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【小説】SNSの悪夢
仕事をしていないと人間は自堕落になり易い、何か自分で目標を作らなければ、明日の予定も作れない。
自分も仕事に助けられていたのだなと思う。
復讐と次にしたい事を考えてみよう、自分は何がしたかったのかな?次の一歩が何だったのか、今となっては思い出せない。
仕事に助けられてはいたが、仕事は思考を奪っていたんだな、本来の欲望とは何だったんだろう?
変に非難されたから復讐してやろうと考えただけで、これが自分の本質ではない。
それにしても頼まれて動画撮影をして、SNSにアップしたからと言って、それで終わりではない。
SNSは動き続ける、忘れ去られない様にずっと書きもまなければ為らない、これは何時まで続くんだろう。
そう考えてハッとした、自分が納得するまでは終わりはない。
2人目はまだ何も起こっていない様だ、夫が逮捕されても本人には関係無いだろう。
まだあのマンションを見張る必要はある、あの女は関係なく暮らし続けるのだ。
夫から連絡があって、それが逮捕と言われると頭が真っ白になる、誰でもそうなんだろうな。
まあ、誰でもが夫の逮捕という事態には遭遇しないんだろうが、子供の学校やパートの仕事で気持ちが一杯で夫迄気持ちは回っていなかった。
こんな時には先ず如何するんだろう?
捕まったという話なのだから、警察に行くべきなのか、それとも弁護士を探すのか?
年を取って何でも分かるようになった気がしていたけど、自分が何にも解らなくて悲しくなる。
パートの仕事は休みにしよう、こんな気持ちで行っても仕事などできやしない。
電話を掛けると、店長に変わって貰う、休みは店長か副店長に話しておかなければ為らないのだ。
「もしもし」店長が出た途端、こちらの要件を言う、早く済まさないと、話せなくなってしまう気がしていた。
「あの、レジの清水です、今日は体調が悪くて、休ませて欲しいんですが。」休むのは決定なのに、聞いてしまうのは何故なんだろう?
「ああ、清水さんね、誰かに代わって貰ってる?」休むときには代わりを探すのが決まりになっているから、店長が聞いてくる。
「急だったので誰にもお願いして無いんです、申し訳ありません。」休むだけにこんなに気を使わなければ為らないのだ。
「困ったなー、何時も言ってるけど、ちゃんと代わりを頼んでから休んで下さい、今日は私が探しますけど、これからは気を付けてくださいね。」まるで自分がしてやったと言わんばかりだ、でも今日はそんな事より夫の事を考えよう。
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![内山祥子](https://assets.st-note.com/poc-image/manual/preset_user_image/production/ic3fd94079689.jpg?width=600&crop=1:1,smart)