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わたしの73歳での台湾移住は計画的ではなく突然の思いつきから

70歳で長年の時間に縛られた生活がようやく終わり、時間の余裕ができました。年老いた母の介護生活に囚われすぎるのを避けるべく趣味探しよろしく地域の高齢者教室で書や水彩画、盆栽造り、毎日のジム通いと自分の時間をしっかり充実させ、この先もこの暮らしを楽しみながら続けていくものと考えていました。

そんな中、73歳の時に100歳の母を見送り、ふっと、この先この地に縛られて暮らしていくこともないのだということに思いがいたり、このままで良いのかなという気持ちがふくらみはじめました。
長い間諦めていたというよりすっかり忘れていた“海外で暮らしてみたい”ということを思い出したのかもしれません。

急な思いつきで台湾移住を決め、これからの老後の暮らしがパーッと明かるいものに感じられる思いでした。
(ずっと別々の暮らしをしている夫が台湾にいるということも、やはり不安は少なかったということでしょう。それまで老後は一緒に暮らす予定は全くなかったのですが)

70歳までのフルタイムでお勤めは終えていたので、幾つか残っていた定期的な講師の仕事を年度変わりの切りの良いところでお断りすることもでき、スッキリ自由の身となりました。

トントン拍子に気持ちは進み身辺整理にも取り掛かりました。
これが最大の難関、長年の暮らしの中でたまったものの量は半端ではありません。

料理好きキッチン用品好きでその量たるやです。身に付けるものも呆れる程の量、たくさんのものを処分するのがいちばんの山場でした。
そして大事に育てていた庭の植物、室内の観葉植物、趣味で始めていた盆栽たちを、手離すのは一段の寂しさでした。親しい友人たちに好みのものをもらってもらったりして無我夢中でこなし、いつのまにか体重が2-3kg落ちてしまったほどでした。

身軽な移動が最善だとはわかっていても、一から道具を揃えるとなったらと考えると必然とキッチン用品やお気に入りの食器の幾らかは持っていきたいと、結構な引越し荷物になりました。運送関係に問い合わせてみると、海外への輸送となると大掛かりで金額も想像以上のものでした。
そんな中いろいろ調べているうちに、郵便局の船便輸送という方法があることを知りました。1ヶ月ほどと時間はかかるけど1個の重量が30kgまでOKということで、友人たちの助けを借りて無事発送することができました。

出発までに済ませておかなければならない諸手続きもタイムスケジュールに合わせて着々と進めました。
パスポートの残り期間に余裕を持たせるために時期を早めて更新、車の免許証も1年早く更新し台湾でも運転をするための書類をJAFでもらってきました。(それをもとに台湾では5年の免許証を発行してもらいました)
銀行や保険会社の住所変更、役所の諸移動手続きを済ませ、
一番最後がスマホの解約で全て終了。

台湾行きのエアーチケットに合わせての忙しいスケジュールが何とか終わり、無事飛行機に乗り込んだ時の気持ちはこれからへの希望や不安というより
よく飛び立つことができたと言う安堵感だけでした。



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