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言葉は難しい
本は好きでいつも読みたいと思ってきた人生だったが、一時期は軽い小説しか読めず、ハーレクイン小説ばかり読んでいた時期が有った。
ハーレクインと言えば、誰もが知っている恋愛小説群だ、昨今では違うジャンルも有るのかも知れないが、私が読んでいた時期はほぼ全てが恋愛小説だった。
もう結婚もして子供も居る主婦が恋愛なんて、人に依ってはそう考えるだろう。
だがしかし、それなら不倫する人が全て不倫小説を読む訳では無いし、ミステリーなんて想像外である。
ハーレクインの小説の心地よさは、最後はハッピーエンドになると確証がある所だ。
実業家だったり、王族だったり、ヒーローはそれぞれだし、そんなの関係ない人も居る。
それに対して、ヒロインはちょっと引っ込み思案だったり、仕事は出来るが要領が悪かったり、子供の頃読んでいた漫画の感じが有った。
本も薄くて、ちょっとした空き時間にすぐ読める。
昼休みや洗濯物を待つ時間にちょいと読めてしまう、内容もドキドキハラハラってのでは無い。
水戸黄門で格さんが「え~い、静まれ、静まれ! この紋所が目に入らぬか。 こちらにおわすお方をどなたと心得る」と言って印籠を出す感じのスッキリ感がある。
主人公やヒーローは性格も立場も違えど、結ばれてハッピーエンドで、違いは国民性だったり、立場だったりして、なにしろ早く読めるので嬉しい。
一冊20分位で読めるから、月に何冊も買ってしまっていた。
「お前そんなに読むのか??」夫に驚かれたりしたが、直ぐに読み切ってしまうから、月に1冊では足りやしない。
嵌りまくっていた時期は、毎月出るハーレクイン本を全部買い占めたりしていたからね。
それでもね、違う小説よりも早く読める、忙しいから、早く完結するのは大事な要素になる。
それに全部訳して在る本だから、口語的で読みやすく訳されている様だなと思う。
子供にもどれだけ読むのかと言われるほど、ハーレクインが本棚に並ぶ、でも読み終えると直ぐに古本屋に売って、また買う。
何度も読みたくなる、長く置いて於ける本の方が実はコスパは良いのかも知れない。
でも、その頃はそれが楽しかったし、よくこれだけシュチュエーションや人物の性格を描けるな~とか見ていて面白かったりした。
そのハーレクイン本で偶に?????の表現が有ったのを覚えている。
一番他に表現無いのかな~と思ったのは、吝嗇って言葉だ。
○○が吝嗇家でとか書いて在ったのだが、吝嗇なんて太宰治以来だわ~とか考えてしまった。
私の見識が無いのかも知れないが、今吝嗇って使う人居る??????
居ないよね~。
ただね、本を読むと、文の流れから吝嗇って使うのは良く分かる。
だって、ケチとか倹約家じゃちょっと違う、シブチンって言葉はピッタリだが、イギリスの小説で使う~?
使わないか、シブチンって方言だもんね、違うんかな??
自分で考えてみると、そりゃあ吝嗇家になるわ、よくよく考えると、この人物はケチな男でとか書けない。
同じ様に、この人間はシブチンでとも書けない、まあ吝嗇家以外表現が無いのだよね。
だけど、昨今の読者で、吝嗇家と聞いて、エ~ケチやな~、となる人はどの位いるんだろうと感じた。
だって私だって、吝嗇家って言葉は大昔に読んだ本にしか書いてなかった気がする。
みんな分かってんのかな??
そう思ったので、その頃元夫に聞いてみた。
「本で吝嗇家って書いて在ったんやけど、使うかな?」彼は自分が物を知らないと思われるのが嫌いで、だから知ってる??なんて言えない。
知ってるかと言って、知らなかったら、そんなのは特殊な言葉だと言われるのが落ちだ。
「吝嗇家??そんな言葉は使わんぞ、小説に書いて在るか知らんけど、俺は論文みたいなんしか読まんで、そんな言葉は出て来ん。」
言い切っていた。
そうやろうと思ったわ、確かに元夫でなくても、吝嗇家=けちと直ぐに連想する人は少ないのかも知れない。
私としてはケチって言うよりもシブチンや、ケチはちょっとだけ倹約している感じ、それに対してシブチンは何に対してもお金を使わない感じがする。(あくまで私見です)
昔、宝塚の祖母の妹の家に下宿していた頃、おばちゃん(祖母の妹の事)が亡くなったおじさん(おばちゃんの夫)の事をシブチンやと言っていた。
「下に金庫があるやろ(1階の部屋の奥に人が何人も入れる位の大きな金庫が有った)あの人はそこにサイダー迄入れて置いて、欲しいと言うたら1本づつ出してくるんや、ほんまもんのシブチンやったわ。」
それを聞いた時に、我が母はケチやと思っていたけどちごうたな、ほんまもんはサイダーも金庫に入れて管理するんやと認識を改めた。
吝嗇家ってケチってよりは、そのおじさんみたいなシブチンって感じがして、金庫にサイダー入れる図を思い出していた。
そんな絵を思い浮かべるのは私だけだと思うが。
感覚的なものだとは思うが、同じ言葉として認識されていても、ちょっとずつ意味合いが違っているのが言葉だ。
それが面白いともいえるし、それが難しいともいえる。
言葉って使いきれんな~。
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![内山祥子](https://assets.st-note.com/poc-image/manual/preset_user_image/production/ic3fd94079689.jpg?width=600&crop=1:1,smart)