食べるよりつくるが中心にある食堂
奈良の南エリアにある複合施設「鹿の船」のなかにある3つの施設「繭 mayu」「竃 kamado」「囀 saezuri」に訪れた。もともと奈良の旧市街地である”ならまちエリア”の観光振興拠点だったところを、リニューアルして「鹿の船」として再出発。中村好文さんの建築で、くるみの木が手がけているそう。
「鹿の船 繭」は情報館、図書室、展示室。
まさに繭をつくる蚕の小箱みたいにそこかしこに奈良を紹介する展示や本が置いてある。個人的には本好きなので図書室が一番嬉しくて、森のイスキアの初女さんの写真集というすばらしい装丁のものすごい本を発見してテンションが上がった。
「竃 kamado」は名の通り大きな釜戸のあるお店で、朝ごはんとお昼ごはんを提供している。調理場と釜戸がおおきく面積を取っていて「食事をする席が店の中心にない」かんじ。
(「鹿の船」公式webサイトから拝借しました)
いや、どのレストランもきっと見えないけれど調理場は広いはずで、だけどそれはお客さんには見えないようにされている。食材だってどこからきたのか、やはり見えなくなる。
「鹿の船 竃 kamado」は調理場が見渡せて、ご飯を炊くカマドもお店の真ん中にどーんとあって大きくて、脇には奈良にまつわる食材や調理道具が並ぶ販売店もある。「つくる」が見える空間だ。食べるところはカウンター席とすこし狭い2人席が脇の方にちょこんとあるだけで、「食べる」は店の中心にないようなかんじ。台所の脇で食べさせてもらってるようなかんじがたまらなく好きだ。
キャンプをしたり山登りをしていると、鬱蒼とした森のなか、いろんな生き物の吐息が聞こえてくるように思える。そんな中進むと「ここを歩かせてもらってるな」と感じて、足取りが神妙になる。休憩して川辺でバーナーで火を焚いて貴重な食材でごはんを食べていると、「食べさせてもらってるな」と思う。 なんか、そんなような、「食べる」が中心にないような雰囲気が、わたしは好きだ。背筋がピンとする。
反対にカフェの「囀 saezuri」は、席がメインで、人間と人間がかかわったりつながったりすることを中心に据えているのでゆったり過ごせた。お庭が見えるいいソファー席が空いてたので贅沢にも座らせてもらっちゃった。
ケーキがおいしい〜。ミーハーにも食べる前に写真を撮りました(笑)
いい日だった。
サポートも嬉しいのですが、孤立しやすい若者(13-25歳)にむけて、セーフティネットと機会を届けている認定NPO法人D×P(ディーピー)に寄付していただけたら嬉しいです!寄付はこちらから↓ https://www.dreampossibility.com/supporter/