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婆さんの足は達者だ

今日は三女が祖父さんの所に行く予定だったので、来るのを待っていた。

堺から来るのだから朝早い筈が無い、私の方は次女は5時半には出て行くのだから時間はたっぷりだ。

そう考えていたのに、家事をしていたら、11時に近い。

やっと、机の前に座って、少しでも書いておこうとするも、窓から娘が来たのが見える。

「久しぶり~。」思わず正月の挨拶を忘れて、入って入ってとなる、祖父母が孫に言っているみたいになってしまう。

「明けましておめでとうございます。」娘の夫が挨拶をして、そうや正月やったんやなとか思う。

「明けましておめでとうございます。」と返して、家で少し話をする。

今日の三女の目的は祖父さんの所に行くという事だが、丁度昼になったので、お昼は伺うのを止そうと、我が家でコーヒーでも飲もうとなった。

今日は家を出るのが遅かったのかな??と考えて、聞いてみると昨夜が遅かったようだ。

「昨日寝たのは2時だったんですよ。」と娘の夫が言う。

「遅かったんやね。」と返すと、三女も話す。

「昨日は○○ちゃん(三女の夫)の友達が来ていて、遅くなった。」そうか、地元の友達と遊ぶんやね。

自分自身は地元の友達と遊ぶなんて、機会が無かったので、羨ましいような、大変なような想像をする。

「2時まで友達が居たん??」と聞くと、そうでは無いらしい、そうだろうね、いくらなんでもそんなに居座る友達は居ないだろう。

話しはツナ君の事と、引っ越しの時の話になる。

「引っ越しの時に持っていった冷蔵庫と洗濯機は良かった??」彼の親御さんが使って居るので聞く。

「無かった部品もメルカリで買って、上手く使っています、冷蔵庫が大きいのが欲しかったんで。」と答えた。

綺麗に使っていたつもりだが、汚れてはいなかっただろうか??使っていたものを持っていったとなると、心配になる。

「汚れてなかった??綺麗には使ってたけど、やっぱりちょっと古いから。」もう一度聞く。

「大丈夫ですよ、持っていった日に雨降っていたから汚れていたけど、綺麗にして使っていますから。」余り気にして居ないようで有難い。

自分の使っていたものを、他人に渡すのは裸を見せるくらい恥ずかしい。

自分が物を大事に使っていたか如何かが、そこで見えるのだから、裸なんかよりももっと恥ずかしい事態になる。

それにしても、大事に使ってくれそうで、何だか嬉しい。

物を大事に使う習慣が有るのが良いのだな、自分もそこそこは大事にはするけど、引っ越しだと捨ててしまうからな、少し反省する。

昼が過ぎて、1時頃になると、祖父さんの所に行くと席を立つ、私も道が解らないといけないので、一緒に道案内だ。

「ここ。」と言って、1本違う道に行ったとて、着く事は着くのだが、わざわざ遠回りをする事もあるまい。

広い道をまっすぐ進むと近くまで行けるので、広い道で行く事にした。

子供の頃に通った道もあるが、大人3人が通るには細すぎる。

子供の頃には広いと思っていたが、大人だと1人通るのがやっとになる。

「婆さんが近道知っとるって言っていたけど、私は知らんで解ってる道を行くわ。」と言って、遠回りかもしれないが解っている道を行く。

子供の頃なら、行ってみて、駄目だったら又帰ってきたらいいと思っていたと思う。

大人に成るとそうはいかない、時間が勿体ないとか、人と一緒だから迷ってはいけないとか理由は有るが、ようするに無駄が嫌になるのだ。

子供の頃には、何も無駄だと思わなかったものが、大人に成ると無駄だと感じるようになる。

それは時間を無駄にしたくないというよりも、そこで危険を冒す必要があるのか?と考えるからなのだろう。

特に人の所に行く時には、時間を掛けたくないと思う。

別に時間を指定していたのでは無いのに、不思議である。

爺さんの所に行くと、お菓子だけ渡して、早々に帰る事にした。

この前の経験から、長居は無用だ、爺さんは小説を書いていて、未だに松本清張賞を取ると息巻いている。

だから、1人の時間が必要なのだそうだ。

人が居ても書けるけどね、そこはほら、集中したいとか思って居るんじゃ無いのかな。

知らんけど。

「○○ちゃん(三女の夫)ブックオフあるで行ってみる??」三女が言うと、「行くいく。」と答える。

「こっちから行くんやわ。」線路沿いの小さい道を通って行こうとする。

そこは広い道いかんの??と思うが、三女としたら、子供の頃に私の実家に着て、一番知っている道になる。

「こんな道有るんやね。」と彼も驚いている。

『まあここは、地元で近い家の人しか通らんけどね、家はちょっと遠いから、普通はここは通らんのよ。』の心の声は出さないでおく。

「ここがブックオフ、ここがコンビニ。」と紹介すると、今度は家に帰る道だ。

「婆さんが近道有るって言っていたから行ってみる??」と聞くと、いいよと言うので、回り道に見える道を行く。

「婆さんってここ12分で行けるって、だいぶ足早ない?」3人で歩くとある程度時間が掛かる。

「ここじゃ無くて、家からの道で早く行ける所が在ったんじゃない??」そうだ、あの道は続いている道~。

何とか言っている道の想像がつくものの、婆さんの足が達者だという認識は出来た。

伊達に今でも山登りしている訳じゃ無いのね。

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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。