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この時期なのにお節を考えている

この頃、娘と激安スーパーに行くと、時々車エビが売って居る、養殖だろうがまだ動いている車エビだ。

「車エビがこんな激安スーパーでも手に入るようになったんやね。」一緒に買い物に来た次女に話しかけた。

「買う??????」次女は私が海老好きだと知っているので、聞いてくる。

「イヤイヤ、買わんよ、買ったとしてもお正月くらいよ。」と答える。

車エビには思い出がある。

今の季節には全然関係無いが、結婚していた時期に、おせち料理を作っていた時期がある。

その時に困ったのが車エビだった。

最初に作った時には車エビなど考えなかった。

車エビはちょっとお高くて贅沢だ、参照していた料理本で才巻エビが良いと書いてあっても、近所のスーパーで見かけない。

数年お節を作ってみて、もっと美味しくならないものかと考えた時に、そうだ素材じゃない??の結論に至った。

自分の腕ももう一寸だけど、やっぱりね素材が良いと断然美味しい、隅々まで本を読むと、近所の知り合いの魚屋で正月前から予約しておくと良いと書いてあった。

これは予約して於けばいいんじゃない。

その頃四日市で一番安いんじゃ無いかと、近所で評判のお店に行って話をしてみた。

「才巻海老って予約できます??」

「車エビの小さい奴ね、出来るけど沢山買わんといかんから、全部買ってくれるのなら入れるよ、それから年末は値段が高騰するから値段は仕入れ次第なら。」

なんやて、そんなんなんか、才巻エビって我々よりも一段高い所にいはった。

値段が解らないのでは予算も立てられない。

悩んだよね、そこでハッと気づいた。

私にはネットで買うと言う手立てが残されているのだ。

とは言っても、その頃はネットで車海老を売って居るサイトが少なくって、探し探して、やっとちょっとお安い養殖車エビを手に入れた。

車エビを通販で買ったのも初めてで、どんな梱包化とか生きているのかとか解らなかったけど、送られてくるのだから死んでいるのだと考えていた。

始めてみてびっくりしたのは、おが屑の中に入って居て、取り出すと生きてる、生きてる、生きてる~。

喜んでいいのか、悲しんで良いのか、持つと飛ぶ跳ねると言う新鮮さ。

これって水につけて洗ってから料理するんだよね。

「わー、こわい、怖い、怖い。」と女子中学生の様に騒いでいると、次女がこうやれば良いんじゃないトングでむんずとエビを挟んで、水の中に入れて、出汁の中に埋めていく。

人間って殺生して生きているんだなー、と当たり前の事に気付いて、宗教は信じて無いけど手を合わしたくなった。

昔は手に入り難かった車エビが、今は激安スーパーに並んでいて、時の流れを感じるな~。

当たり前だが、お節と言えば正月料理で、正月に皆で楽しむものである、そう、当たり前だが。

子供の頃はおせち料理は作らざるをえなかった。

普段開いている店も正月の3が日には閉まっていて、その時期に食べる物を確保する必要があったからだ。

だから、私が小さい時期はエビだったり、卵だったり、肉団子だったりの子供が喜ぶ食べ物を作って、お店が休みの間はそれを食べていた。

それだって結婚する前ごろの正月は買っていた記憶しかない、作るのは面倒だし、お店も開いているのだからね。(作っていたならごめんなさい)

結婚して直ぐに子供が出来た私は、おせち料理は作らなくていいかも知れないなと考えた。

考えると、私も夫も実家が市内で、両方正月の挨拶に行くと、そこでお節を食べる。

家で食べる時間の方が少ないのだ。

だったら作らなくても良くない??夫に聞くと出かけるし作らない方が良いとその時は云っていた。

それが夫の会社にで働きだして、決算処理や年末調整をしだすと、家に食事が置いてあった方が良い事に気付いた。

私達の会社は、11月末が決算で年末調整と決算処理を同時並行で行う必要があった。

勿論、普段の事務もしなければ為らない、最初の内は会社から帰って、家事をして子供と夫には勝手に風呂に入って寝てと言って、会社に帰って仕事をしていた。

会計がクラウドに成ってからは、家でも出来る様になって、このシステムって有難いとか考えながら、家で仕事をしていた。

そんな生活に慣れると、家にいて度々ご飯と言われるよりも、何か作ってあった方が良いと考える様になった。

『そうだ、おせち料理を作ろう。』

まあね、京都に行くノリで本を買って、兎に角予定を立てた、私の場合予定を立てるのだけは得意だ。(結果は如何でも)

最初の年は、ギリギリでやっとできたお節に大満足だった、ギリギリでも良いじゃん、ギリギリで生きていたいんだよ。

何年目かのお節料理

次の年は最初程はギリギリ感は無かったけど、キッチンは4人の女の怒号が渦巻く感じだった、慣れて無いって怖いね。

普段温厚でも怒りが満ちている。

数年経つと、そこも落ち着いて、割と楽にお節を作れるようになっていた。

今年の簡単お節料理

今年は正月は2人で、娘も仕事が有ったので、簡単お節料理にした。

さて、今年の年末は如何するかな、車エビを見て考えている。


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内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。