帰ると玄関にツナ君
急げ、急げ、朝の9時に歯医者の予約があると、5時に起きても安心できない。
5時???その時間に起きたら大丈夫じゃない???と言う事勿れ、朝食を食べて家事を終える。
その後、歯磨きをして歩くと15分くらいの歯医者に10分前くらいに行こうと思うと、急げ、急げと自分の気持が急いている。
昔、会社に行っていた時期は、朝食を済ませて、弁当を持たせて送り出して、掃除、洗濯をして車で20分位の所に出社していたのだから、今出来ないのはおかしい。
私が年を取って家事に時間が掛かる為では無い。
ツナ君が相手をしろと言ってくるからだ。
猫がそんな事言う???と思う方も多いかも知れないが、我が家のツナ君とんでもない甘えん坊で、一緒に住んでいた次女やランちゃんやあぐりちゃんという猫たちとも離れてから、甘えが加速している。
昔は鈍行だったのに、いきなり特急になったみたいだ。
昔の漫画で主人公の1人が、『何で特急は少しの時間しか乗せてくれないのに高いの??』と言っていたのが在る。
我が家でも、何で沢山いた時には何も言わなかったのに、1人になると甘えてニャアニャア言うの??と言ったりする。
まあね、理由は解り切っているんですけどね。
彼としては、人間が家にいるのに慣れたと云うか、居るのが当たり前になっている。
『じゃあ甘えても良いんじゃ無いか?』
そう考えた時にはランちゃんが居て、上手く甘えられなかった、じゃあ猫たちが居なくなったら甘えよう、との事だと推測される。
言わないけど、何となく分かる。
だから、家に居るのが自分(ツナ君)と私だけになった途端、家の中を探し回って、ニャーニャーと主張。
仕方なく付いて行くと、好きな所でゴロン、ナゼロ、毛を漉け、おやつをよこせ、(あくまで想像です)と主張が凄い。
人間だって忙しいんだよ、と言って掃除や洗濯をするものの、付いて歩くので急ぎでは出来ない。
今日は時間が決まっているし、ある程度は無視して家事をするが、それでも無視はしきれない。
昨日から早起きして家事を終えようと決意して今日に臨んでいた。
朝は5時直ぐには起きなかったが、まあまあいい時間で、ツナ君は早起きだが、一時的に朝寝をする。
この時間だ~、とばかりに家事を終わらせようとすると、急いでるのに気付いたか、近づいてきてにゃーだ。
猫は自由を愛する動物なのだから、あんまりかまうといけないよ、嫌がってストレスにもなる。
そんな事を言ってきた人、こんな状態なのだが、如何するんだ??責任者出てこーい。
心の中で叫びながら、彼の頭を撫でて、毛を漉く、毛を漉くと掃除機を掛けなおす必要がある。
まあ、まだ時間は有るし、気持ちを落ち着けて、彼の毛を漉き、頭を撫ぜる。
ある程度納得した所で、慌てて家事を終わらせて、行く前にパソコン立ち上げようと部屋に行くと、付いてくる。
ニャー、何処行くんだ、撫ぜろという所か?
仕方が無い撫ぜて、彼がそこに寝そべっている間に慌てて家を出ることにした。
付いてこないな確認してから、そっとドアを閉める。
少し早足で歯医者に行くと、まだ予約時間になって居なかったので、インスタ投稿しながら、待合室で待っている。
何だか若者みたいだなと自分では考えているが、今時ではもっと新しいSNSも有るので、おばちゃんと小ばかにされるかも知れない。
それでも、毎日猫と朝ごはんの写真をせっせとアップして於く。
元々は知り合いの服屋さんの店員さんが、「年いっても太らないのは何で??」と聞いてきたからだ。
その頃よりは太ったが、体重が増えても好いから、筋肉を付けて年取っても歩けるようにしようと思って、食べる物の増やしたし、運動も増やている。
まあその頃は、自分史上二番目に痩せていたから、褒めて貰っていたというのもある。
その店員さん曰く「痩せている人は物凄く痩せていて大丈夫って思うし、太っている人はちょっと如何なのってくらい太っている、丁度良いって人が少ないんだよネ今は、でも内山さんはちょうどいいから。」との事。
褒めて貰って有難いが、その頃はスーパーのレジに居て、朝はホットヨガかジムに行っていたんだから、体重も減るというもの、色々やることが多くて食べる暇も少なかったしね。
私は食べるのに時間が掛かる、娘たちと食べていると、私だけがとんでもなく遅い。
だから、時間が掛かる食事が出来ない時は自ずと痩せる、自明の理である。
今はゆっくり食べる時間が有るから、ちと太った、それでも筋肉を付けるためには見栄えじゃない。
歯医者も歯が悪くなると食べれなくなるからマメに来ている。
実は子供を産むたびに「あんた、子供産むたびに歯が悪なるな。」と知り合いの歯医者さんに言われていたので、今こそ気を付けなければと思う。(だいぶ遅い気がするが)
歯医者で確認して貰って、いつもの道で家に帰る途中、市役所の横で野菜を売って居るおばあさんが居た。
ウーン、オクラ食べたいなと思って買っていると、そのお婆さんが愚痴っている。
「今年はこの天気やろ、キュウリがあかんかった、種だけでも1万したのに。」悔しそうだ。
そうか、天候に左右されるからね、仕方が無いとはいえ、悔しいだろうな。
オクラを買って家に帰ると、玄関にツナ君が陣取っている。
「帰って来たよ。」と言うと、人間何処言ってたんやとばかりにニャーと鳴いた。