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喧噪の日

昨日は家の内見にいって興奮したのか、昨日はまるで眠れなかった。

何をしているんだ、子供じゃ無いんだからと思うが、自分では眠りを操れない、そんな日も有ると考えている。

昨日は雨の降る夕方で、家が探しにくかった、この辺と云う認識が良くなかったのかも知れない。

見に行くとよい家で、その上リフォームで地震の対策もしてくれているらしい。

帰りは行きの道とは違う道を行くと、あれっ??これであの駅に着く??という道に出た。

「私達もしかして迷子になってる??」次女が言う。

「迷子とちゃうよ、大丈夫よ。」と言って道を進むと、子供の頃から知っている道に出る。

「なんや、違う方の駅に着く道や、昔お祖父ちゃんとこ来た時に覚えない??」と聞く。

「私は解らん??」と次女が言うので、ここやったら私も知っとるで、遠い方の駅に向かった。

自信はあったが、行きも自信満々で歩いて迷ったので、自信は少し引っ込めておく。

「知っとる道やと思うけど、間違っとったら謝るわ。」と歩きながら話す。

「大丈夫、迷ったらスマホにGOアプリが有る、これで呼べばええんよ。」イヤイヤ、タクシーは使わんやろ。

我が実家に近づいて、次女に聞いてみる。

「ここやったら知っとんのとちゃう?」

「分かったわ、ここに繋がっとったんやね。」と次女。

子供の頃に父親に言われた事を思い出す。

「道に迷ったらな、進んで行ったら何処かに繋がっとるから、絶対に解かるんやからな。」

昨今では繋がっていない場合も有るし、行き止まりって話もある、親の言葉を盲目的に聞いているとイカンと云うのも、いい教訓だ。

私達は私が子供の頃に行き来した道に辿り付いたので、学生の頃よく使った駅から家路についた。

思ったよりも遅くなったので、ツナ君が玄関でお出迎え、ニャー、ニャー鳴いて『寂しかったんだぞ、何処行っていた人間』と言いたげだった。

今日は不眠を挽き吊りながら、朝目が覚めた、健康トラッカーで見ると、6時間寝ていない。

いかんな、まだ眠らないとと考えるも、一度起きると眠れない質なので、諦めて起きていた。

今日は休日の次女はゆっくり起きて、一緒に朝食を食べて、家事を終わらせた。

「散歩でも行こうかな?」と呟いている。

散歩は賛成だ、歩くだけでも運動になる、運動って別にジム行ったりしなくても出来るからね。

「運動用の服を買おうかな??」きっと給与が入って、買いたい物が有ったのだろう。

「買い物に行く??」聞いてみると、「ウーン。」と唸る。

「如何した??」と返すと、「買いたいけど贅沢かなーと思って。」そんな事考えなかった次女が言うと、大人に成ったなーなんて思う。

まあ30過ぎれば当たり前なんですけどね。

「要るものが有って、自分のお金に余裕が有れば買えば良いんじゃない。」と当たり前の言葉が出る。

自分の言い方に、オイオイ次女は小学生じゃ無いぞ、と突っ込みを入れる自分が居る。

「そうやな、買いに行こうかな、運動したいし、冬服が少ないから。」と決めたみたいだ。

彼女はミニマリストの様に、服は少ないのを着まわしている。

今年の冬を過ごすにはすこし少ない、あの冬服は何処にいったんでしょうねとは言うまい、ぼろになったら捨てるのが良いのだからね。

ぼろを捨てると、心許ない、そこでじゃあ買いに行きましょうとなる。

結果的に、季節に合わせて買いに出かけている。

私は長い間服を持っている、この所娘に言われて出来る限り少ない服で良いと、少数精鋭にしたが、それでも問題なく冬は越せる。

出掛ける為に家を出ると、昨日と今日は四日市ジャズフェスティバルだったのに気付いた。

あちらこちらで誰かが歌っている。

このジャズフェスティバルは前市長が始めたが、最初は文句が出ていた。

「今の市長ってケチでさ、ジャズフェスティバルって出る人からお金を徴収するんやって、出たらお金出すもんとちゃう。」

余り噂に縁のない私にも、噂が入ってきたのだから、相当な不満があったのだろう。

今日歩きながら聞いていると、色んなジャンルの人が歌っていて、思わず『声出てへんで』と耳打ち押したくなる声もある。

あすなろう鉄道の駅に近づくと、近鉄の駅前で三味線を弾いて、リンゴ追分を歌っている人がいる。

「旨いな、この人。」思わず声に出た。

「うん、三味線も上手い。」次女も言った。

「昔これ出るのに、お金払わんといかんかったらしいけど、この人はお金貰ってるんじゃないかな。」と答えた。

「そらそうやろ、歌って貰ったらお金払わんと、文化をなんやと思ってるんや。」憤慨している。

「でもさ、その市長が居たから、四日市は健全な財政になったんやからね。」と言ってみる。

「解るけど、お金とるのは違うやろ。」確かにね、その通りなんやけどね。

そんな話をしながら、喧騒とは違う方向に買い物に行った。

買い物に行った先にも、客が沢山いて、四日市って人間多いなとか感じていた。

次女も満足の出来る買い物をして、帰ってきた時にも駅前は喧噪の中。

この喧騒が市を発展させてくれるのかな??




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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。