右手に情熱 左手にそろばん
ユニットケア。
大規模施設の中に小規模施設が何個もあるイメージの造りで、私が介護福祉士になった17年前でもかなり国が推していた。
手厚いケアだったり、自宅に近い環境だったりと好評だ。
私も新卒後、初めての就職先は幼稚園と併設型の特養でユニットケアのためかなりの人気施設だったが、蓋を開けると給料が払えないほどの赤字施設だった。
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このニュースでは、人材確保の問題とホテルコストの問題が書かれている。
高級化してる特養に入所出来ないという内容。
しかし内容を見ずに、数字だけ見たら
「特養に空きがある」
という誤解を招いてしまう、恐ろしい数字だ。
近年、福祉事業者は赤字、倒産が増え続けている。
経営者タイプは大きく3つに分けられる。
①現場上がりの熱い人
②他事業からのお金儲け主義の人
③情熱と経営の視点を持ってる人
①の情熱だけの経営者が福祉事業を行ったら、損益分岐点も知らず、より良い福祉サービスの提供をして(しまい)、喜ばれるが赤字だったり、スタッフに無理を押付け負担が増え、更なる介護人材の不足を招き、残ってるスタッフの負担が増える悪循環を招いてしまう。
一方、②のお金儲け主義の経営者だと、手薄なサービスを行い、気持ちと技術ある人材の流出、入居者の退去となり、こちらのケースも悪循環を招く。そのため中身がない福祉事業者は淘汰されていく。
理想的なのは、③の右手に情熱、左手にソロバンタイプ。特に福祉事業はこれがないとだめなのだ。
そのような現実があり、①ないし②の経営者が営む有料老人ホームは倒産し、行き場を失う高齢者。
しわ寄せは全ていわゆる社会的弱者の方々。
福祉には経営の視点が欠けている。そんな業界。
それなのに
特養はニーズがないともし国に誤解されたらどんな悲劇が起きるのか。
2025年問題
3人に1人が高齢者
生活保護者の約5割が高齢者。
こんなワードに振り回されず
20万円を特養に払える高齢者、ご家族がどれくらいいるか。
ユニットケアにしたことで、ホテルコストがあがるごく当然の摂理。
近隣に施設を作ることで、人材の奪い合いになることについて。
等、具体的に多角的に考えられていないのはなぜか。
国、都道府県、市町村、それぞれの高齢者計画では、調和だったり整合性だったりを絡めあって考えていかなくてはならない。
20万払えると思っていたのか、考えてなかったのか不明だが、こんなことを続けていたのでは
超高齢社会には対応できない。
これが日本の福祉の現実なのではないだろうか。