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シングルマザーのクッキー屋の話 【はじめまして 書いてもいいですか?】

某出版社より「ちいさなお菓子屋さんのはじめかた」的な開業実用書のような本の取材のお話があり、企画書を拝見したのだけど、迷っている。

こんな私(貧乏、技術なし、シングルマザー)でもお店を開けたから、誰にでもできるヨという希望の星になりたいという気持ちはある。

でも、でもだ。同時にわたしの話は何の参考にもならない。
偶然に次ぐ偶然で出来上がったし、そもそも別にお店をやりたかったわけではない。
時間を作りたかっただけ。

大工の同級生に偶然再会したり、熊本に引っ越したはずの友人が突然ひょっこり現れてwebまわりをサクッと作ってくれたり、貸すつもりのない物件を大家さんが子供の顔を知っているからと貸してくれたり、フランスに行くはずの後輩がなぜかビザの発行が遅れて手伝ってくれたり
それらはどれが欠けても開店できなかったけど、実用書には必要のない項目だ。

それにお店なんてお金だけあればどこの誰でもすぐに開店できる。開店するだけなら。

それまでにどんな経験を積んできたか、なにがひとよりも得意か、時間やお金をなにに使ってきたか。

これからどうやって続けて行くか、どの方向に成長するか、どうやって儲けるか。
そして自分のこれからの生活 人生を、なにを犠牲にしてなにを大事にするか。

そっちの話の方がどう考えても大事だと思うし、みんなに役に立つ情報なんて誰にも役に立たないのと同じだし、自分にしかわからない自分のことを自分の頭で考え続けることの大切さを声を大にして伝えたい。

というわけでたぶん取材はお断りすると思うのだけど、ここでこの湧き出た伝えたい思いを暑苦しく発揮させてくれませんか。

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