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【小説】朝の僕猫
うんちしたよ、起きて片付けて~、言ってみると、もう一寸寝かせて~と聞こえてくる。
朝は早く起きて仕事した方が良いよ、起きてるんじゃん、なんで起きて来ないの、もう一度声を掛ける、ねえ起きてよ~。
「まだ早いって4時半じゃない、もう少し寝かせてよ。」布団にもぐっていく。
じゃあ、ベットに乗って舐めちゃう、ちょっとだけ噛みってしちゃうからね、「止めてよー、起きるから、起きればいいんでしょ。」
まだ暗いうちから僕の時間は始まる、だって起きちゃったんだもん、人間も起きてよね。
「アレー、まだご飯残っているじゃない、起こさなくてもいいでしょ。」と怒っている。
違うよ、うんちしたんだよ、臭いから片付けて、そう言ってるでしょ、僕はプンプンだ、分かんないの。
「ああ、うんちしたの、賢いねー片付けて欲しかったんだね。」やっと片付けてもらえるな、人間遅いよー。
「起こされたから起きたけど、次からは起こさないでね。」しっかり声を掛けてくる。
でも、うんちしたら教えてって言ってたじゃないか、人間って不条理なんだね。
カチャカチャ、人間がご飯食べてる、前は音が怖かったけど今は平気だ、だって大変なことも無いしね。
皆が食べてるんなら僕も食べるよ、カリカリはあんまり好きじゃないけど、おやつには良いね。
人間食べ終わってから、僕たちのご飯だ、ここにあるのはもういい匂いがしないから、早く出してくれるといいのに。
「はい、ご飯だよー、食べてね、たべないの?」聞いて来るけど、これは違う。
「チュールじゃないの、それはおやつだと思っているから。」と一人。
「でもねー、チュールは後って決めてるしな。」くれ、くれ、頂戴、チュールがご飯なんだよ。
「ちょっと待ってね、お掃除してからあげる。」言って貰っても直ぐに欲しいんだ。
欲しいよー、欲しいよー、精一杯言ってもくれないから、どうせくれないんでしょって気持ちになる。
「アレー、ふて寝してるの、もうちょっとしたらチュールだよ。」くれない癖に。
大きな音がする機械で家の中を動き回っているな、これが終わったらチュールかな?
終わったー、早く頂戴、早く頂戴、チュールがご飯なんだからね。
「ご飯食べてないじゃん、チュールは主食じゃないんだよ。」と言いながらチュールを出してくれる。
これコレコレですよ、美味しー、後でおやつのカリカリも食べるからね、先にこれを出してよね。
「あれ、食べたらどっか行っちゃった、人を起こしておいて寝ちゃったのかな。」
お休みなさーい。
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