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ペットボトルの水の件です

今の時代、驚くべきことでは無いのだと思うが、家の契約に付いて行った時にペットボトルの水が出た。

「ここかな~。」と初めての場所に三女の夫が車を走らせる。

私は何処かも知らなかったし、随分車に乗っていないので、昔は知った道さえ驚くぐらいに変わっている。

解らない場合は無言で乗っているのが良いよね、そう考えて、三女夫婦に任せて、私は後ろの座席で座っていた。

「ここ見たいやね。」三女が答えて、事務所に着いた。

明るい時間に出かけたのに、相当暗くなってきている、私は暗い所を走るのが怖い質なので、帰り怖いなと思いながら車を降りる。

小さいな、心で呟く。

予想通りの小さい建物だ。

いつも思うのだが、不動産関係の会社や事務所は小さい、この地方しか知らないが、きっと他地方でもそうじゃ無いかと思う。

予想だが家を貸したり売ったりする所は、家の価値が良く分かって居るからだと思う。

家って(場所って)借りても買ってもお金が掛る、買ったのなら、毎年固定資産税という罰金みたいな物が科せられる。

じゃあ借りたら良いじゃないかと言うと、そこでも大家さんが固定資産税を払って貸しているのだから、結局は同じである。

歳を取って、家が借りられない未来が見えるから、罰金と感じても固定資産税を払うんだろうなと思ってしまう。

以前、娘と一緒に歩いて居て、そんな事をふと思ったので、歩みが遅くなった。

「お母さん、如何したん??」聞かれた。

「うん、不動産の所って大抵小さい所やなと思って。」と答えた。

「そりゃそうやろ、不動産関係の人は土地建物がどんなに高いか知っとる、それやったら、出来るだけ小さい所がええってなるもんね。」流石、我が娘、考える事が一緒だ。

この想像が当って居るかどうかは解らないが、小さい事務所に少ない人数が大抵の不動産関係の場所になる。

「こんにちわ~。」と言って、こちらは4人で入っていく。

担当者の方が出てきて、書類を取りにもう一度奥に入っていく、私達は促されて大きな机の周りに置いてある椅子に腰を掛ける。

「どうぞ、どうぞ。」との言葉が飛び交い、何だか解らない内に皆座っていた。

そこにトレイに水を乗せて、男性の社員(?)が来て、人数分の水を配っていく。

当然水はペットボトルだ。

ああ、時代は変わったんだな~、芯から思う。

だって会社に居た時には、私がどんなに忙しくても、夫がセールスと座り込んでいたら、私がお茶やコーヒーを出さなければならない。

年末で忙しくっても、私が出すのが当たり前の事態、偶になかなか出さないと、こちらをチラチラ見る。

『ちょっと待て、こっちは忙しいんや。』心では怒鳴りながら、表情はにこやかに、「どうぞ。」と飲み物を出して置く。

問題はそれだけでは無い。

お茶やコーヒーはゴミも出る、茶殻やコーヒー滓って会社でゴミとしては出せない。

普段の市の可燃物収集に持って行きたいけど、自治体では「企業のゴミは事業系ゴミだから捨てないで」と言う。

考えると会社が町内会費も払っていて、茶殻も捨てて貰うのも困るって、じゃあ町内会費出す必要ある??

我が社の事業系ゴミを扱っている所は、可燃物は止めてくださいと言う、八方塞がりだけど、選択肢が無いんですよ。

一般廃棄物も沢山有れば、何処か違う業者を頼む選択肢も有るが、お茶殻やコーヒー滓なんてほんの少しの物頼めない。

私がいつも家まで持って帰って、そこで家の収集日に捨てていた。

だから、お茶やコーヒーを出す事務所って、どんな風にゴミ出ししているのかなと思っていた、ここでその疑問が溶けてゆく。

そうか、ペットボトルでええもんね。

それに出してくれたのは男性で、男性がお茶(水やけど)出すの??凄いわ~、と頭に浮かぶ。

イカンイカン、やはり私は昭和脳なんやな、それで驚いているなんてと認識を新たにした。

SDGSだとか、環境問題とか、プラスチック製品についての風当たりは強い。

確かにプラスチック製品の害と言われると、ウーンと言葉を詰まらせてしまう。

だけど、こうやってペットボトルの水を出されてしまうと、これでも良いんじゃないと感じる。

だってね、ペットボトルなら、残したら持って帰れば良いし、空になったペットボトルは近所のスーパーに回収場所が有るから、そこに捨てに行けばいい。

事務所にゴミが残らない、いい考えですよね。

我が家では、出来るだけペットボトル飲料は買わない様にと考えている。

だけど、炭酸水や水の2ℓペットボトルは買うし、出かけた先でどうしても飲みたくなって買う事もある。

プラスチック製品を減らそうと言う考えもないでは無いが、基本的にはお金が勿体なくて買っていないだけ。

だから買うものも有るし、500mlの飲み物は基本的には買わない分類されている。

家にはお茶もあるし、水道からは綺麗な水も出る、それでお茶を作ったら500mlペットボトルは要らないんじゃないかと言う訳だ。

便利なものが社会に蔓延すると、それに社会的な問題があると言っても、簡単にはそれを無くしたりできない。

作ってきた過程で、関わる業者も多いしね。

でも、事務所がお客さんように、ペットボトルの水を出すのは良い事だろう。

燃えるゴミで悩まなくてもいいからね。

エッツ??今はそんなの違うって??古いって??

今の状況を知らない私は、違うんかな~、と頭を悩ませている。




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