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新しい病院 // キセキ5

この記事は、こちらのマガジンの記事です。

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はじめに

前の記事からの繰り返しになりますが、ご自身の病院は、どうか「幸紗が良いと言っているから」という理由だけでは決めないでいただきたいです。

あなたが良いと思って選んだ病院がベストなのです。ご自分でも十分に検討した結果「ここが良いな!」と思われたのであれば、とても嬉しく思います。

また、このマガジンは病院の公式記事ではありません。あくまで、ファン個人の主観になっていることをご理解ください。

では、続きをどうぞ!


新しい病院へ

2018年9月。私のがん治療の拠点となる病院が決まりました。

その名は、東京都立駒込病院です。1879年創立の歴史ある病院で、私のちょうど100歳年上の大先輩です。がん・感染症センターとして、地域の医療を支えています。理念は「医療を通して人がその人らしく生き抜くことを支援する」。

ホームページは内容がとても充実しており、なおかつ読みやすく整理されており、患者さんを思う病院の心が伝わってきました。がん診療連携病院なので、患者サポートセンターなど、がんの治療に関わる様々な支援体制が揃っており、とても頼もしいです。

初診予約の電話をした場所は、まだ夏の暑さが残る公園の一角でした。すぐに電話は繋がり、初診日も数日以内に入れてくれました。とてもスムーズで、患者に配慮する気持ちが伝わってきます。丁寧な電話のご対応で感じた安心感が、豊かな水と緑の風景によく馴染んでいたのを覚えています。

ここなら、私の希望を可能な限り叶えてくれるかも。そう感じました。


病院の雰囲気

いよいよ初診日です。一緒に来てくれた夫は、駐車場に車を停めてすぐに言いました。

「ここは、当たりじゃない?」

夫は、車で正面玄関から駐車場に入るまでのわずかな間に、何かを感じ取ったようです。まず、病院特有の物々しさがないこと。建物はきれいにリフォームされており、程良く残ったレトロな雰囲気に、安らぎを感じます。

そして院内へ入り、夫はその「当たり」という感覚が、確信に変わったと言います。夫が言うには、受付の職員さんの雰囲気、内装や色使い、患者さんの表情や雰囲気、ロビー全体の雰囲気が、今まで見てきた病院の中でいちばん良かった、と。中でも一番心惹かれたのが、受付の方の対応の丁寧さ。表情、立ち振る舞いなどに、とても良い印象を抱いたそうです。

近年、医療は多様な担い手で構成されています。細かいところまで手を抜かず、全体をきちんと管理することは、とても難しいことだと思います。しかし、ここはそれをきちんと実行しているので、これが医療の質をそのまま示していると思った、とのことです。

おもてなしの心が、院内に満ちていたのです。

当時の私は、まだそこまで感じる余裕はありませんでした。が、後でしっかり堪能することになります。この場所が、私の病気だけでなく、内面のさまざまな問題も治すキセキの舞台になるとは、夢にも思っていませんでした。


主治医の先生とご対面

初診の受付を済ませたら、いよいよ主治医の先生とのご対面です。

診察室へ入ると、はつらつとした笑顔の素敵な先生が迎えてくれました。9月に出逢ったので、仮に長月先生とします。

「はじめまして。乳腺外科の長月と申します」

丁寧に自己紹介いただきました。告知日とは状況がまったく違うので、同じ対応でも今回はとても安心しました。


質疑応答タイム

前回の記事で書かせていただいたとおり、私は乳房部分切除(標準治療)と、乳房を切らない治療法のどちらを選ぶか、迷っていました。これはぜひ、実際に先生に質問しないと分からないと思っていたため、ここで色々質問タイムになりました。

この時の主なQ&Aはこんな感じです。

1.乳房の部分切除のやり方と、見た目の変化は?
今回はがんから1㎝ほど余白をとって切除するので、その分どうしても見た目は変わる。傷跡は、乳輪のふちに沿って切るので目立ちにくくできる。

2.その場合、術後の放射線治療やホルモン治療は必要?
これは切除してきたがん細胞の、病理検査の結果次第。ホルモン治療は、細胞の浸潤の範囲によって判断する。

3.手術でセンチネルリンパ節生検は必要?また、後遺症は?
浸潤しているかどうかわからないので、判断が難しい(なので、手術前に自分で選ぶことになる)。後遺症はあまり聞かない。

※センチネルリンパ節生検
乳房から飛び出した乳がん細胞が、最初にたどりつくリンパ節を取り出してがん細胞の有無を調べる。そうすれば、リンパ転移の有無がわかる。

また、私は温泉や岩盤浴が好きなので、特に外観の変化を気にしていることなどもお伝えしました。そして、切除する部位が比較的少ないこと、どこをどう切るか、そしてなるべく跡が分かりにくく手術するということもお答えいただきました。

これらを総合的に判断し、私は最終的に標準治療である、乳房部分切除を選択したのです。

このように、長月先生にはとても丁寧にご説明いただきました。診察室を出たあと、悩んでいた胸のつかえが取れて、すっきり爽快な気分でした。

「私には、強い味方がいる!」という希望が湧きました。そしてこの後、実際に長月先生がキセキへの案内人となってくれるのです。


※この記事の内容は、2018年時点の個人の経験や感想に基づくもので、特定の組織や団体などの意見を代表するものではありません。また、挿絵の画像はすべてイメージであり、実在する組織や人物とは関係ありません。
※この記事を治療方針などの参考にされる場合は、必要に応じて専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願い致します。
※病院名の記載などにつきましては、事前に当該病院の許可を得ています。


今日の音楽

Carole King - You've Got a Friend
これから困難が待ち受けているとき、寄り添ってくれる味方がいるのはとても心強いことです。きっと前向きに進んでいける!


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