ヨルダン王室皇太子様の結婚式を前に催されたヘナパーティー:装いに込められた想いとは。
ヨルダン王室フセイン皇太子と婚約者ラジワ アルセイフさんの結婚式が2023年6月1日に予定されています。結婚式を目前に控え、ラニア王妃主催で新郎新婦家族の女性達が集まり、アルセイフさんをヘナパーティーでお祝いしました。
お祝いの模様は、ラニア王妃のインスタグラムで公開
優雅なヘナパーティーでは、ラニア王妃とラジュワ アルセイフさんが招待客の女性達と手を取り、一緒にリズムを刻んでいた姿が印象的でした。また、ラニア王妃のスピーチも王妃として、母としてにお言葉に、ラジュワさんが涙す一幕も。
通常女性たちのパーティーは人目に触れない様に努める事が殆どで、SNSにも上がりません。その中で、情報発信をしていらっしゃるラニア王妃。ヨルダン王室が国民に開かれ、愛され、慕われていること。末永く人々に愛される王室を創り、そして、人々に寄り添い生きていく。そんな王妃としての覚悟を強く感じます。
ヘナパーティーは結婚式前の大切なパーティー。
ラニア王妃、ラジワ アルセイフさん、招待客の方も伝統的な衣装で参加していました。
私が参加したことがあるのは、イラクの親戚のヘナパーティー。もちろん、王妃主催とは規模が違いますし、随分昔のことになりますが、どんな感じだったかを思い出して記しておきます。
始まりは、夜の8時半から、深夜零時頃まで。花嫁のお母さんが主催でした。招待客は勿論女性達だけ。踊り、歌い、ボホールと呼ばれるアラブのお香がふんだんにたかれた部屋で、花嫁さんの支度を一緒に楽しみます。ローズウォーターで清めた手足に、ヘナ職人がヘナアートを施していきます。
ヘナのデザインも伝統であったり、モダンなトレンドあり。日常的にヘナをしている人は、私の周りでは見かけませんが、結婚式やイードというお正月といったハレの日にヘナを施す人は多くいます。
また、アラブのパーティーでは、「踊り」が大切な要素の一つ。私も当初びっくりしたのですが、アラブの人達は踊りが好き。皆で手を取り合ってリズムを刻む。踊りが上手な人が一人で踊る事もあるけれど、殆どは、手を取り合ってほぼ全員が一緒に踊ります。日本の盆踊りの様な、輪になって踊るイメージが、一番近いかなと思います。ヘナパーティーではなく、結婚式では、花嫁さんがメインで輪の中心で踊ります。高く手を上げ、さあ踊りましょうとゲストたちを踊りの輪に呼ぶ瞬間、これは見逃せない花嫁さんの晴れ舞台。結婚式に参列した数だけ、あの瞬間の思い出もよみがえります。
さて、話をヨルダン王室のヘナパーティーに戻しましょう。
大切な日の装いに込められた想いとは
白地に金を組み合わせ、伝統的でありながら、明るく現代的。ヴォーグ アラビアによると、ドレスはサウジアラビアのデザイナーによるオーダーメイドとのこと。
ラジュワ アルセイフさんは、サウジアラビア リヤド生まれ。国を越え、時を越えて愛される将来の王妃の誕生に相応しい、見る人々を幸せにする素晴らしいドレス姿でした。Vogue Arabiaのリンク先に、ドレスやベールについてデザイナーの話も詳しく掲載されています。美しい写真と共に紹介されているので、ぜひご一読を。
ドレスは、ラジュワさんの故郷サウジアラビアの美と伝統を反映したデザイン。
ベールは?
なんてロマンチックなのでしょう。
ヨルダンの七稜星、そうです、ただの星ではありません。国旗に刻まれる7つの鋭角を持つ星が、ベールにも刺繍されてるのですね。
確かに、椰子の木一つとっても、私は、こんなに美しい装飾の椰子の木を見たことはありません。椰子の木に星屑が舞い落ちる様な、水が湧き出ているかの様な、溢れんばかりの煌めきに、心ときめく作品になっています。
日本の広島で開催されたG7でも、岸田裕子夫人がビーズの折り鶴を贈られたとありました。ビーズに込められた平和を祈る折り鶴。ヨルダンと日本と、別の場所にありながら、白とゴールド装いに想いを込める。素敵な偶然、ってあるのですね。
さて結婚式まで、あと数日。
皇太子様のご結婚をお祝いするメッセージを送るプラットフォームもあります。ヨルダン国内外、どなたでもメッセージを送る事ができるそうです。
末永くお幸せに。