骨を撫でる
閉塞感
このまま、なにもかわらないまま
同じように生きていくしかない
わたしはどうだろう
変えようと思えば環境は変えられる
「今」を捨てられるかどうか
でもほとんどの人はその勇気のないまま
同じように生きていく
変えたいのか
変えても今より良くなるという保証はない
何が、良くなのか
お金?人間関係?自分?
息苦しいのは
生き苦しいのは
自分が自分だから?
その日その時
幸せだったり不幸せだと思ったり
よろこんだり悲しんだり
なにもかも捨て去りたいと願い
今あるものに執着し
今の平穏に感謝もし
わたしはこのまま生きていくんだろう
この母の、背中の骨の、いびつさ。
独特のとがり具合。似通ってる。同しや。
その一つ一つがまぎれもなくふきこ自身と
同じものが固まって出来ていた。
軽率で、打算だらけで、飢餓に近いくらい満たされなかった。
~中略~
そのひもじいような関係を、性懲りもなく続ける。
なんでやろ。そんなもん血ぃや。
~中略~
弟に背負われて前をゆらゆら揺れていく。
そのこつこつの老婆の背中が、ふき子はいとおしくなる。
三人はそれぞれの目論見から、
そこに行けば何もかもよくなると信じているように病院を目指す。