ペルソナって、みんなどうやって作ってる?
まず、ペルソナやカスタマージャーニーマップが必要かどうかはまた別のお話ということで…。
ここ2年くらい、ペルソナとカスタマージャーニーマップを作ったり、それらをにらめっこしながら案件を進めていた時間が長かったので、備忘録的にnoteに残そうと思いました。
1. ペルソナが必要だった訳
どんな施策でもその後うまく案件を進めていけるかどうかは、社内チームメンバー及びクライアントと“共通言語”で話をし、極力ブレを少なく最終イメージを関係者が共通認識として持てる「スタート地点」を作ることが非常に大切だと考えました。
そのため企画書には、課題や要望から導き出す「目的」、施策において“憲法”となる「コンセプト」、そしてコンセプトを一番つたえたい人物の輪郭を具体的にするための「ペルソナ」が必要となりました。
またそのペルソナ像がどういう行動、思いを抱くのかを「カスタマージャーニーマップ」にすることで、この時こんな施策が打てるんじゃないかとか、ペルソナの時間の流れを中心とした俯瞰的なアイディアを提案することができるんじゃないかと思います。
2. わたしのペルソナのつくり方
まず、中心としたいターゲットを聞き出し(例 25~35歳 独身男性)、どういうタイプの人か(例:ガジェット好き、学生時代の友だちを大事にする、周りの人の役にたてると嬉しい…)などを初期にヒアリングします。
そこからはひたすら妄想に次ぐ、妄想…。
① ヒアリングをまとめ、少しだけ肉づけ
- 出身地、居住地、年収、兄弟構成など
② イメージに近い俳優さんの写真を決める
- “こんな顔してそう”のところから細かいディテールをつくるので個人的にはとても重要
③ 体温を感じる輪郭にするための妄想
- 小学生時代のエピソード等どうでも良さそうなバックボーン迄思いついてしまう事も。
具体的には、こんなのを資料に書きました。
<性格> 「トイ・ストーリー3」を映画館で観て泣く
<嗜好> 愛車HONDAシビック(中古)でドライブ
<その他> お酒はレモンサワーが好き
個人的には、ペルソナを妄想している時間は結構楽しかったりするので、逆に時間をかけすぎないように注意しています。
3. ペルソナを設定することのメリット
生々しく感じられるペルソナを設定することで、「〇〇さんだったらこっちの方が好きなんじゃないかな」とか「〇〇さんのモチベーションの場合だったら、これは刺さらないんじゃないか」など、架空のペルソナ〇〇さんを中心に案件が走るようになります。
これこそがペルソナを設定することのメリットであり、「〇〇さんだったら~」がメンバーの中で独り歩きしはじめると、半分くらいの決め事は関係者各々の好き嫌いから離れ、「〇〇さんが好きな方」という決め方になるので、スムーズに進めやすくなります。
4. 盲点??
当然のことながら、ペルソナはあくまでも分かりやすくつくられた架空の人物であり、そもそもそこにとても近い人だけがターゲットでもありません。
言うまでもないことですが、あくまでも、“共通言語”としての役割であるので、100%絶対的な存在ではありません。
ただ「わたしが考えているペルソナってこんな人ですが、どう思いますか?」とクライアントに聞くことで、「ここはないですねぇ」等を引き出すことも役割として担え、クライアントが考えているターゲットをより正確にイメージする助けになっています。
これらはあくまでも「課題から施策を提案する」という施策自体を企画するに当たって、より有効だと考えているため、ある程度施策内容が決まっている時は端折ってもいいのかもしれません。
5. ペルソナを使わなくても大切なこと
コンテンツを作ったり、施策を考えたりするには、常に「誰に対して」という意識は必要だと思います。
例えば、あるクリエイティブを軸に施策が走るときには問題ないのかもしれませんが、多くの場合、施策を企画検討するには、イメージするターゲットがあるのかなと思います。
関わるメンバーやクライアント担当者、そして担当者の先にいる企画をつたえないといけない人物に対して、解像度が高くない、ぼんやりした状態で企画を走らせると、企画の意図やイメージをつたえるのが難しくなる場合が多いです。より鋭角に施策を考える助けとなる、あくまでもひとつの方法がペルソナだと思います。
自分や関係者の好き嫌いや良い悪いで判断すると、軸がぶれまくって、結局なにを伝えたいものだったのかが見えづらくなるので、「誰に対して」はいつも頭の中に置いておく必要があるのだと思います。
いただいたサポートは、新しいクリエイティブを発見したり、また自身が作るための肥やしとして、大切に使わせていただきます。