19日間のファミリー
私は昔から生意気で、頼まれてもいないのにリーダーシップを取りたがる学級委員長タイプ。小学生の頃は、自分で気づかないうちに周囲の友人を傷つけることがあったのだろう。嫌われ者だった、と思う。
どうしたら「いい子」になれるのかわからなかった。中学校に入って少しだけ控えめになり、自分に自信が持てなくなって、両親によく「引っ込み思案で暗い」と言われた。
そんな自分を変えたい、なんて気持ちがあったのかは覚えていない。中学3年生の夏休み、ホームステイの募集を見て、これに行きたいと頼み込んだ。
生まれて初めて家族と離れ、オーストラリアで過ごした夏休み。
最後の夜、ホストファザーとホストマザーに「こんなに内気で、うまく話せない私に、親切にしてくれてありがとう」と伝えた。2人は目を丸くして、「あなたは全然シャイじゃないわ、一緒に楽しく過ごしたでしょう?」と。
その言葉が、10年以上経ったいまも私の背中を押してくれている。
「旅する日本語」コンテスト応募作品
「#差添い」(さしぞい)・・・人を助け守るために付き添うこと、またその人。
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