【小説】マメ猫 3
『朝だよ。』お寝坊さんの美紀を舐める。
「マメ早いよ、まだ五時だよ。」美紀は眠そうだ。
僕はマメ、猫だよ。
『ご飯、ご飯。』美紀に言ってみるとご飯が出てくる。
だから、精一杯舐める、舐める、舐める。
「そんなに舐めなくても、ちゃんとあげるから。」
「くすぐったいよ、マメ。」美紀は嬉しそうに、マメに言う。
『嬉しいくせに、もっと舐めるよ。』僕は舐めるの止めない。
「マメ、ご飯出すから、ここに置いとくね。」
『やっとご飯だ。』美味しい。
「マメ、美味しそうに食べるね。、良かった、元気になって。」
『僕何時も元気だよ。』食べるの止めて言ってみる。
「マメ、小さい頃大変だったもんね、元気になってくれて良かった。」
『そんな事覚えてないよ。』
「マメ、今まだリモートだから家にいるけど、会社行ったら寂しいよね。」
『僕は寝てるから大丈夫。』
「でも、リモートばっかりだと出会いがないんだよね、皆どんな風に出会っているんだろう?」
「マメ、どう思う。」美紀はマメ猫を撫ぜながら呟く。
「あたしだって、人並みに可愛いと思うのよ。」
「あたしの何がいけないんだろう?」
『美紀はいけなくないよ。僕美紀大好き。』
「マメといるの好きなんだけど、これからずっと、家で人と会わないのかと思うと怖くなるの。」
『何が怖いか解らない。』
「家から出ずに一生終わって、夫も子供も無い生活ずっと続くんだろうな。」
「これからずっとマメとだけいるの?こんな事誰も考えないのかな?」
「会社に通っていた時は、通勤や会社で嫌でも人と会ったけど、今はリモートで会うことが無い、皆リモートで付き合ったりするのかな?」
「昔の文通みたいに。」
『僕には解らないよ。』僕は美紀と一緒だよ。
「こんなふうに、仕事が家に成ってから考えるんだ、家で仕事して一人でご飯食べて、人と会わないようにして、一人で死んでいくのかなって、今はマメが居るから良いけど、マメが死んだら一人だよ。」
「そんな人生悲しいよね。」
『大丈夫、僕ずっと側に居るから。』
「マメ優しいね、ずっと側に居てね。」
美紀はマメを撫で続けながら声をかけ続けた。
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