悪夢は無さそうだ
毎日の事だが、掃除を始めると、ツナ君が甘えてくる。
可愛いし悪い事では無いのだが、人間は掃除がしたいのだ、ちょっと待っててと言うが、ニャーと鳴いて付いてくる。
言いたい事が有るのかな??
ご飯は確認して、新しくして有る、水も綺麗にした、チュールはお掃除が終わってからとしている。
毎日のルーティーンが有るから、彼も分かって居る筈なのに付いてきて、足の上に寝転んだりする。
ああそうか、毛を漉い頭を撫ぜて欲しいんだよね、よしよし、じゃあとばかりに毛を漉いても、納得していないらしく、ニャーと鳴く。
若しかしたら、「ツナ君、人間はね、掃除がしたいんだよ、ちょっと待ってて。」と丁寧に言えば、納得してくれるのかも知れないが、忙しい時にはそれを忘れている。
ツナ君に人間の言葉で話しても理解して貰えないだろうという感覚が、頭の根底にあって、言っても解らないと思ってしまうからだ。
ツナ君に対しては、申し訳ない限りだ。
こんなの何処かで覚えがあるなーと思っていたら、子育て中を思い出す、あの時にも子供に説明できただろうか??
少し前に次女に聞いてみた。
「何かさ、子育て中に必死でいろいろ放って於いて悪かったななんて思うわ。」
次女は何をいまさらの顔をして、返してくる。
「それでも、お母さんは説明してくれたから、それなりに納得していたよ。」
そうなのか、知らんうちに説明しよったんやね、私は。
何となく罪悪感が減っていくのを感じている。
ツナ君は私も忙しい時期では無いので、説明できるのだが、そこは解って無いという気がして言わない。
言わなくても諦めるって感じもあるしね。
だけど、猫は2~3歳くらいの子供と同じ位の認識力が有るらしいので、理解できるように話した方が良いのだろうな。
ツナ君をお迎えする時に、一番懸念したのは、虫問題だ。
虫問題って何???とか?が浮かぶだろうが、私が(娘も)虫が嫌いで、猫は無視を捕まえると聞いた、それって拙いんとちゃう。
彼がまだ子猫の時に、娘とペットショップに会いに行ったことが在った。
もうお迎えするのは決まっていたのだが、自分たちの家が決まってない状態の頃になる。
長女と次女がツナ君を交互に膝にのせていた。
ツナ君は可愛いけど、子猫らしく動き回りたがっていた。
「お母さんも抱く??」と聞かれて、そりゃあ抱くでしょと手を伸ばす。
その時だ、ツナ君が逃走しようとしている。
ちょっと前から小さいハエを目で追っていたから、それを捕まえてみたくなったんだろう。
猫の本能のなせる業。
猫らしい猫だな彼は、と考えた。
ネットで猫の情報を集めると、猫は狩りをしたがるらしい、ある飼い主さんは、ゴキブリを捕まえてきたので、キャーとなったのだそうだ。
ツナ君がそんな事をしたら、もう逃げるだけで済むかどうか、口を無理やり歯磨きで磨いてしまうかも知れない。
歯を磨こうとして、抵抗にあって猫パンチを食らうのかも知れないな。
ゴキブリって雑菌の多い所に居るから、菌を体に付けている、それを捕まえたら、大丈夫か??猫よ。
人間でゴキブリが大好きとか言う人は、まあ珍しいと思うけどね。
地球に生命が登場したのは、およそ40億年前のことらしい、そして5億年前くらいに、生物の形態が多様化している。
その時には生物はほぼ海に居て、科学者が現生する最古の動物の系統について話をするときには、オウムガイ、シーラカンス、カブトガニといった海生動物を指す。
陸上に生物が出現したのは4億年ほど前で、海生生物が陸に適応して陸上生物になったと考えられている。
その後に陸上生物は4回の絶滅を経験しながら、変化を経て生き延びて今に至っている。
その中で、祖先の形態からそれほど変わらずに今も生きている生物が2つ要る。
その1つがサソリで、もう1つはゴキブリなんだそうだ。
サソリは約4億3000万年前の化石が見つかっていて、ゴキブリの祖先が登場したのは3億5000万年前ごろと考えられている。
そうなると、恐竜よりも古い時代から、ゴキブリは居る事になる。
ようよう考えると、そんなに昔から居るのに、猫に捕まるのか??と考え込んだりする。
猫の進化の過程で、ゴキブリの方が、何か方策を見つけて置いたら、猫に捕まる事は無いんじゃないのか?
我が家の場合は、ツナ君がゴキブリを咥えるという悪夢は無さそうだと思っている。
「マンションってあまりゴキブリって出ないね。」と娘と言っていた或る日の事だ。
シュと黒い何かが走った、ああああゴキブリだ、ツナ君が捕まえに行くかな~と見ていると、彼は怖いものでも見た様に逃げた。
猫ってゴキブリ見て逃げるって聞いたこと無い、でも我々がキャーとかいやーとか言っていたから、彼も怖いと思ってしまったのかも知れない。
そのおかげで、我が家ではツナ君がゴキブリを咥える図を見る事は無い、無いと思う、無いんじゃないかな??
それでも何億年も生き延びてきたゴキブリだ、きっと何処かに潜んでいるだろう。
目にしないのを祈っている。