3 . お産後の女性の自殺数
やっぱり私は、長くても、書くことで伝えたい。
先日、お産後の女性の精神面について改めて調べていた。衝撃の事実を発見した。まぁ、それは私の不勉強からで、その事実は10年ほど前から発表されていたんですが。。。
お産の一年以内に女性が自殺する数は、妊娠中・お産中・お産後1ヶ月以内に産科的な原因で亡くなる数の2倍以上
という事実。
衝撃的だった。。。
「お産後の女性の命を奪っているのは、出血でも、羊水塞栓でもなく、自殺だ」
という一文は私に重くのしかかってきた。
目の前の地面が崩れて崖になった気分だった。
大量出血で、点滴も輸血も最大量いっても間に合わなくて、お産後の出血の原因である子宮を取る手術をしてさえも、出血多量で助けられないお母さんたちがいる。
そして、羊水塞栓とは、滅多にないことだけど、なってしまえばほぼ確実にお母さんは助からない状態。どんなに優秀なスタッフが揃っていても、どんなに最新の設備が整った施設でも、まず助けられないほど、一瞬でお母さんの命を奪う、恐ろしい状態。
そんな、「どれだけ頑張っても、手を尽くしても助けれられない命がある。それも、誰も予測できない、いつ誰に起こるかわからないこと」があるのは分かっている。幸い、私は母体死亡にはあたったことはない。このどちらも経験したことはない。
それだけ、日本の周産期死亡率(妊娠中・お産中・お産後1ヶ月以内に産科的な原因で亡くなるお母さんの数;正確には割合)は世界でもトップクラスに低い。それは、妊婦健診の無料券の充実や、「妊婦は妊婦健診に行く」という人々の意識の高さ、医療の発達と医療現場の努力と、、いろんなものの結晶だと思う。
でも、そんな「命がけ作業(お産)」を終えたお母さんたちの中には、自ら命を断つ人たちがいる。
それほど、孤独で不安でもがいても光が見えないと感じる人たちがいる、ということなんだと思う。。。
産後ケアや、#8000(子どもの病気や怪我の電話相談)、子育て支援など頼れる場所を増やしてはいるけれど、本当に支援を必要としている人たちは、「誰かに助けてもらいたい」ということを感じられなかったりするし、たとえ感じられていても、いろんな事情や精神状態のために、声を上げられないこともある。。。
−すべての人を救うことはできない。
分かってる。
−周産期死亡率の2倍以上って言ったって、総数はそう多くはないでしょう?
そうだけど。。。
でも、「人間が一番死ぬ確率が高い時;産まれてくる時」を命からがら乗り越えた子どもたちが、「母親は自分を産んだ一年以内に自殺した」という運命を背負って生きていくのって、どうなん??
「全てはそうなる運命だった」っていう説もあるかもしれない。確かにね。そうかもしれない。
でも、お母さんも赤ちゃんも、助けられるものなら、助けてあげたい。助けて“あげたい”っておこがましい?でも、助けられるものなら、助けたい。私の一言や私の存在が、生きる意味になるのなら、どうか私を使ってほしい。。。
友達の助産師さんの会社では、企業に助産師を派遣して、妊娠前〜育休復帰後しばらくまで?一人の助産師にいろいろ相談できる仕組みどうですか?っていうことを広めていっているらしい。産業保健師の助産師版的な?
企業としては、女性の離職を防げることにもなるし、「こういう取り組みしてますよ」というアピールにもなる。
働く女性としては、月経や避妊・妊娠・不妊の話、妊娠中、育休中、子育ての悩みまで相談できる専門家がすぐ近くにいるって、いいことだと思う。「相談っていっても、何を相談したらいいのか。こんなこと相談していいの?みんな我慢してることなんじゃないの?」っていうことも、いっぱいあると思うから。相談のハードルが下がる、助産師というものへの敷居が低くなるっていうのは、いいよね。
助産師側としては、病院・産院で働くだけじゃない、という助産師のライフワークバランスとしても、いい働き方だと思う。でもこういうことをしたいなら、産婦人科満遍なく知識と経験が必要だと思うから、いっときはいろんな現場を見ることも大切だね。
男性の育児休暇も積極的に広まってほしいけど、パートナーが全てをできるわけじゃない。助産師だけでももちろん不十分。行政や地域(というけど、現実的には都会になればなるほど難しいよね)、ご家族(親きょうだいが近くにいる人、手伝ってもらえる人はそう多くはないのも現実)みんなで支える(依存先をいくつも持っておく)ことが大切だと思う(言うのは簡単。でもそれを実現させたい。メラメラ)。
また決意表明みたいになった。笑
最後までお読みいただき、ありがとうございました。