさんの曲(だったと思う)でCDを出して、物凄く売り上げたのを記憶している。

当然、我が家では誰かが見ていた、子供や夫が主に見ていたのだと思う。

毎週、同じ時間には誰かがテレビに齧りついて、あまり有名では無い芸人(この言い方は好きでは無いけど)が旅をしたり、何かにチャレンジするのを見ていた。

実は私はこのバラエティー番組は少ししか見ていない、その頃は子育て真っ最中で見なかったのも有るが、たまたま見た時にも何だか笑えない。

笑う事が出来ないバラエティー番組は、ヘ~、とかふーんとか言って通り過ぎるのが良いと思っていた。

我が母の様に、「あんた、何くだらないもんみとんの、そんな暇あったら勉強でもしたら。」とは言わない。

自分が子供の頃にくだらないと感じなかった物を、くだらないと言われて反発していたので、くだらないとは言わなかった。

ただし、これは賛成できないと言う番組には、少しだけ苦言を呈していた、子供に私はそれを面白いと感じないよ伝える為だ。

くだらないかどうかは彼らが決める、だけど私はそれには面白さも、共感も感じないと話すのは大切だろうと思っていた。

その頃は、出てきた芸人さんに意地悪な言葉を言って笑わせたり、それこそとんでもない命令をしたりしていた。

自分的には笑っている夫の感性が分からない所だった。

子供には私はそれは好きでは無いと伝えていたけど、彼らが同じ感覚だったのかどうかは分からないし、それは彼らが感じる所になる。

それにしても、この電波少年という番組は、見ていて辛かった。

自分が共感性が強い方だとは思わないが、この番組でなすびさんという芸人さんが、まるでプライバシーも無く見られているのは、『これって笑えるの』と感じていた。

「これって面白いの??」と聞いた事が有る。

「このコーナーは面白ない。」子供たちは大体そう言っていた、子供ながらに何処かに閉じ込められて、懸賞だけで生活なんて無茶は自分なら嫌だなと思ったんだろう。

「おもろいやろ、懸賞だけで生活するんやぞ。」夫は笑いながらこう言っていた。

よく考えれば、この時すでに私と夫ではその後長い時間を一緒に過ごす事は無理だったのだな。

今の時代、こんな番組を作ったら、常識を疑われるだろうし、SNSでどんな風に叩かれるかもしれない。

自由な時代だったんだなーと考えているが、これは彼にとっては厳しい生活だったんだろう。

だけど、その時の生活も大変だが、本当の大変さはその後に有ったと、彼は言っている様だ。

自分の挑戦は番組では殆ど取り上げられていなくて、テレビでもあまり見せていないと聞かされていたのが、実は全てをテレビで晒されていて、何時の間にかスターになっていたのだ。

その上、次の仕事を探すと、裸になれますかと聞かれる、この仕事も前の仕事も自分で無くても良かった。

条件がそろえば誰でも良い仕事をしていたのだと、心を病んだりしたのだそうだ。

人間は仕事をする時に、お金だけでする訳では無い。(お金だけだと言う人も居るかもしれないが)

実の所人間は自分が何処かで、若しくは誰かに必要とされて居ると考えて仕事をする。

だからこそ仕事を続けられるのだ。

この懸賞生活は1年続いて、やっと終わった後に、連れて行かれた韓国でまた懸賞生活をしろと言われてなすびさんは怒ったらしい。

これは映画を見た人は同じ様に怒ったらしい、そりゃあ、テレビで非人道的な扱いをされた人間をそこで見たのだ。

この番組が必要だったかなんてどうでもいい。

これからは人権意識の有る番組を作って貰いたいもんだと思うのは私だけじゃない筈だ。

私はテレビ無いから見れないけどね。

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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。