私の乳がん記④ 巡り合わせ
私はとんでもなく幸せな癌患者として、
奇跡的な幸運の巡り合わせのお陰で今ここにいると言っても過言ではない。
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大きな奇跡
一番大きな奇跡は、右胸を全摘することになったが浸潤も転移もしておらず追加治療は何も無いということ。
私はシコリが11㎝もあり、また癌は高い悪性のものだったので術後は抗がん剤と放射線の追加治療になると思っていたと主治医に言われた。
私は稀なケースであった。
もう一つの大きな幸運は素晴らしい人との出会いがオーストラリアであったこと。
主治医との出会い
なんといっても紹介してもらえた主治医となる外科の先生がとても素晴らしい女性だった。
優れた技術を持っているのは勿論なのだが、説明が非常に丁寧で彼女の周囲はいつも穏やかな優しい空気が流れていて、会うと不思議と安心感があった。
何人も紹介候補のいる外科医の中からこの先生と一番最初に出会い、直感的にこの人にお願いしたいと思えた。本当に幸運な出会いだった。
日本人の乳がんサバイバーとの出会い
主治医が過去に乳がん治療したことのある日本人の方がいるとのことで紹介してもらえた。彼女の話を聞いて、全摘する覚悟が確固たるものになった。何かあったら相談できる心強い存在でもあった。
日本人の専門ナースとの出会い
入院した病院では乳がん患者をサポートする専門の女性のナースが2人いらっしゃるのだが、そのうちの1人は日本人の方だった。医療英語に不安があったので、彼女からのフォローは本当に助かった。しかも共通の友だちがいることが判明!一気に心の距離を縮めることができた。
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大きな病気なんてしたことないし入院は出産の時だけという経験しかなかった私。コロナ感染による制限により永住権を持つ外国人はオーストラリアを出国できない。日本に帰国して治療ができない。
そして永住権を持たない外国人はオーストラリアに入国ができない!
日本から家族が来てサポートしてもらえない!なんてこったい!
でも私には夫がいる。不幸中の幸い、コロナの影響で夫は自宅勤務。
それでも幼い息子がいる我が家では夫のサポートだけというのは難しいことは十分わかっていた。
藁にもすがる思いでオーストラリアで知り合った友人たちにサポートをお願いすると「僕らは家族だよ。いつだってサポートするよ!」とみんな快諾してくれた。
「頑張るしかない。もう進むしかない。」
全力でサポートすると言ってくれた夫、勇気と覚悟を後押ししてくれた友だちがいなければ前を向くことはできなかった。
私は奇跡を体験した。
感謝してもしきれない。
この巡り合わせは二度と体験できない。
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