第1話 草加健康センターで、私とあなたが「整う」まで
こんばんは。サウナのサチコです。昨日私のnoteを読んでくださった方、スキを押してくださった方、本当にありがとうございます。嬉しい。こんなに嬉しいものなんですね。
今回はちょっと長めなので、お時間のあるときに読んでください。
冬晴れの日
「草加健康センター 湯の泉」に行ってまいりました。実はここ、サウナ好きサイト「サウナイキタイ」で埼玉県人気ナンバー1なんです。
場所は東武スカイツリーラインの草加駅から、無料送迎バスに乗って10分ほどのところにあります。
草加駅の西口を出て右に折れ、デイリーヤマザキを目指して少し歩きます。するとラッコバスなる可愛いバスが、申し訳なさそうにこちらを向いて待っています。マイクロバスに乗り込むとすでに70代くらいのご婦人が二人、先に座っていらっしゃいました。そのうちのお一人が、
「NHKに出ると、1年は食べていけるって」
とドライバーさんに言ってました。謎です。さらに車内では「NACK5」が流れ、家入レオの歌におそらく私だけが胸を打たれながら、「草加健康センター」に到着しました。
中に入ると、昭和のお風呂屋さんという感じの、いい雰囲気に包まれます。丸いあがりかまちの前で靴を脱ぎ、下足を入れるロッカーに向かいます。
「奇数は脱衣所のロッカーが上段、偶数は下段になります」という貼り紙を見て、奇数の「3005」をチョイス。カウンターに行き、下足入れのロッカーキーと交換に、下のようなバンド、タオル、館内着をもらいます。
いざ、女湯へ。
平日の昼だというのに、結構混んでます。ここの脱衣所はコンパクト。洗面台も3、4人座れる程度です。ロッカーも細め。裸のご婦人に挟まれながら私も服を脱ぎ、早速お風呂へ。
お風呂場はこんな感じです。当たり前ですがカメラを持ち込めないので、記憶を頼りに書いています(汗
洗い場で簡単に体を洗いながら、どのお風呂から入ろうか考えます。よし、今日は炭酸風呂から入ろう!
炭酸風呂大好き。
自分の体に無数の泡がつくのを、じっと見てるのが好きなんです。違う生き物になった気がするから(爬虫類的な)。ここの炭酸風呂は低めのお湯(37度)で、小さな気泡が体にゆっくりと付いていきます。泡の大きさ、全身に付くまでの時間は場所によっていろいろです。それもまた楽し。
ゆっくり温まった後は、露天風呂へ。
白濁したお湯。草津の湯を運んできているそうです。温度は42度。ここはさらに混んでいます。芋を洗うようにという比喩がぴったり。芋の一つになって顔を上げると、青く小さな冬の空が見えます。
あぁ、気持ちいい。
さて。そろそろサウナへ行こうかな。
思ったより広い。そしてかなり熱い。90度(サウナイキタイ調べ)あります。見回すと室内には私一人だけ。あんなにお風呂は混んでいたのに、なぜ? 戸惑う私の後ろから、エプロンをつけた女性スタッフが入ってきました。私一人のために、熱い石にひしゃくで水をかけてくれています。
ジューっと蒸気が音を立てて上がり、セルフロウリュ状態です。せっかくのお心遣い。熱風に腰が引けそうになりながら手を伸ばし、私は砂時計をひっくり返しました。砂時計は5分。5分だけ頑張ろう。
痛い痛い痛い。
身体の先という先っちょが痛みます。タオルで胸や肩先を隠すと、今度は顔が痛い。壁にあるポスターとかサウナの説明書を読んだりして気を紛らわしますが、尋常じゃない熱さに一人でもんどりうってました。
砂時計の砂がすべて落ちたのを見て、私は外に飛び出しました。やった、自分に勝った(たった5分ですが)。さあ、これだけ身体が火照っているのだから、今日こそ水風呂に入れるぞ。
まず汗を流すために水風呂の水をひしゃくで掬い、足元にかけます。
ヒッ
コントみたいに身体が反応してビビります。水風呂は露天風呂の前にあるので、入浴中のご婦人たちがこっちを見ているんじゃないかと気になります(見てないけど)。今度は膝まで水をかけてみます。
ヒー
ダメだ。冷たすぎる。「グズグズしてないでさっさと水風呂に入りなさいよ」というご婦人たちの声が聞こえてくるようです(言ってないけど)。でも入ってはみたものの、肩まで浸かれずに出てくるところを見られたくない・・・。まったく、自意識過剰です。整う以前の問題です。ひとまず諦めて、すごすごと洗い場に戻りました。
鏡に映る私の顔は真っ赤で、首から胸元にかけて幾何学模様の斑点まで出ています。はっ。これはもしかして、、、
あまみ?
上質のサウナに入った後、水風呂に入るとこうした反応が出ると聞いたことがあります。いやいや、水風呂に入っていない私に「あまみ」がでるわけありません。肌がよわいから熱に負けただけ。
でもなんだかちょっとうれしくなりました。
「あんたもいつか、整うさ」と、草加のサウナの神様に励まされたような気がして。
ニヤつく私の後ろを、肌色のスポーツブラをつけた女性が通り過ぎていきます。そしてそのまま炭酸風呂へ。え? 着たまま入るの?
よく見ると、ブラから片方の胸だけが出ていました。
そうか、そういうことか。生きるために、大事なものを手放したんだ。そう思うと、それでも隠さなければならないことが切なくなります。背中でグルグルとねじれてしまっているそれを直してあげたくて、でもそんなことしたらずっと見ていたと思われそうで、やめました。
食堂でトマト味の酸辣湯麺と、グラスビールをいただきました。
草加健康センター、一押しのメニューです。
そのままほろ酔いで、女性専用休憩室へ。
ここだけ近代的です。シートは上質で、テレビが一台ずつ付いてます。横になってぼんやりしていたら、なんだか寂しくなってきました。サウナの時の孤独感とは違う、人恋しさ。やっぱビールはいけないな。酔うと身勝手な寂しさが襲ってくる。しばらくビールはやめておこう。そう決めました。
結局この後、再度サウナにチャレンジしたものの水風呂に入れず。もちろん整うこともできずに終了。いつかこの熱いサウナで整ってみたい。草加健康センターは、かなり私好みなのです。
どこか寂しい、一人が似合う場所だから。
滞在時間 3時間30分
料金 入館料(WEB割引で)1350円
小生ビール 462円
トマト酸辣湯麺 1067円
合計 2879円
でした。今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回、第二話は「健康ランド武蔵野」です。
埼玉県南浦和駅で、お待ちしています。
サウナのサチコより。