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7時間、甲板で過ごした(席なし)家族旅行

先日、伊豆諸島の新島に家族旅行に出かけました。

真夏の甲板で7時間を過ごし、家族4人で乗り越えて
無事に帰ってきました。
もちろん、過酷な状況ではあったけれど
不貞腐れて寝るも7時間
パーティで楽しく過ごすも7時間
人生も同じ。今ある環境を、
嘆いて、愚痴をこぼして過ごすも人生、
笑って、いかに楽しくなるか過ごすも人生
自分はどっちの人生を歩きたいか。

そんなことを考えさせられた旅行でした。

台風直撃



台風に重なり、海や温泉、景色は楽しめたものの
台風から逃げるように、予定を繰り上げて
帰ることになりました。


新島へのアクセスは、東海汽船という船の
さるびあ丸と、高速フェリーがあります。
台風により、フェリーは運行中止になりました。
その人たちと、予定を切り上げて帰る人たちで、
さるびあ丸はあっというまに満席です。


帰ることを諦めていたら、なんと
席なし予約ができるとのことでした。
おそらく、台風による緊急措置です。

座席はないので、レジャーシートが渡され、
7時間、甲板や船の廊下にシートを広げて
座るということでした。

想像しただけでも、恐ろしい状況です。
季節は真夏、30度を超える中、7時間、
しかも、5歳と3歳がいます。

事前にビール、お菓子、カップラーメンを
買い込みます。
たとえ、廊下で寝るにしても少しでも
いい場所を取りたいので、早めに並びます。
この時点で暑いです。

船に乗り込むも、すでに
船内はレジャーシートでいっぱいでした。
シートの隙間を縫うようにして歩きます。
花火大会の待ち時間みたいな状況です。

もうどこにもシートを広げる場所もないため、
仕方なく甲板へ。
小さな日陰を見つけてそこを
私たちの7時間の陣地としました。

子どもたちは、思っていたのと違う!と
怒ると思いきや
小さいなりに、廊下で人が寝ている非常事態に
状況は理解できたようです。

かなりの非常事態の状況です。
30度を超える中、7時間どう乗り越えるのか?

お菓子パーティと乾杯



子どもたちは、
座れたことに喜んでいました。
早速、お菓子を広げてお菓子パーティが
始まりました。

いつもは、1個だけとか言われるお菓子も
あるだけ食べていいという状況に
子どもたちは大喜びでした。

この難局をどう乗り越えるのか
不安を抱えつつ、夫婦で乾杯です。
冷えたうちに、たらふく飲まないと!
そんな気持ちもありました。


暑いと思われていた、甲板は
出航すれば”あれ?涼しいw”
台風の影響もあり、風が吹いていました。
これは、過酷な状況の中で嬉しい誤算でした。

船内はすでに、人でごった返し、
すでに蒸された状況でしたので、
甲板の方がかえって涼しいくらいでした。



船内のレストランは、時間を持て余している人たちの
長蛇の列ができていました。

5歳と3歳を連れて、蒸した船内では
並べません。我が家はレストランは諦めて、
ビールも飲んで、カップラーメン食べて、
お菓子パーティです。

7時間、何もすることがない。
だから、子どもの”なんでなんで攻撃”にも
根気強く、付き合えます。
子どもの些細な、発言にも気づきます。

相変わらず、ああ、あと何時間だろう、
持つだろうかという不安は残るものの
気づけば、あれ、なんか楽しい時間だぞ
となりました。

これは、お酒マジックかもしれない。
それでもいい。
イライラしながら待つよりも、
家族でウェイウェイ楽しく時間が
過ぎる方がうんと幸せな時間に思えました。

非常事態とはいえ、
幸いにも、船内の酒の販売も
尽きることはありませんでした。

海の景色に気づく


変わる雲の流れ、
どこまでも続く海、
当たり前にあるものだけれど、
日常生活では見れない景色がそこにありました。
ジェット船で行ったら気づけなかった
東京と新島の距離です。
本島が見えれば、子どもたちに
「あれが、私たちのお家があるね」
私たちが住んでいる国は、
海に囲まれ”島国”なんだと肌で感じます。

旅行は、たくさんのお金がかかります。
それなのに、期待していたほどのアクティビティが
できないと、正直がっかりします。


でも、外に出ないと感じられない景色があります。
海を見せないと、伝わらないことがあります。

これでいいんだ、これでよかったんだ
そんな風に思える旅でした。

YouTube1度も見ないで過ごした


YouTube漬けの息子が1度も
見せてくれと言いませんでした。
忘れていたのか、こんな場所で見れないと思っていたのか
分かりませんが、
スマホよりも海を眺めていた時間の方が
はるかに長い船旅になりました。

人生で過ごす時間の気持ちの持ち方

避難所を連想するような
決して満たされるような状況ではありませんでした。
それでも、夫婦で
不安な気持ちを打ち消すような気持ちで酒を飲み、
子どもたちとパーティしながら
異様な盛り上がり、続くハイテンション、
お菓子を風で吹っ飛ばして笑いながら拾い食い、
子どもの突然の鼻血にも、家族で大笑い

甲板で過ごした7時間は
今回の旅行の一番の強烈な思い出です。


過酷な状況は変わらない、
それでも気持ちの持ちようで
今ある景色は、変えられるのだと知りました。

早く到着してほしい気持ちは同じでも
不貞腐れて寝るも7時間
パーティして笑って過ごすも7時間
人生も同じ。今ある環境を、
嘆いて、愚痴をこぼして過ごすも人生、
笑って、いかに楽しくなるか過ごすも人生
自分はどっちの人生を歩きたいか。


7時間、真夏の甲板で過ごした1枚


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