見出し画像

真由美さんの美しいお皿

久保真由美さんと言う陶芸家さんが居る。(今は陶芸家じゃ無くてソムリエみたいだし、結婚したから名字が変わってるから、居たというべきかな。)

四日市で陶芸家って結構な数居ると思うんですけど、この人の作る作品は使いやすくて美しい。

この人の焼き物がとても好きで、探し回っていた時期が有る、もう十年以上前だと記憶している。


久保真由美さんの器

どうしても欲しくて、元万古問屋さんがやっている店などで探してそれでもない、諦めきれずに店主さんに聞いてみると、ニヤッと笑った。

どどうしたんやと思って、在るんですか此処に?と聞いてみる、売ってる所の想像もつかなかったからね。

「実はねー、家には有るんよ、真由美さんの作品、もう作らへんかもしれんから、見えやん所に閉まって置いたんよ。」と言って、奥の方から出してくれた。

「欲しい、売って下さい。」値段も聞かずに買ってしまったよね、家族分6枚。

久保真由美さんがイタリアンの店の店主の方と結婚している、というのは知っていた。

でも焼き物が欲しいのであって、イタリアンが食べたいのでは無いし、その時期に食べる時間の余裕が無かったから、お店の所在は知らなかった。

数年経って娘がワイン酒場、私が居酒屋にアルバイトに行くようになると、たまには贅沢なランチを食べようと、ランチの美味しいお店を探すようになる。

その中にターベラカルダオオノさんってお店が有って、娘と探して食べに行った。

予約で一杯になる事が多いのに、その時は席が空いていて、娘とランチにワインも飲もうかって話になった。

そこで、箸置きを見てびっくり、久保さんの作品じゃない?それからお皿も金次がしてあるけど、久保さんのじゃない?

「ねえこれ久保真由美さんの作品だと思うんだけど、何処で手に入れたんだろう?」娘に言ってみる。

「ソムリエさんに聞いてみたら、知ってるんじゃない。」と食べながら答える。

女性のソムリエさんにお酒を頼むついでに、聞いてみようかなと言う気になった。

だってねー、こんなに久保真由美さんのお皿が贅沢に使われているお店って凄いよ、窯ものじゃ無くて、作家物なんだよ。

「すいません、こちらのお皿や箸置き久保真由美さんの作品だと思うんですけど、ずっと使われてるんですか、私大好きだけど手に入らなくて。」と聞いてみる。

「えっ、久しぶりに旧姓で呼ばれた、私が久保真由美なんです、今は大野なんですけどね。」ビックリだ、本人いはった。

「ヤッパリ、久保さんのお皿やったんや、贅沢なお店やなーと思ってたんですよ、作家物を使うお店無いし、金次なんてする方がお金掛かるし。」と続ける。

「今はソムリエの方をしてるんですよ、腰を悪くしたりして。」と言っている、残念ながら焼き物はしていないみたいだ。

焼き物って重量物も持つ必要が有るから、腰を痛める人も多いらしいですよ、そう言うのに対応した設備が有ると良いけど、個人がやってると設備にお金かけないもんね。

でも、ここに来れば好きなお皿を愛でる事が出来るんだなと考えている、文筆でお金を稼いだらまた行こう、美味しいお料理と美しいお皿のお店に。


いいなと思ったら応援しよう!

内山祥子
文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。