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これから父になるし育児したいけど何をしたらいいのかわからない人へ:男性向け産後準備

「子育てにコミットしたいけど、妊娠したらパートナーはどんどん変化してくのに、おれはどうしたらいいかわからない!」

という話を聞くようになりました。
妊娠中のカップルの男性パートナー側から、そんな声をもらうんです。

すごい。ちょっと時代が変わったなって思いました。あたりまえのように子育てに参画するつもりであること、そして妊娠中のパートナーの変化に対して、焦って、なにかしなきゃ!って思える男性が増えたこと。それはこの10年くらいの啓蒙の成果じゃないかなって思います。

わたしは実は、「父なんだから子育てにこうコミットするべき!」とは思ってないです。「母なんだからこうすべき」で女性が苦しめられてきたことを考えれば、男性に対しても同じ言葉を向けちゃいけないなって思ってます。だから、子育てにどうコミットするか、どういう役割を自分が果たすかは、父母双方でひとりの人間としてフラットに考えたらいいと思ってます。

ほんとにいろんなあり方があると思ってるんだけど、今回は「俺も子育てやったるで!パートナーも支えるぞ!」ってコミットを決意してる男性(妊娠しない側)に向けて、産前になにをしたらいいのかを詳しく情報提供したいなと思ってます🙌

※どちらかというとこのnoteは妊娠6ヶ月を終えた方を読み手として想定しています。まずは安定期に入れますように。
※安定期に入る前のつわりは人によって大きく違いがあります。それはこちらのnoteがよかったので参考に!

なぜ産前に知っておいたほうがいいか?

産前にやることや知っておいたほうがいいことをこれから書いていきますが、なぜ産前に男性が知識を得たほうがいいかというと、

1.産後の言語化能力が著しく落ちるから
2.忙しくて大人同士でゆっくり話す時間がとれないから
のふたつが理由です。

24時間365日赤ちゃんと一緒にいると、「あー」とか「うー」とか言わない人とともにいるので言語化能力が落ちます。パートナーが帰宅してもすぐに今日あったことをうまく話せなかったり、順を追って言えなかったりします。(そしてうまく言えなくてパートナーへの苛立ちを【電子レンジをバタン!と閉める】で表したりします。そしてパートナーが「やべぇ怒ってる…近づかんどこう」になって、さらに片方が孤立する…。)

なので、自分の状況をうまく表現できない人を支えるためには、産後女性の身体・赤ちゃんの身体に関する事前知識とパートナーとの事前のコミュニケーションが重要になります。更に産後は大人同士でゆっくり話す暇もありません。体力がなければどちらかは寝落ちするし、こどもが育てばひたすら大人の会話はさえぎられます

産前がコミュニケーションの勝負どころです。

ぜひ以下を参考にしつつ、自分の役割を見つけてみてください。

体得したい基本スタンス

1.子育てはふたりだけでは乗り切れないと心得る

世の中にはたしかに、ひとりで子育てをしているひとがいます。ほんとうに心苦しいことです。だけど、パートナーがコミットすればすべて解決か?というと、そうでもない。子育てはふたりだけでも乗り越えるのは困難です。だから、誰かを頼ったり外注することが必要です。

2.なにより、親ふたりがご機嫌でいることをめざそう

出産後、女性の10-15%が発症するという「産後うつ」。でも実は、男性の10%も産後うつになると言われています。男女に限らず、子育てって、社会から孤立しやすく、ひとりで思いつめやすいものだと思ってます。

このnoteを読む男性は、フラットで優しくて、まじめなところがあるんじゃないかなと勝手ながら想像します。だからこそ、思いつめやすいかもしれないな、とも思います。

これからたくさんの情報を書きますが、なにより、親ふたりがご機嫌でいることをふたりで目指してもらえたら嬉しいです。自分とパートナーがそれぞれ機嫌よくいるためにはどうしたらいいか。そのためには誰かに頼る必要があるし、よく寝る必要があるし、おたがいの趣味や好きなことを手放さないスタンスも大事だと思います。「誰かに頼る」は、スキルであり高度技術です。いろんなものに委ねながら、ご機嫌でいきましょう。

産前にやっておくのをおすすめすること5つ

①家事が相互互換できるようにする

原則、自分ができない家事がないようにする。

そして、家事の質のベースライン(=完璧じゃないけどここまでならおたがい許せるライン)をふたりで話し合うのをおすすめします。

たとえば「洗濯物畳み」のクオリティは母80点・父50点という感じで、差はあると思います。重要なのはその50点がパートナーにとって受け入れられるラインなのか、受け入れられないラインなのか?です。「畳みかたはなんでもいいけど、裏表になってたらひっくり返しといてくれ」みたいな、必ず許せないラインが存在します。

パートナー同士で家事の相互互換ができていると、すぐにやってくる「子どもの病気」→「家族内パンデミック」という、実はどの家庭でも起きる危機的事態を切り抜けることができます。子どものいない今のうちに、わからない家事を洗い出して自分でできるようにしておくのがベスト。

※「できない家事」というのは、can/canot ではなくて、気がつくかどうか・思い至れるかどうかも含みます。例えば「燃えるゴミの日だ!と気づいて家の中のゴミをまとめる」とか「まとめてるなかで排水溝のゴミネットを替えることに思い至って実行する」とか。これしてねと言われなくても自らのオーナーシップを発揮できるようになることが大事です。

②家事の外注体制をはなしあい、整える

しかしそうはいっても、できない家事もありますよね。さらにふたりとも苦手な家事も存在すると思います。ちなみにわたしと夫は裁縫ができません。

日本人って家事労働時間が長すぎだって言われてるんですが、

・家電に頼ってない
・家事代行に抵抗がある

の2点が原因かなあと思います。

まずは家事の外注体制について、話し合うのがおすすめ!簡単なのは家電に頼ること。新世代3種の神器「乾燥付き洗濯機・食洗機・お掃除ロボット」は強い味方です。冷凍食品やミールキットによる料理の短縮化もおすすめ。産後外出はしづらくなるので、生協などの宅配をいまのうちに契約しておくとベスト。ラップなどの日用品は意外とヨドバシカメラのオンラインショップが激安です。

次に、家事代行を産前に一度依頼して、どこに何があると依頼しやすいのか・連絡のしやすさなども確認するといいと思います。

③育児の外注体制をはなしあい、整える

育児の外注体制も話し合うのが切におすすめ。職場復帰するパートナーなら、保育園どこにいれるのか、めぼしいところをピックアップしておくとよいです。

例えば「12月生まれ→4月入園」さんの場合、12月には保育園の入所申し込みをしないと間に合わないんです。「1〜3月生まれ→翌年の4月入園」ならば、0歳児さんで席がうまって1歳児クラスの入園がくっそ大変になりがちです。なので1歳でも入れそうなところを予め情報収集しておくとよいです。悲しい日本の現実ですが、地域によっては入園がくっそ大変です。これひとりでやると死ぬから片方のパートナーだけでやらないようにしてね・・・。

さらに、育休中にも育児を外注できるように、お住まいの地域のファミリーサポート制度を調べておいて、産後6ヶ月くらいで1時間程度でも利用してみてください。

「だれかに預ける・託す」練習をしておくと、本当に心がやすらかになります。ファミリーサポートは保育園に入園したあとも「どうしてもこの時間にお迎えが間に合わない」というときや「病後回復したけど保育園にはいけない」なんてときに使えます。祖父母が身近にいない方も、とてもおすすめ!こどもの預け先手配は、母親側がやりがちなのですが、これをふたりで相互互換性もってできると、超よいかんじになります。

※こういった育児外注は、「こどもと預け先の相性が悪い」という課題もおきやすく、その悩みを一気に女性パートナーが担いがちです。「めんどくさいからだれにも預けずわたしが全部やってしまおう」という結論にもなりやすい。どういうスタンスの預け先がよいのかも、ふたりで話し合えるといいと思います。

産後一ヶ月「ねたきり」にできるような体制をつくる

産後は、交通事故後と同じです。人ひとり出して、内蔵(胎盤)いっこ飛び出してます。

だから、産後一ヶ月は、母乳あげるか、女性本人の排泄か食事以外は寝たきり状態になるとベストです。(母乳もなければ、ミルクになるから完全にオトンの出番です)

出産中に会陰(えいん)が切れた女性もいます。自然に裂けたひともいれば、会陰切開した女性もいます。会陰切開していれば、縫合→数日経って抜糸することになる。会陰がいたくてふつうに座ってられず、ドーナツ型クッションがないと座れない日々をむかえます。さらに悪露(おろ)といって、生理のときのような分泌物が一週間くらい出ます。その悪露を出すのがまた、出産のときと同じくらい痛い人もいます。

余談ですが、わたし、母乳って産んだら自然にじわじわ出てくるんだと思ってました。とんでもなかった。最初は出てこない。最初は乳首も最適化されてないし、飲ませる側も飲む側も初心者なので、はなから母乳が出てくる人はまれです。最後まで出ない人もいるよ。ひとそれぞれです。

もちろん産後ピンピンしてるひともいます!わたしは出産中は会陰も切れなかったし悪露もそんなにひどくなかったです。でも、体調はひとにより千差万別です。ピンピンしてSNS更新してると思ったら単に産後ハイになっていただけで、すぐ反動で産後うつになったという方もいます。教科書は目の前のパートナーなので、ぜひよく見てあげてください。

寝たきりにするためには、男性側が育休をとる、祖父母や親戚を呼び寄せるor実家に帰る、産褥ヘルプをしている自治体やNPOのサービスを使うのがおすすめです。※もちろん家事の相互互換性のある男性が育休を取る必要があります。

どちらかの親を頼ったら「わたしのころは産んですぐ働いてたわよ」とか言われて休めなかったという悲劇エピソードもよく聞きます。家族との過去の確執が表面化することも。親に頼るなら価値観や知見のすりあわせをしましょう。それが難しそうなら、産褥ヘルパーさんを呼んで外注しちゃったほうが楽なケースもあります。

とにかく休ませよう。この一ヶ月母体が休めると、かなりこのあと快適です🙌

⑤育休の取得&産後の働き方についてはなしあう

子育てを二人でやっていきたいと思うなら、男性もまた、こどもができる前と同じように働くことができないと覚悟したほうがいいです。(もちろん、やりがいや自己実現を捨てろという意味ではないです!子育てと仕事の両立を目指すなかで、何らかの効率化や省略をする必要があるということ。産前とまったく何も変わらずいくことはできないです。)まず育休の取得について検討しましょう。育休タイミングのおすすめは

・産後一ヶ月
・パートナーの復職タイミング
のふたつです。

産後一ヶ月は寝たきりにしたいからが理由です。仕事をする予定の方なら、復職タイミングもとてもおすすめ。保育園に行くと、最初の半年はこどもが風邪をもらってきて休まざるを得ず、ぜんぜん仕事できないということが起きます。初期は「ならし保育」といって環境に慣れていくための週もあり、保育園にいってもすぐ帰ってきます。

※ちなみにちょうどいま、男性のための育休取得ハンドブック制作のためのクラウドファンディングがはじまってます。支援&冊子ゲットをおすすめしたい🙌

次に産後の働き方の見直しです。

共働きの場合、家事互換性のあるパートナーが夜のコアタイムに家にいると戦力になります。夜のコアタイムとは、家庭にもよりますが、およそ夕方6時から10時までの時間帯です。

この時間帯に家にいないと、ほぼ戦力外です。産前は仕事を終えて23時に帰宅していたパートナーが、こどもが産まれたからと22時に帰宅してもこどもはもう寝てるからほぼ戦力外になります。だから、コアタイムに帰宅して戦力になることがだいじ。料理提供、こどもに食べさせ、皿をあらい、排泄物の処理orトイレの付きそい、お風呂に入り、お風呂後の拭き上げや着衣、洗濯物をしまってたたんで、そしてなかなか寝ないこどもの寝かしつけ…といった一連の家事育児をふたりでやれるとほんとによいです。

もしこの時間にはどうしても家にいられないのなら、②で書いた家事外注や戦力になる家電投入はかなりしっかり目にやるのがおすすめ。

さらに大事なのは「やらない」を決めること。優先度低い家事や仕事・集まりをやらないと決める。たとえば
・洗濯物をたたむタスクをなくす(かごにいれといて各自服を引っ張り出すとか。ハンガー収納制度にするとか)
・掃除の頻度を下げる(ある程度のきたなさに目をつぶる意思決定をする)
・自分でなくてもよい仕事は引き受けない
・成果のなさそうな集まり(不要な飲み会)には顔出さない

といったスリム化を徹底的にはかるのをおすすめします!

もっと学びたい人へのおすすめ書籍

わたしのなかでは決定版です。すごくいい本なので、妊娠中に買って二人で読むのをおすすめしたいなあ。

こんな男性が書く本ももっと増えてほしいなあって思います。疾走感あって、読みやすい。おいおいってところもあって人間らしいです。

こどもの病気や発達に関して、女性パートナーのみがヒイヒイ検索して知識得て、意思決定をひとりで背負いやすい現状がまだあると思います。この本はとっても分厚いですが、一緒に同じ知識を得ることで、ふたりで背負えるようになるんじゃないかなと思います。

いや、日本って子育てしづらすぎじゃね?!って思った人へ

ほんとそうですよね…。

ここまでお話すると、子育てにまつわる社会問題の多さに気づいてしまったのではないかと思います。家事代行にも家電投入にもお金がかかるし、保育園には入れないかもしれないし、育休も取りづらいかもしれない・・・。少子化を嘆いている国とは思えない状況です。(もちろん医療は無償でうけられるし、支えられてることがあるのも見逃しちゃいけないです)

10年たっても待機児童問題は解決してないし、わたしも「どうしていまだにこんなに子育てがしづらいんだろう」と思います。

わたしは、まずは選挙に行ってます。日本ではそこからしか意思表明ができない。子育てに関して現実的な施策をうちだしてる候補者をえらぶようにします。さらに育児・子育てに関して取り組んでいるNPOに寄付をしたりしています。最近寄付したのはこちら。

そして、道や電車、カフェで出会う子連れににこにこしたりします。ほんとにそれだけだけど、半径1メートルから社会は変わるって信じてます。

ここまで読んでくれてありがとう。
そして、産前・産後のご家族のご健康を心から祈っています!

有料記事にしようと思いましたが、大事な情報提供かなと思ったので無料公開します。役に立ったよ〜!という人はよかったらサポートいただけたら嬉しいです^^また、私の執筆活動はマガジン読者さんに支えていただいてます。いつもありがとうございます!

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入谷佐知さっちん
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