【小説】SNSの悪夢

今日も仕事だ気持ちが重い、スーパーのレジって最下辺に居ると思っているのは私だけじゃない。

朝から今買ったヨーグルトの返品やら、アボガドが腐ってたって返品だって、３日前の物を持ってこられても返品させるスーパーってどうなのよ。
それ自体が問題じゃない？

お客さんも何言ってもいいんだって思っているから、人によっては半分食べたパンが不味かったからと言って、返品だと言ってくる人がいる。

休憩の時間の気晴らしが無ければやってられないんだよね、やっと休憩の時間だ、ここでなきゃ何処でもいいから行こうと思う時間だ。

今日は何を書こうかな、ここで何を書こうが自由だ、それにワザワザ調べて名誉棄損だなんて言ってくる奴は居ない。

お金出して調べて、お金出して訴えて、そんなことをしたってほんの少ししかお金にならないんだから。

休憩の時間と言っても、昼ご飯を食べるとさほど時間は無い、早く携帯確認しなくちゃ。

あの不倫男どうなったかな？今日もあの男に何か言ってやろ、悪いことしてるんだから、言われて当然なんだもんね。

見るとサムネイルとハンドルネームの下に何かが書いてある、何か怒ってるみたいだな。

『人を非倫理的だと非難してくる奴らへ、何もしていない俺を非難した事実を俺は忘れない、最後の一人まで追いつめて同じ目にあわせてやる、忘れるな見つけて家族と暮らせないようにしてやる。』

なに言ってるんだか、あんたが不倫なんてしたのが悪いんでしょ、もしして無かったとしても、そんな風に見られるのがいけないんじゃないの、私たちのせいじゃないじゃん。

文句を言ってくる奴にまた書いてやろう、私が悪いんじゃない、あっちが悪いんだから、逆恨みじゃないの。

あなたね、自分がした事で問題になったんでしょ、人の所為にするのは違うんじゃないの。
自分は悪い事なんてしていないって言うんなら、書いた週刊誌訴えてみたらどう？
できないんなら証拠があるんだってみんな判断するわよ、不倫男にはできないでしょうね。
誰もあんたなんか信じないからね。

よし今日は上手く書けたぞ、これで気分も晴れて、後半戦の仕事もすっきりした気持ちでできるわ。

デモなんでわざわざ追いつめて同じ目にあわせてやるって脅すんだろう、だって簡単にはできないでしょ、裁判所にお金払わないと書いてる人間の住所なんて調べることはできない。

個人情報保護法があるのだから、自分で調べるのにはハードル高いのに、脅せば止めると思ってるんだよね。