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社内外を繋ぐ、新たなイノベーションの場:場づくりが創出する未来

一橋大学名誉教授、カリフォルニア大学バークレー校特別名誉教授の野中郁次郎教授とともに「知識創造企業」を実現するリーダーのための実践論として、多摩大学大学院名誉教授の徳岡晃一郎先生が結晶化したコンセプトが

「イノベーターシップ」

このコンセプトは、次世代のリーダーに必要な力を明確にし、未来を切り拓くための指針として広く注目されています。

その続編書籍『イノベーターシップ』に、なんと約20ページにわたって、イノベーター事例として私、中瀬幸子を取り上げていただきました!この中では、私が実践してきたリーダーシップや場づくりの具体的な事例が詳述されています。

今回は、この書籍の内容を踏まえ、「イノベーターシップ」と「場づくり」について、私自身の経験も交えながら掘り下げて考えてみたいと思います。未来を切り拓くリーダーとしての成長や、組織を成功に導くために必要なスキルについて、共に探っていきましょう。


イノベーションは「場」から生まれる

イノベーションとは、単に新しい製品やサービスを生み出すことだけではありません。それは、人々が繋がり、新しいアイデアを交換し、共に成長していく過程そのものです。

つまり、イノベーションは、新たな関係性やアイデアを生み出す「場」の設計と提供なしには、実現できないのです。

多様化する「場」と個の価値

昔は、コミュニティに参加するには、特定の場所に行ったり、紹介者がいなければ難しかったものです。しかし、今やオンラインツールを使えば、世界中の誰とでも簡単につながることができます。この「場」の民主化は、人々に大きな自由をもたらすと同時に、自分らしい「場」を求める欲求を刺激しているのではないでしょうか。

多様な「場」は、単なるコミュニケーションの場にとどまりません。それは、人々が学び、成長し、そして心の豊かさを育むための場所でもあります。例えば、オンラインのコミュニティで、同じ趣味を持つ仲間と交流することで、孤独感を解消し、新たな視点を得ることができます。

誰もが「場」を作れる時代だからこそ、重要なのは「その場ならではの価値」です。個人のセンスや経験、そして熱意が込められた「場」は、人々を惹きつけ、コミュニティを活性化させる力を持っています。

場を作り「何か」を起こす:未来のリーダーシップ

変革の時代において、リーダーシップのあり方が大きく変わっています。かつてのトップダウン型のリーダーシップでは、急速に変化するビジネス環境に対応することが難しくなっています。未来のリーダーシップには、共感を基にした「場づくり」が求められており、その場で自由にアイデアを交換し、協力し合いながら何かを起こすことが、イノベーションのカギとなるのです。

場を作るリーダーシップとは?

場を作るとは、物理的な場所を提供するだけではありません。組織やチームの中で、メンバーが安心して意見を出し合い、失敗を恐れずに挑戦できる環境を整えることが、真の「場づくり」です。この場では、異なる視点や専門性を持つ人々が交わり、新しい価値が自然と生まれます。

例えば、私が代表を務めるAvinton Japanでは、AIやビッグデータの技術を活用して、様々な業界のクライアントと共にデジタルトランスフォーメーションを推進しています。このプロジェクトにおいて重要なのは、私たちが単に技術を提供するだけでなく、クライアントとともに共創の場を作り出すことです。そうすることで、技術革新だけでなく、ビジネスモデルそのものの変革を実現してきました。

場を作り「何か」を起こすための5つの力

『イノベーターシップ: 自分の限界を突破し、未来を拓く5つの力』(徳岡晃一郎著)では、未来を切り拓くためにリーダーが持つべき5つの力が解説されています。

私も「場づくり力」を実践してきた事例として約20ページにわたり紹介されています👏

書籍では、他にも
「日本酒を世界のお酒に」と挑戦されている旭酒造会長の桜井さん
・みんな大好きコスメデコルテ・リポソームを開発・大ヒットさせた元KOSEの荒金さん
人とは違うことをやる天才、メンタリストDaiGoさん
など素晴らしい方々の具体的実践事例、思考方法が紹介されています。

また、出版記念イベントを準備しておりますので、もしよろしければご案内させてください。

イノベーターシップ:自分の限界を突破し、未来を拓く5つの力
📚10月9日発売です!📚

リーダーに求められる5つの力とは?

  1. 未来構想力
    イノベーションを生み出すためには、リーダー自身がどんな未来を作りたいのかを明確に描くことが必要です。このビジョンがあるからこそ、周りの人々も同じ方向を向いて進むことができます。

  2. 実践知
    構想した未来を現実にするためには、理論や計画だけでは不十分です。実際に挑戦し、経験を積みながら、必要な判断を下していく「実践知」がリーダーに求められます。

  3. 突破力
    イノベーションの道には多くの壁が立ちはだかります。この壁を乗り越えるためには、創造的な解決策を見つけ、仲間とともに乗り越える「突破力」が欠かせません。

  4. パイ(Π)型ベース
    幅広い知識と深い専門性を兼ね備えた「パイ(Π)型ベース」を持つリーダーは、複雑な問題に柔軟に対応し、新たな価値を生み出すことができます。

  5. 場づくり力
    最後に、場を作る力がリーダーには必要です。リーダーが率先して共感の場を作り、人々が自由にアイデアを出し合える環境を整えることで、組織全体の力が引き出され、イノベーションが生まれます。

イノベーターシップの5つの力(マネジメント、リーダーシップを超える力、「イノベーターシップ」 第2回 イノベーターシップの真骨頂:未来構想力より)

「場づくり」が企業にもたらす価値

企業にとっても、「場づくり」は重要な戦略の一つです。多様なバックグラウンドを持つ社員が、自由に意見交換できるような「場」を提供することで、イノベーション創出を加速させることができます。また、社員が主体的に参加できるような「場」を創出することで、従業員の満足度を高め、離職率を低下させることも期待できます。

「場」は、オフィス、会議室、オンラインコミュニティなど、多様な形を取ります。そして、その場が持つ雰囲気や構造は、人々の行動や思考に大きな影響を与えます。

企業が担う、より大きな「場づくり」

現代社会においては、企業が担う「場づくり」は、社内にとどまるものではありません。社外、そして社会全体へと広がる「場づくり」が、今、求められています。

企業が社会に開かれた「場」を提供することは、以下のようなメリットをもたらします。

  • 新たなビジネスチャンスの創出: 多様なステークホルダーとの連携により、新たなビジネスモデルや市場を開拓することができます。

  • 社会課題の解決: 社会が抱える課題に対して、企業の資源やノウハウを活かして解決策を模索することができます。

  • 企業のブランドイメージ向上: 社会貢献活動を通じて、企業のブランドイメージを向上させることができます。

  • 従業員のモチベーション向上: 社会に貢献することで、従業員のモチベーションを高め、企業への帰属意識を高めることができます。

具体的な取り組み例

  • 地域コミュニティとの連携: 地域のイベントやボランティア活動に参加し、地域社会との関係を深める。

  • スタートアップとの協業: スタートアップ企業との共創を通じて、新たなビジネスモデルを創出する。

  • オープンイノベーション: 大学や研究機関との連携を通じて、基礎研究の成果を事業化につなげる。

  • サステナビリティ経営: 環境問題や社会問題に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献する。

書籍では、

私がいかに会社、個人が積み上げてきたネットワーク、そしてソーシャルメディアを駆使して新たな出会いを広げなら、信頼関係を構築し、発信し仲間をあつめ、社内外の「場づくり」をしているか

詳細に語っています。

単に売上を上げたい、社員とのエンゲージメントを上げたいといった自分自身の利益に焦点を当てるのではなく「どうしたら参加した人が学びを得て、喜んでもらえるのか」を考えて場の設計を行っています。

まとめ

リーダーシップは「場づくり」を通して実現される

私は、イノベーションとは全く新しいものを生み出すことだけではなく、新しい関係やアイデアを生み出す場の設計・機会提供もリーダーシップの1つであると考えています。

リーダーは、単に指示を出すだけでなく、人々が共に成長できるような「場」を創出し、その中で新たな価値を生み出すことを促す必要があります。

「場づくり」は、企業の成長だけでなく、社会全体の持続可能な発展にも貢献します。リーダーの皆様には、ぜひとも「場づくり」を通じて、新たなイノベーションを生み出し、より良い社会の実現に向けて貢献していただきたいと考えています。

経営者やビジネスリーダーとして成長していきたい方、または組織に新しい風を吹き込みたいと考えている方には、ぜひ『イノベーターシップ』を手に取っていただきたいと思います。この書籍は、未来のリーダーシップを磨くための具体的なヒントが詰まった一冊です。場を作り、共感を生み出し、何かを起こすために必要な力を、この本から学び取ってください。

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