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心の引き出し

今日は月に1度開催のグリーフケアcafeの日だった。

救いを求めてたどり着いたのはもう7年以上前のこと。
気付けばグリーフ専門士として、主催の先輩専門士のサポートをさせていただくようになり、今に至る。

喪失体験というものは、なかなか言葉にすることが難しい。

言葉にならない。
心配をかけたくない。
強くいなければ。
しがらみがあって…。
どうせわかってもらえない。

さまざまな事情の中で、心の奥の本当に柔らかい場所にある想いは、言葉にならないまま石のように固まって、深い暗いところに沈んでいく。
そしてそこにあることが分かっていても、目をそらして蓋をしてしまう。
時にはあふれてくるような感情も、無理やり封じ込めてしまったりもする。

私はグリーフケアcafeで語ることで、そして語られる言葉を聴かせていただくことで、自分の中にある様々な感情や思い出、考えたことなどを手のひらに乗せて、改めて優しい光で照らすような作業をしているように思う。
そしてそれらを、心の中にあるたくさんの引き出しの中の、自分が一番落ち着く場所にしまっていく。
見えないように心の奥底にしまい込むのではなく、自らの意志で、いつでも取り出せる場所に。
哀しみや痛みはいつまでも変わらないのだけれど。

足を運んでくださる方々の抱える喪失体験は本当に様々で、同じ体験は一つもない、その方だけの大切なものだ。
でも、喪失体験により痛みを抱え、それでもどうにか生きていかなければと思っている、そういう意味では同志であり、自分だけではないと思える存在だ。
そのような安心できる場所で、自分がいかに救われてきたかを、改めて感じた日だった。

そしてグリーフを抱える方達が語れる場所、安心して泣ける場所がもっともっと増えること。
グリーフケアについて、たくさんの方達が知ってくださること。
そうしてもっともっと優しい世界になっていくことを、心から願う。

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