自分の顔に責任を持とう。〜昨今の美容医療について思うこと〜
最近、SNSや誌面で美容情報をチェックしていても、なんだか同じような顔が溢れているように感じる。
美容医療が身近になった今、人の顔に違和感を抱く機会が増えたように感じるのだ。
「憧れのあの人が、ハイフを毎月しているから。」「この間見たTikTokで、ボトックスを打った人がすごくキレイになっていた。」そんな理由で、気軽に美容医療を行う人が増えた。
街を歩けば電車の中、駅で、数千円でぱっちり二重になれる、といった広告もよく目にする。その広告に写っているのは、高校生と思える年頃で怖くなる。
美容医療には当然のことながら、リスクが伴う。実際のところ美容医療を行ってトラブルを抱える方は少なくなく、現に訴訟も起きている。
どこで、どんな施術を、誰にしてもらうかはとても重要だし、そもそも今の自分に必要な施術なのかどうかということをよくよく検討しなければならない。それを理解して美容医療に踏み込んでいる方がどれだけいるのだろうか?
先日、気軽にハイフを始めた20代の女の子が、ハイフの効果が薄れる1ヶ月後に堪らずまたハイフをせずにはいられない沼にハマっている、と聞いた。
ハイフ(HIFU)とは簡単に説明すると、High Intensity Focused Ultrasoundの頭文字を取った略称で、高密度の超音波エネルギーを使ってたるみの根本にアプローチし、改善する施術のことだ。
1ヶ月で効果が薄れ、またやらずにはいられなくなるハイフ。美容クリニックだけでなく、エステサロンなどでも受けられるだけに、彼女がどこで、どんな人の施術を受けているのか心配になった。
私の頬にはうっすら広がる肝斑があるし、頑固なクマもある。毛穴も鼻の近辺でいくつか開いて見えていて、まぶたも最近たるみが気になり、目尻にはシワがある。
それでも私は、美容医療をするつもりがない。目尻のシワは、私の毎日が笑顔溢れたものである、いわば幸せの証だし、肝斑はホルモンバランスの変化も大きく関わり、「ゆらぎ世代になったサインだよ。無理しないで体調第一に頑張って。」そういわれているように感じている。
美容は嫌なものに蓋をするものではなく、生きていく上で糧になるような活力であって欲しい、と美容という仕事に携わる人間として思う。
もちろん個人の責任において美容医療を行うことを決して否定はしない。実際のところ、生きていくのが辛いほどのアザやシミやほくろがあり、それを除去することで明るく前向きに生きていけるのなら、それはそれでその人を幸せにするひとつの手段だと言える。
私が言いたいのは、踏み込む前によく考えて欲しいのだ。本当に今の自分に必要か?手頃な価格で行うのがいいのではなく、どこで、誰に、どんな施術をしてもらうか、よく調べて検討して欲しい。
大事なのは、自分の顔に責任を持つこと。誰かと比べて自分をジャッジするのではなく、世の中に2人といない自分をもっとみんな大切にして欲しいと心から願う。
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