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アスベストは凶器だ

先だって、家の契約に行ってきた、行ったと言っても私の場合は付いて行っただけなのだが、行ったと言えば行ったとなる。

昔、会社を売る契約の時には、関係者だけでなく、弁護士や行政書士、銀行員やらと机にずらっと人が並んでいたので、個人で家を買うのは、それよりはハードルが低い。

低いと言っても、大きなお買い物、何か有ると問題になるので、そこは細かく説明がある。

昔から思うのだが、日本で書類を読んで聞かせるのは何故なんだろう??

先に書類を作って置いて、渡して『読んでおいてください、質問は今度お目に掛かった時に、伺います。』とは、ならない。

何にしてもそうで、例えば小学校のPTAの会合で、その日に渡された文章を読む。

読んでから、『皆さん、質問ありますか??有ったら今言ってくださいね、後では無いですからね。』となる。

今読んだ文章の質問を直ぐに言えと、急に今日貰ったプリントでそれは無いでしょ。

先に渡しておいて、その事由に対して質問はどうですか??と言った方が良いのにな、といつも思っていた。

家の契約は渡せない書類も多いのかも知れないが、急に読まれても質問できない。

さては、質問されない様にそのシステムを取り入れているのか、なーんて否定的に考えるのは私だけなのだろうか?

家の契約で驚くのは、アスベストの有無を言わなければならない事だ。

そりゃあ、アスベストは危険だけど、危険なのは作業する人で、壊さない限り住んでいる人間には問題が出ない。

それでも、アスベストは危険なので、家を売る人間には説明責任が有るらしい。

「壊さない限り、問題は無いので、住んでいる分には問題無いんですけどね。」と説明される。

私もアスベストで中皮腫などの問題が出るのは知っている。

数年前に近所の家を壊す時に、厳重に囲っているので、『えらい厳重やな。』と考えながら、横を通った。

見ると、説明がして有って、アスベストの対策で厳重にせざるを得ないと書いて在った。

そうか、家って何十年も建って売るから、アスベストの危険性がまだ認識されて居なくて、便利に使われていた時期の家が沢山有ったんだな。

住んでいる人間には問題が出ないから、それ程気にする人が居ないってのが問題なのです。

だけど、壊さない限り問題が出る事は無いので、神経質になら無くても良いという側面もある。

今時は使われていないとはいえ、取り扱いには注意が必要なのだよね、家の売買でも調べるのだからね。

2001年9月11日の世界貿易センタービル崩壊でも、現場にいた人や救急隊員などが高濃度のアスベストに曝露した。

9.11当日に亡くなったのは2974人なのに、20年以上が経過した現在までにアスベスト関連疾患で亡くなったのは4343人にのぼっている。

アスベストによる病気は長期に渡って人間を苦しめる。

工事や事故、事件などで一時的に浮遊したアスベストで病気になるのも不幸で悲しい事だが、他にも意識せずにアスベストの問題に直面する人達も居る。

戦争だ。

イスラエルはガザに攻撃を仕掛けて、色々な言い訳をしているとはいえ、殆どが無差別攻撃だ。

爆薬や銃で既に4万人のガザの人々が犠牲になっていて、その殆どが民間人になる。

それだけでも、人間の生命の危機が有るのだが、問題はそれだけでは無くなっている。

そう、アスベストなのだ。

イスラエルはガザ地区に対して、容赦ない攻撃をしていて、その攻撃は無数の建物を壊している。

当然その中にはアスベスト含有の建物がある、ガザ地区の住民はそのアスベストが浮遊する場所で生活している。

なので、住民が今後、中皮腫などに苦しめられることは間違いないと言われている。

じゃあ、逃げれば良いじゃないという人も居るだろう。

アスベストが浮遊する際に、自分の身を守る最善の方法は、出来るだけ遠くに逃げる事になる。

しかし、ガザ地区全域がアスベスト汚染されている状況で、住民は外に出る事も許されない。

幸運にも爆撃に合わず命を長らえても、アスベスト汚染による病気の危険性からは逃れられない。

じわじわと身体を蝕む病気と共に生きる人が、大量に出てくる事は子供でも想像がつく。

逃げ場のない人々を追いつめるイスラエル政府を、神は如何見ているのだろうか??

イスラエルは歴史的に虐げられてきて、大量虐殺もされてきた。

だけど、こんなに解かり易いジェノサイドを、された側だからと許しても良いのだろうか??

イスラエルの政府を支持する人たちは、故意にでは無かったとか、退避を促していたとか言うのだろう。

何故それが人を死に至らしめる理由になるのだろう??

私には解からないし、解りたくも無いが、逃げ場のない場所で苦しい死を迎えるのが解っていて生活するのが、ホロコーストと同じと言われても仕方のないことだろう。

問題はそれに賛同する国が多い事だ。

昨今では戦争を賛美する政治家も増えてきたし、国民は国に命を捧げろという頓珍漢な言葉を言う人も居る。

でも、よく考えて欲しい、戦争は軍需産業と破壊された国の修復の為の産業を肥えさせるだけの物だ。

一般人は自分の資産だけでなく、命も奪われるのだ。

何故、戦争に賛成しているのかを、もう一度考えた方が良いのかも知れない。


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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。