グリーフケアカフェに行った話②
どんなところだったのか
私が伺ったグリーフケアカフェは、緩和ケア病棟の看護師である奥さまと、グリーフ専門士であるご主人が地域のコミュニティプラザの一室で開催していた。
会場は駅チカの比較的新しい建物の中にあり、居室内には小さなキッチンが付いていた。参加者の人数分の机と椅子がコの字型に並べられ、机の上には小さなキャンドルとレジュメが置かれていた。
参加費は一人1000円。
施設の利用料とお代わり自由の飲み物代やレジュメの印刷代などを考えると、ボランティア価格だと感じた。
その日の参加者は7名。年齢も性別も様々だった。
グリーフケアカフェのルール
『守秘義務』と『相互尊重』、そして『無理に話さなくても良い』というルールの下、ひとりずつ話をする。基本的に何を話しても良い。事前に主催者から「上手く話そうとする必要はないし、まとまっていなくても良い」と言われたおかげで、私の場合はリラックスをして話をすることができた。
私はどんな話をしたか
実は既に2回参加している。
【1回目】妹が亡くなった経緯と現在の自分の気持ちを話した。
母と一緒に妹の部屋を訪れた際、既に死後5日ほどが経過していたこと、私は過去に妹に対して厳しいことを言ってしまったことがあり、価値観の押し付けだったのではないかと後悔をしていること、生きているうちにもっと色んなことをしてあげたかったことなどを話した。
【2回目】亡くなって半年経過した後の自分の気持ちを話した。
妹の家にあった物はすべて専門業者に廃棄処分を依頼したため、空っぽになった部屋をひとりで掃除しながら『自分が生きていた証が死んだら消えてしまう』という気持ちになったこと、それは日増しに膨らんでいること、世の中のすべてが馬鹿らしく感じるようになったことなどを話した。
主催者からのコメント
【1回目】ご自身も亡くなったお父さまにしてあげられなかったことをするために看護師の道を選んだという話をしてくれた。
【2回目】物はなくなってしまうけど、その人が生きている時にしてきたことはなくならないと教えてくれた。
その他にも似たような境遇の方から聞いたお話を(本人の了承を得た上で)紹介してくださったり、書籍の紹介などもしてくださった。
そして、回復までの時間は人によってそれぞれ異なる事、私のような気持になってしまうことは決して病気ではないと教えてくれた。
3回目は母を誘うのか
私はグリーフケアカフェに母を誘わない事にした。
恥ずかしながら、私がもたもたしているうちに母は母なりに気持ちの整理をしっかりとしていたからだ。
妹が亡くなってから2か月に1度は実家に帰っているが、父も母も会うたびに表情が明るくなってきている。冷静に考えれば私よりも人生経験が豊富な二人は自分の力で立ち直る方法を探すことができるのだ。
私に必要なことはだた、両親に『寄り添う』だけ。グリーフケアカフェのお二人が私にそうしてくれたように…
でもいつか、落ち着いたら私の体験談としてふたりに話をするかも知れない。